技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

洗浄バリデーションに関する基準をどう決めるか? どう評価するか?

GMPノウハウ2日間講座

洗浄バリデーションに関する基準をどう決めるか? どう評価するか?

~最新規制を考慮した具体的な進め方・残留限度値設定の考え方とは~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2020年4月22日(水) 10時30分 16時30分
  • 2020年4月23日(木) 10時30分 16時30分

修得知識

  • 残留許容値の考え方の変遷と最新動向
  • クリーンホールドタイムで留意すべきこと
  • 非接薬部位の残留許容量の考え方
  • サンプリング場所と個数の設定例
  • 回収率テストの事例
  • 回収率に影響する因子
  • 適切な洗浄剤の選定
  • 洗浄をより効果的に行うために押さえておきたい重要なパラメーターと洗浄剤
  • 洗浄バリデーションを踏まえた洗浄検討時に考慮しておきたいポイントと洗浄剤選定
  • PIC/S-GMPにおける洗浄関連の規制動向
  • PIC/S Aide Memoire (共用設備における交叉汚染防止備忘録)
  • 健康ベース曝露限界値の設定
  • 数値シミュレーションによる評価例
  • 今後の洗浄バリデーション対応
  • 目視検査

プログラム

第1部 洗浄バリデーションにおける残留限度値の許容範囲とホールドタイム (DHT/CHT) 設定方法

(2020年4月22日 10:30~13:00)

 専用設備であっても分解物等のキャリーオーバーが懸念されるので洗浄バリデーションが必要である。また、CHTは放置中の装置の汚染リスクを考慮するもので、天井・床等の非接薬部での交叉汚染リスクを考察する必要がある。残留許容値について規制当局は毒性データに基づく設定を要請する方向にあるが、そこにはいろんな問題がある。こうした、悩ましい問題への対応策について、演者の経験に基づいて具体策に提案する。

  1. 企業が患者に約束すべきは
    1. 洗浄バリデーションは、交叉汚染対策の単なる一手段ということ
    2. 洗浄バリデーションのHow-toはまだまだ発展途上
    3. 洗浄対象物に思い込みをしない
    4. 薬物と設備材質との相性も要注意
    5. Leachables/Extractablesの同定
    6. 消毒すれば微生物は大丈夫?
    7. 非日常的作業後の洗浄にも留意
  2. 洗浄開始まで/使用するまでの放置期間 (DHT/CHT) に注意
    1. 放置中に設備に何が起こる?
    2. 接薬部位以外にも配慮がいる
    3. 環境モニタリングデータを過信するな
    4. 床、壁の残留許容量はどう考えるか
  3. 異品種有効成分の残留許容値設定
    1. FourmanとMullin論文の影響
    2. 一日最小投与量の0.1%以下基準とその問題点
    3. 10ppm基準
    4. 目視限度基準
    5. 投与量基準から健康ベース暴露限界値 (HBEL) へ
    6. ISPE-RISK Mappの論点
    7. EMA (欧州医薬品庁) ガイドラインが主導へ
    8. 毒性発現臓器 (組織) は物質により特徴が
    9. 動物データの人への外挿による問題
  4. 不純物・分解生成物の残留許容値設定
    1. ICH Q3ガイドラインを適用
    2. 遺伝毒性不純物はどう考えるか
    3. ICH M7変異原性不純物ガイドライン
  5. 洗浄剤の残留許容値設定
    1. LD50を用いることの議論
  6. 微生物の残留許容値設定
  7. 可視異物の残留許容値設定
  8. 残留許容値に関する私見
    • 質疑応答・名刺交換

第2部 サンプリング方法と箇所の設定、回収率の判断基準

(2020年4月22日 13:50~16:30)

 全ての接薬部位の残留量を計測することは不可能であり、結局は特定箇所の部分サンプリングの結果から残留量を推定せざるを得ない。サンプリング場所を間違えると残留を見逃す可能性がある。信頼性 (再現性) の高いサンプリング方法の設定だけでなく、接薬表面積をどこまで考慮するかも残留量の計算値に影響する。
 さらに、適切なスワブ材や抽出溶媒を選定しているかを回収率で確認しておく必要もある。このような残留量を測定する上での考慮点と対策を提案する講座である。

