技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

インフレーション成形の理論とトラブル対策

インフレーション成形の理論とトラブル対策

~樹脂の流動機構、ダイの設計、バブル形態の予測、エアーリングのポイント~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2019年12月13日(金) 10時00分 17時00分

修得知識

  • 成形加工に必要となるレオロジー特性とその解釈
  • 成形加工のトラブルシューティング
  • インフレーションダイ内樹脂熱流動及びダイ流出後のインフレーションバブル形態を予測するための理論背景と数値解析技術
  • 2.5D 有限要素法の詳細
  • 多層流動の定量化法
  • 材料物性の取り扱い
  • インフレーション装置専用CAEシステムの運用方法

プログラム

第1部 成形加工におけるトラブルとレオロジー

(2019年12月13日 10:00〜12:00)

 高分子溶融体の流動と変形を取り扱うレオロジーについて、その概要を説明するとともに、各レオロジー特性が成形加工性とどのように結び付けられるのかについて解説する。

  1. レオロジーの概念
    1. 弾性と粘性の本質 – 粘弾性の基本法則を理解する –
    2. 緩和時間 – 緩和現象を定性的に理解する –
    3. デボラ数 – 成形加工で最も重要なパラメータ トラブルシューティングの基礎 –
  2. 線形粘弾性の基礎
    1. ボルツマンの重ね合わせの原理 – レオロジーは足し算だけで大丈夫 –
    2. 動的粘弾性 – 難しい数式を使わずにG’やG”を理解する –
    3. 緩和スペクトル – 線形粘弾性測定の目的を理解する –
    4. 測定装置 – 動的粘弾性の測定方法 –
    5. 周波数依存性と温度依存性 – 材料特性の評価方法 –
    6. 合成曲線 – 構造変化の確認手法、測定できない領域の情報を得る –
    7. 高分子液体の特性値 – 粘性と弾性の指標 –
  3. 成形加工に必要なレオロジー特性
    1. 牽引流と圧力流 – 剪断流動の与え方 –
    2. 定常流剪断粘度の剪断速度依存性 – フローカーブの重要性 –
    3. 法線応力差の意味とその評価方法 – 高分子液体は弾性を示す –
    4. 毛管流動における粘度測定 – ダイでの剪断速度を計算する –
    5. MFRの落とし穴 – MFRで樹脂選びをすると失敗するかも –
    6. 非線形粘弾性 – 成形加工は非線形領域で行います –
    7. 伸長流動下のレオロジー特性 – 伸長粘度の測定方法と加工性への影響 –
  4. トラブルシューティングとレオロジー
    1. 剪断粘度と伸長粘度 – 成形法と流動モード –
    2. Tダイ成形 – ネックイン、レゾナンス –
    3. メルトフラクチャー – 発生機構とその対策 –
    4. インフレーション成形 – 外部ヘイズ、バブルの安定性 –
    5. 目ヤニ、フィッシュアイ – 発生機構と解析方法、対策 –
    6. 伸長粘度の制御方法 – 伸長粘度を制御する手法の紹介 –
    • 質疑応答

第2部 押出ブロー、インフレーション成形の原理、工程とトラブル対策

(2019年12月13日 12:40〜14:00)

  1. ブロー成形の原理
  2. ブロー成形法の分類
  3. 押出ブロー成形法
  4. 多層ブロー成形法
  5. 押出ブロー成形工程の不良現象と対策
  6. 共押出ブロー成形における諸問題
    • 質疑応答

第3部 インフレーション装置の性能評価を目的とした実用的数値シミュレーション

(2019年12月13日 14:10〜15:30)

