技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

熱可塑性エラストマーの技術トレンドと市場動向

熱可塑性エラストマーの技術トレンドと市場動向

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、熱可塑性エラストマーの技術トレンドと市場動向について、従来の熱可塑性エラストマーだけでなくソフトマテリアルに広げて解説いたします。

開催日

  • 2021年11月18日(木) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 熱可塑性樹脂・熱可塑性エラストマーの応用に関連する技術者、研究者
    • 自動車の軽量化
    • 自動車内装表皮材
    • 住宅・建築物の化粧シート
    • 太陽電池の封止材
    • スピーカーコーンエッジ材
    • 医療
    • ロボット など
  • 従来材から熱可塑性エラストマーへの移行を検討している技術者
    • 軟質塩ビからの代替
    • 熱硬化性樹脂・ゴムからの代替 など
  • 熱可塑性樹脂・熱可塑性エラストマーに関連する技術者、研究者

修得知識

  • 熱可塑性エラストマー (Thermoplastic elastomer : TPE) の体系
  • 自動車、医療用エラストマーの動向
  • ポリエステルエラストマーやシリコーンエラストマー等の新規エラストマーの採用情報
  • バイオエラストマーの開発動向

プログラム

 自動車・住宅・医療・食品包装・農ビ等には塩化ビニル樹脂に可塑剤を混ぜた軟質塩ビが用いられてきた。可塑剤にはアレルギー物質として懸念されているオルトフタル酸エステル (Ortho Phtalate) が主に用いられてきたが、他の可塑剤に代替えが進んでいる。軟質塩ビは低温で硬くなり割れやすいため、エアバッグ開裂性が要求される自動車用のインストルメントパネルやドアトリムには適さない。低温でもフレキシブルなポリオレフィン系熱可塑性エラストマーに代わっている。また耐摩耗性や低温屈曲性が要求される自動車用シート表皮は強靱なウレタン系エラストマー (合成皮革) に代りつつある。
 米国カリフォルニア州ではZEV (Zero Emission Vehicle) 、ヨーロッパでは二酸化炭素 (CO2) 排出量規制、中国やインドでは深刻な大気汚染対策のため内燃機関からの脱却 (電動化) が急速に進んでいる。自動車内装材も燃費向上に寄与するため軽量化が重要な観点となっている。
 従来高級車は本革が主流だったが、米国のPETA (People for the Ethical Treatment of Animals:動物の倫理的な扱いを推進する団体) やイギリスやインドのVegan (完全菜食主義者) によるアニマルフリー化の要求が強くなり、テスラーモータースも本革からウレタン系エラストマー製レザーに代えている。しかしウレタン系エラストマーは耐薬品性 (特に近年消毒剤として使用されるエタノール) に劣っている。ウレタン系エラストマーに代わる耐薬品性の高いエラストマーとしてシリコーン系、ポリエステル (TPC) 系等が登場している。
 インストルメントパネルは、タッチパネル化による操作なに変化して構造が大きく変化している。近年は身近に感じる環境変化によりカーボンニュートラル化 (化石炭素排出抑止) が最優先課題になり、本革や塩ビ (炭素より塩素の重量比率が高い) や天然繊維 (木綿や麻等) ・再生繊維 (レーヨン等) が復活している。本講座では、めまぐるしく変化する社会・地球環境を理解して熱可塑性エラストマーの今後の方向を示す。