  1. 各種サンプリング法の特徴と問題点
  2. サンプリング箇所の設定
    1. どこからどれ位サンプリング?
    2. サンプリングで注意すべきこと
  3. スワッブ材/抽出液ろ過用フィルター材の選定
    1. スワッブ溶媒の選定
  4. TOC等によるオンラインモニタリング
  5. 接薬表面積の算出
  6. 洗浄剤の選定
    1. アルカリ性洗浄剤の特徴
    2. 酸性洗浄剤の特徴
    3. 超音波洗浄の留意点
  7. CIPの留意点
    1. 洗浄しにくい箇所 (Worst case Location)
  8. 回収率テスト
    1. 回収率テストの例
    2. 回収率の計算
    3. 回収率と残留値の推定計算
    4. TOCを使った回収率テスト
    • 質疑応答・名刺交換

第3部 洗浄の基礎:洗浄パラメーターと洗浄剤について

(2020年4月23日 10:30~13:00)

 洗浄をより効果的に行うために押さえておきたい重要なパラメーターおよび洗浄剤について解説する。また医薬品製造工場での洗浄バリデーションを踏まえ、洗浄検討時に考慮しておきたいポイントを洗浄剤選定の観点から紹介する。

  1. 洗浄パラメーター
    • 洗浄に影響を与える4つのパラメーター
    • 温度
    • 時間
    • 物理力 (機械力)
    • 化学力
  2. 洗浄剤の成分とその働き
    • アルカリ
    • キレート剤
    • 界面活性剤
    • その他
  3. 洗浄バリデーションを踏まえ洗浄前に確認すべき事項
    • 質疑応答・名刺交換

第4部 毒性学的評価による洗浄バリデーション

健康ベース曝露限界値の利用と毒性データがない場合の対応など

(2020年4月23日 13:50~16:30)

 高薬理活性医薬品をマルチパーパス設備で取り扱う場合の大きな課題の一つは、洗浄評価基準の構築である。最新のPIC/S-GMPでは、洗浄に関して「健康ベース曝露限界値」を用いる「毒性学的な評価による」とされる。
 本講座では、洗浄にかかわるPIC/S-GMP関連ガイドラインの概要、健康ベース曝露限界値の設定、数値シミュレーション事例、健康ベース曝露限界値を用いる洗浄評価への具体的な対応、今後の洗浄バリデーションのあり方について説明する。

  1. PICS-GMにおける洗浄関連規制とガイドライン
    1. PIC/S-GMP Part1 専用化要件 (Chapter 3 ) /交叉汚染防止要件 (Chapter 5 )
    2. PICS-GMP Annex15 (含む洗浄バリデーション)
    3. PICS PDE設定ガイドライン
    4. PICS Aide Memoire (共用設備における交叉汚染防止
      ~ハザードアセスメントおよび洗浄に関係する項目
  2. 健康ベース曝露限界値
    1. 健康ベース曝露限界値を理解するための毒性学基礎
    2. 健康ベース曝露限界値の定義・意味合い・用語
    3. 健康ベース曝露限界値の計算式
    4. 不確実係数について
    5. 健康ベース曝露限界値によるリスクアセスメントツール
      ~洗浄閾値 (SRL) ,ワイプリミット (ASL)
    6. 留意事項
      • 健康ベース曝露限界値のバラつき
      • 毒性データが得られない場合の対処
      • 有効数字の考え
      • 設定文書 (モノグラフ)
      • 毒性学専門家の要件
    7. 健康ベース曝露限界値データを巡る今後の課題
  3. 健康ベース曝露限界値を用いた洗浄評価シミュレーション事例
    1. PDE (ADE) 基準/従来基準による許容残滓限界の比較
    2. 目視検出限界との比較
    3. シミュレーション事例からのまとめ
  4. 健康ベース曝露限界値を用いる洗浄評価への具体的な対応
    1. 持ち越し量閾値SRLとその意味合い
    2. SRLが極端に低くなる場合への対応
    3. 前製品次製品の摂取経路が異なる場合の対応
    4. 治験薬への対応
    5. 既存製品への対応
    6. バイオ医薬品への対応
    7. 洗浄剤への対応
  5. 今後の洗浄実務
    1. 今後の洗浄バリデーションの進め方
    2. 洗浄の目標設定について
    3. 目視検査限界について
  6. 従来の0.1%基準・10ppm基準の取扱い
    • 質疑応答・名刺交換

