本講演の目的は、FT-IRを使用し始めた方や再度勉強してみようと思っている方を対象に、FT-IRの基礎的なことを確認することです。基礎的なことを確認することで、今まで以上にFT-IRを使いこなすことを目標としています。FT-IR本体測定を中心にお話します。今まで何気無く測定していたFT-IRですが、測定方法は正しく理解していますか?同じようなスペクトル (結果) に見えるのだけどどこが違うの?どのようにFT-IRを活用していいかわからない…等、いっしょに考えていきましょう。
　FT-IRのどのような測定方法を用い、それぞれの測定法からはどんな情報が得られるのか、解析はどう進めていくのか、解析のポイントは何か、差スペクトルとデータベースを使いこなすという一連の作業について説明します。この機会にひとつでも多くの疑問を解決し、日常の業務にお役立てください。

1. はじめに
   1. 大切な分析の視点とは
   2. 分析の中のFT-IR – その位置づけなど –
2. FT-IRの基礎
   1. FT-IRとは
   2. FT-IRから得られる情報
   3. FTIRでスペクトルが得られるまで
   4. FT-IRの縦軸
   5. 測定パラメータ
3. FT-IRの測定方法
   1. 測定方法の違い
   2. 本体-透過法の特徴と利用例
   3. 本体-反射法の特徴と利用例
   4. 本体-ATR法の特徴と利用例
   5. きれいなスペクトルを得るコツ
   6. 前処理とその例
   7. 顕微IR
4. スペクトルの解析 (その1)
   1. 測定から解析の流れ
   2. データベースの活用方法
   3. よく使われるスペクトルの処理とそれを使用した解析
   4. 検量線作成とサンプルの定量方法
5. スペクトルの解析 (その2)
   1. 構造解析
   2. 問題解決のための解析
   3. オリジナルデータベースの作成
   4. 解析のための知識
   5. まとめ
6. 実際のFT-IR使用例
   1. 材料分析の例
   2. 異物分析の例
   3. 劣化分析の例
7. 装置使用上の注意点
   1. 装置取り扱い上の注意
   2. コンタミに対する注意
8. まとめ