  1. はじめに
    1. 最新情報をもとに自動車の未来を考える
    2. 人や環境への配慮
      • VOC (ボラタルオーガニックコンパウンズ)・SVOC (セミボラタルオーガニックコンパウンズ) の低減
      • 臭いの低減
      • アミンフリー対応によるウレタン発泡体の減少
      • 軽量化
      • アニマルフリー化 (VEGAN)
      • 抗菌・抗ウイルス等のMaaS (マース:Mobility as a Service) 対応
      • 本革や塩ビや木綿等の復活
  2. エラストマーの種類
    1. 塩化ビニル系
    2. オレフィン系
    3. ウレタン系
    4. スチレン系
    5. エステル系
  3. 自動車用エラストマー
    1. 自動車メーカー (OEM) ,部品メーカー (Tier1) の動向
    2. 内装表皮材メーカー (Tier2) の動向
    3. インパネ・ドアトリム用エラストマー全体像
      • インモールドグレイニング (IMG) 用TPO
      • PUスプレー
      • パウダースラッシュ成形 (SPM) 等
    4. インストルメントパネル・ドアトリム詳細
      1. オレフィン系熱可塑性エラストマー
        (TPO:Thermoplastic polyolefin) の増加
        1. 工程概要
          • 配合 (安定剤処方等)
          • フィルム成形
            • 押出成形
            • カレンダー成形
          • 表面活性化処理
            • コロナ
            • プラズマ
          • 表面処理
            • 表面処理剤と処理機の選定
            • 水性化
        2. TPOへの電子線架橋技術
        3. 電子線架橋ポリプロピロピレン発泡体製造技術
        4. 電子線架橋エラストマー発泡体によるスコアレス化 (エアバッグ開裂用溝加工無し)
      2. ハンドラップ用イミテーションレザー
    5. 座席表皮 (シートカバー) 用エラストマー
      1. 本革
        • クロムの使用
        • 臭い
        • 重い
        • 動物保護団体の圧力
        • しかし化石由来炭素不使用 (カーボンニュートラル) のため増加傾向
      2. 塩ビレザー
        • カレンダー法
        • キャスティング法
      3. ウレタン/塩ビ ハイブリッドレザー
      4. ウレタンレザー
        1. 合成皮革 (スキン層有り)
          1. 溶剤タイプコーティング法:
            • 下層ハイソリッドタイプによる溶剤低減
          2. 水性タイプコーティング法:
            • 発泡層の形成方法
          3. ホットメルトコーティング法:
            • 発泡層の形成方法
        2. 人工皮革 (スキン層無し:スェード) :
          • 環境に優しいマイクロファイバー
        3. 熱可塑性ポリウレタン (TPU:Thermoplastic polyurethane) レザー
      5. 新規レザーの動向
        • ポリエステルレザー
        • シリコーンレザー
    6. 座席用ウレタンフォーム代替え:
      • ポリエステルエラストマークッション体
      • ウレタンエラストマー発泡ビーズ
    7. 未来感とエラストマー
      • モーフィングスイッチ (Morphing switch) 対応エラストマー:
        • ステルススイッチ (Stealth switch) やステルスボタン (Stealth button) とも言う
        • スライドリングマテリアル (SLM) や熱可逆架橋ゴム
    8. タイヤ用ゴム代替えエラストマー
    9. ヘッドランプレンズ用シリコーンエラストマー
    10. グラスランチャンネル・ウェザーストリップ用エラストマー
    11. 外装用エラストマー:バンバー等
  4. 住宅用エラストマー
    1. 床材:塩化ビニルが主流
    2. 窓枠及びシーリング材
  5. 医療用エラストマー
    • 中国・ヨーロッパではスチレン系・シリコーン系エラストマーの増加
    • 医療用ロボットの人肌近似エラストマーの動向
  6. これから
    • カーボンニュートラル対応エラストマーの開発動向

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
案内および割引をご希望される方は、お申込みの際、「案内の希望 (割引適用)」の欄から案内方法をご選択ください。

「案内の希望」をご選択いただいた場合、1名様 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。

  • R&D支援センターからの案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
  • R&D支援センターからの案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/6 プラスチック用添加剤の作用機構と使い方 東京都 会場
2024/12/9 二軸スクリュ押出機を用いたリアクティブプロセシング技術の基礎から応用へ オンライン
2024/12/9 架橋技術によるポリマーの性能向上と物性・特性改良方法 オンライン
2024/12/9 高分子材料の末端基・構造解析テクニック オンライン
2024/12/10 樹脂部品の特性と材料費/加工費/型費の概算法から検図法まで学ぶ超実務設計 オンライン
2024/12/10 フィラー最密充填構造設計とポリマー系複合材料の高熱伝導化 オンライン
2024/12/10 高分子材料の劣化・変色技術の基礎と防止処方技術 オンライン
2024/12/11 低誘電特性樹脂の技術開発動向と設計手法 オンライン
2024/12/11 チクソ性の基礎、制御、測定・評価と実用系への活用方法 オンライン
2024/12/11 ポリマー・高分子材料のモノマー化・解重合技術の基礎とケミカルリサイクルの技術動向 オンライン
2024/12/12 微生物が作るヌメリ (バイオフィルム) の形成制御、防止・洗浄技術 オンライン
2024/12/13 高分子絶縁材料の劣化・絶縁破壊メカニズムと計測・データ解釈法 オンライン
2024/12/13 プラスチック加飾技術の最新動向と今後の展望 オンライン
2024/12/13 化粧品の微生物管理と防腐・抗菌性試験実施 基礎講座 オンライン
2024/12/13 エポキシ樹脂の基礎、硬化剤との反応および副資材による機能化 オンライン
2024/12/16 架橋剤を使うための総合知識 オンライン
2024/12/16 熱可塑性エポキシ樹脂の基礎と応用 オンライン
2024/12/16 フィラー最密充填構造設計とポリマー系複合材料の高熱伝導化 オンライン
2024/12/17 高感度化フォトレジスト材料の合成・設計・開発技術 オンライン
2024/12/17 天然植物繊維を強化材とする複合材料の基礎と応用 東京都 会場