技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

凍結乾燥の最適な条件設定による品質の安定化

凍結乾燥の最適な条件設定による品質の安定化

~凍結乾燥シミュレーション、凍結乾燥の失敗 (トラブル) 事例、再生医療における凍結乾燥技術の必要性~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、注射剤や無菌原薬などの凍結乾燥医薬製造プロセスの理解に必須な基礎知識を“凍結“と“乾燥“の両観点から深く掘り下げて解説いたします。

開催日

  • 2020年6月25日(木) 10時30分 16時00分

受講対象者

  • フリーズドライに関連する医薬関連製品の技術者、品質担当者、担当者、管理者
    • 抗がん剤
    • 抗生物質
    • ワクチン
    • 注射剤 など
  • フリーズドライに関連する技術者、開発者、研究者

修得知識

  • 医薬のための固体化学の基礎知識
  • 凍結と乾燥の基礎原理、基礎知識
  • 凍結乾燥装置とプロセスの理解
  • 凍結乾燥プロセス・製品製造の合理的理解、最適化の考え方
  • 凍結乾燥の注意点/失敗事例/対応策
  • スケールアップ – サイトチェンジのポイント
  • リスクマネジメントによる装置メンテナンス
  • 装置の規格概要 (URS作成時のポイント)
  • バイオマテリアル、再生医療、再医療における凍結乾燥技術の役割

プログラム

セッション1: 凍結乾燥の基礎原理とシミュレーションによるプロセスの理解

~凍結乾燥プロセスの課題と研究動向~

(10:30~12:00)

 本講座では注射剤や無菌原薬などの凍結乾燥医薬製造プロセスの理解に必須な基礎知識を解説します。相平衡、結晶化、ガラス化など固体物理化学と関わる理解を確実にし凍結乾燥プロセスの理解に必須な基礎原理の理解を深めてもらいます。また、数学的手法に基づく乾燥シミュレーションの実施法について解説しプロセスの理解をさらに深めてもらいます。

  1. 凍結乾燥プロセスの概説
    1. プロセスの流れ
    2. 装置構成・装置内の水分移動
    3. 凍結乾燥の基礎原理
  2. 凍結乾燥シミュレーション
    1. 凍結乾燥を進行させる駆動力
    2. 棚板式バイアル凍結乾燥モデル (Rp-Kvモデル)
    3. シミュレーションの実施法
    4. シミュレーションの実施例
    • 質疑応答・名刺交換

セッション2: 凍結乾燥の失敗 (トラブル) 事例と対策

~凍結乾燥機の機器メンテナンスと規格~

(12:45~14:15)

 医薬品凍結乾燥の失敗事例とその対応策を示します。また、スケールアップ及びサイトチェンジでの失敗事例と技術的手法の説明とリスクマネジメントに基づいた装置メンテナンスの計画とバリデーションについての説明を行います。装置導入時のURS作成のポイントを示します。

  1. 凍結乾燥プログラムおよび物性起因の失敗事例
    1. 下部コラプス
    2. 上部コラプス
    3. 収縮
    4. 二層化
    5. 表面形状不良
    6. 飛散
    7. 難透膜障害
    8. 這い上がり
    9. 破瓶
    10. 有機溶媒残留
    11. 沈殿
  2. 装置起因の失敗事例
    1. 真空リークによる無菌性保障不良
    2. 復圧フィルタ完全性試験不合格による無菌性不良
    3. 含水率不良
  3. スケールアップ、サイトチェンジでの失敗事例
    1. 棚温度の出入り温度差による影響
    2. 庫内気層温度の差による影響
    3. 容器形状や容器配列の違いによる影響
    4. サイトチェンジの際の注意点
  4. 医薬用凍結乾燥機のメンテナンスについて
    1. リスクマネジメントによる装置メンテナンス
    2. 真空漏れのリスク
    3. 機器異常による制御不良
  5. 医薬用凍結乾燥機の規格について
    • 質疑応答・名刺交換