講師

会場

東京流通センター
東京都 大田区 平和島6-1-1
東京流通センターの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 71,200円 (税別) / 78,320円 (税込)
複数名
: 37,500円 (税別) / 41,250円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 37,500円(税別) / 41,250円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 71,200円(税別) / 78,320円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 112,500円(税別) / 123,750円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 20,000円(税別) / 22,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/7/3 「バイオ医用高分子」入門 東京都 会場・オンライン
2024/7/3 変更管理・逸脱管理コース (2日間) オンライン
2024/7/3 適正なCAPA実現につながる逸脱・OOS処理フロー及び原因・試験室調査の進め方と処置事例 オンライン
2024/7/3 免疫性血栓性血小板減少性紫斑病の歴史、病態、治療の新たな展開と残された課題 オンライン
2024/7/3 オンコロジー領域における医薬品売上予測手法とデータ収集及び注意点 オンライン
2024/7/3 仮想医薬品例示で基本レギュレーションを理解し、効率的にCMC申請資料を作成するポイント オンライン
2024/7/4 抗体医薬品の品質管理 オンライン
2024/7/4 リスクマネジメント/ワーストケースアプローチに基づく洗浄バリデーション実施 (残留限度値・DHT/CHT設定など) と残留物の評価法 オンライン
2024/7/4 バイオ医薬品製造におけるGMP対応をふまえたプロセス開発からの設備設計・スケールアップ オンライン
2024/7/5 医薬品製造現場における少人数体制のQC/QA業務効率化/コスト削減 オンライン
2024/7/5 改正GMPに対応する技術移転/移管での同等性評価とバリデーション/作業者教育 オンライン
2024/7/5 製造サイトにおけるデータインテグリティの実務対応のポイント オンライン
2024/7/5 経皮吸収の基礎と評価方法 オンライン
2024/7/8 新規モダリティ医薬の市場規模/薬価/売上予測と事業性評価 オンライン
2024/7/8 mRNA-LNP医薬品における製剤化・製造・品質管理と品質審査の論点 オンライン
2024/7/9 医薬品市場予測・マーケティング 基礎と応用 オンライン
2024/7/9 品質管理試験室にむけたQC点検と信頼性確保 / 分析法バリデーションに必要となる統計解析 / 基準値設定・分析法変更/技術移転時の同等性評価 (3コース) オンライン
2024/7/9 GMPにおける逸脱・不備・不整合からのCAPA運用・手順・管理と逸脱防止対策 オンライン
2024/7/9 品質管理試験室にむけたQC点検と信頼性確保の対応 オンライン
2024/7/9 再生医療等製品における承認審査・申請資料作成/条件及び期限付承認の場合の留意点 オンライン

関連する出版物

発行年月
2011/11/7 eCTD申請 「-ここまで身近になったeCTD申請-」
2011/9/1 厚労省ER/ES指針対応実施の手引き
2011/8/29 グローバルスタンダード対応のためのCSV実施方法
2011/8/24 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応 "SOP作成"実践講座
2011/8/3 「回顧的バリデーション」および「リスクアセスメント」実施方法
2011/7/10 抗癌剤 技術開発実態分析調査報告書
2011/7/5 分析機器やLIMSのバリデーションとER/ES指針
2011/7/1 コンピュータバリデーション実施の手引き
2011/6/29 3極申請対応をふまえた不純物の規格設定と不純物プロファイル管理
2011/6/28 治験の臨床検査値における軽微変動が意味するもの / 有害事象判定
2011/5/26 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション (中級編)
2011/5/25 超入門 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション
2011/4/20 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」対応実践講座
2011/1/28 3極GMP/局方における無菌性保証と査察対応
2011/1/25 供給者監査実施のノウハウと注意点
2010/12/6 日本での申請をふまえたアジアンスタディと各国の相違
2010/12/1 「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」対応準備の手引き
2010/11/29 FDA Part11査察再開と欧州ANNEX11要求対応
2010/11/25 EDC適合性調査と医療機関事前対応
2010/10/28 薬物動態(「ヘ」項)試験におけるデータ・試験の信頼性確保・保証とQC・QA手法/タイミング