セッション3: バイオマテリアル技術からみた再生医療 – 凍結乾燥技術の役割 –

(14:30~16:00)

 再生医療とは、体本来のもつ自然治癒力を高め、病気を治す医療である。この自然治癒力のもとが細胞の増殖、分化能力であり、これを高めることが大切である。生体組織は細胞とその周辺環境からなっている。いかに丈夫なからだでも、家や食べ物がなければ弱ってしまう。これと同じことが細胞にもあてはまる。つまり細胞能力を高めるには、バイオマテリアル技術を用いて細胞に家や食べ物など周辺環境を作り与えることが必要となる。
 本講演では、バイオマテリアルの観点から、細胞能力を活用した再生治療および細胞応力を調べる再生研究を考える。再生医療における凍結乾燥技術の必要性についても述べる。

  1. バイオマテリアルとは何か
  2. 再生医療とは何か
    1. 細胞能力を高めるバイオマテリアル技術の役割
    2. 細胞周辺環境 (細胞の食べ物と家) と何か
    3. 細胞の食べ物を与える技術
      • ドラッグデリバリーシステム
      • DDS
    4. 細胞の家 (足場) を与える技術
    5. 再生治療と再生研究 (細胞研究と創薬研究)
  3. 再生医療における凍結乾燥技術の役割
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 中川 究也
    九州大学 大学院 工学研究院 化学工学部門
    教授
  • 細見 博
    共和真空技術 株式会社
    取締役 技術本部長
  • 田畑 泰彦
    京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 生体材料学分野
    教授

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5F 第4講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 47,500円 (税別) / 52,250円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 47,500円(税別) / 52,250円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/1/24 GMP省令が要求するQAの逸脱の防止対策とCAPA/変更管理 オンライン
2025/1/24 CMC試験におけるOOS・OOT 判断/発生時の対応 東京都 会場・オンライン
2025/1/27 局方/GMPに対応する不純物の評価・管理及び原薬出発物質の選定/妥当性/CQA・CPP設定 オンライン
2025/1/27 洗浄バリデーションでの洗浄方法選択、残留限度値とホールドタイム設定 オンライン
2025/1/27 希少疾患治療薬開発にむけた治療薬開発の最新戦略とアプローチ オンライン
2025/1/28 遺伝子治療薬の開発・薬事戦略と承認取得 オンライン
2025/1/28 QA担当者が抑えるべきGMP適合性調査対応と査察当局による指摘事例と対策 オンライン
2025/1/29 製造管理/品質保証担当者の質を高めるための教育訓練 オンライン
2025/1/29 洗浄バリデーションの基礎と残留許容値、回収率設定の科学的根拠の示し方 オンライン
2025/1/29 医薬品企業における英文契約書読み方基礎講座 オンライン
2025/1/30 医薬品凍結乾燥の条件設定、設備、バリデーション、スケールアップおよび失敗事例と対策 東京都 会場・オンライン
2025/1/30 一般医薬品向け: CTD-M2作成 / 規格及び試験方法と分析法バリデーション / 技術移転と同等性評価 (全3コース) オンライン
2025/1/30 CTD-M2 (CMC) 作成セミナー オンライン
2025/1/30 一般医薬品における有効期間を考慮した規格及び試験方法の設定と分析法バリデーションの実施方法 オンライン
2025/1/30 一般医薬品における技術移転 (製法・試験法) の手順と同等性の評価方法 オンライン
2025/1/30 変更管理・逸脱管理 (リスクのクラス分類と運用の留意点) オンライン
2025/1/30 導入品 (アカデミアへの委託試験も含む) の信頼性基準対応と信頼性基準試験の生データの取扱い オンライン
2025/1/31 リスクベースのGCP監査 オンライン
2025/1/31 データインテグリティ (DI) における各手順書への落とし込み・作成と記載レベル オンライン
2025/1/31 GMP対応工場における設備・機器の維持管理 (保守点検) と設備バリデーションの実際 オンライン