 インフレーション装置では、上流側にスパイラルマンドレルダイが配置されます。スパイラルマンドレルダイ内では、スパイラルチャネルを通過する主流と側面部に漏洩する漏洩流の適切な流量配分バランスを採ることが重要です。また、ダイ流出後のインフレーションバブルの形態は、フィルム引き取り速度や引き取り応力、押出量、ブロー圧力など様々な因子に支配されて変化します。
 これらの複雑な成形現象を理論的に把握するために、本講座では、初心者を対象として、インフレーション装置の性能評価を目的とした実用的数値シミュレーション技術の理論背景、運用方法、適用事例について平易に解説します。 また、インフレーション装置専用のCAEシステムの運用デモを通じて、インフレーション装置の解析作業の手順の実際をご紹介します。

  1. はじめに
    1. 主流/漏洩流れの流量配分バランス
      (スパイラルマンドレルダイ最適設定のキーポイント)
    2. インフレーションバブル形態に影響を及ぼす因子
      (ブロー圧力、熱伝達係数、draw ratio がどのように形態を決定するのか?)
    3. 多層流動の取り扱い (単層と多層流動の大きな相違点について)
  2. 成形現象の理論的定量化法
    1. 解析モデルの作成法 (テンプレートを利用した容易な作成方法)
    2. 材料物性の表現
      • Carreau
      • Cross
      • Power law など
    3. 2.5D FEM (薄肉有限要素法)
    4. 多層流動の定量化モデル (新規特許技術)
    5. インフレーションバブル形態の定量化モデル
      (これまで実用化されている解析モデルの紹介)
  3. インフレーション装置の解析例
    1. 単層スパイラルマンドレルダイ内の樹脂熱流動解析
      • 主流/漏洩流
      • 滞留時間
      • ダイ流出流量変動の計算例
    2. 多層スパイラルマンドレルダイ内の樹脂熱流動解析
      • 多層界面の形成状態の計算例
    3. インフレーションバブル形態の予測解析
      • 様々な影響因子に対するケーススタディ結果
  4. インフレーション装置用CAEシステムデモンストレーション
    1. プリプロセッシング
      1. 解析モデルの作成 (どのように解析モデルを作成するか?)
      2. 材料物性のモデリング (どのように粘度物性を表現するか?)
    2. アナリシス (解析の具体的な手順について解悦&実際に解析)
    3. ポストプロセッシング
      1. 各種コンター図の作画
        • 流速
        • 圧力
        • 温度
        • 滞留時間の可視化例
      2. 各種グラフ図の作画
        • ダイ流出口の流動変動や圧力分布のグラフ作画例
      3. 粒子運動シミュレーション
        • 成形上問題視されるウェルドライン表現
  5. おわりに
    1. まとめ (現状できること)
    2. 今後の課題 (現状未解決で今後解消すべき問題点)
    • 質疑応答

第4部 インフレーション成形機の構造、条件設定と不具合対策

(2019年12月13日 15:40〜17:00)

  1. フイルム成形概要 (Tダイ法とサーキュラー法)
  2. 上向きインフレーション成形装置概要
  3. 下向きインフレーション成形装置概要
  4. チューブラー二軸延伸装置概要
  5. 各種設備の要点と不具合対策
    • 押出機
    • 金型
    • エアーリング 等
    • 質疑応答

講師

  • 山口 政之
    北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 マテリアルサイエンス系 物質化学フロンティア研究領域
    領域長 / 教授
  • 葛良 忠彦
    包装科学研究所
    主席研究員
  • 谷藤 眞一郎
    株式会社 HASL
    代表取締役
  • 辰巳 昌典
    株式会社 プラスチック工学研究所 技術開発部
    部長補佐

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/1/20 「ポリプロピレン」の材料としての基本的な構造、特性、その応用 オンライン
2025/1/20 化学反応型樹脂の硬化率・硬化挙動の測定・評価法 オンライン
2025/1/20 プラスチックのリサイクル促進に向けた材料設計・成形加工の技術と知識 オンライン
2025/1/21 UV硬化の基礎と硬化不良対策および影部の硬化 東京都 会場
2025/1/21 ポリフェニレンサルファイド (PPS) 樹脂の基本特性と製造・加工技術および高機能化 オンライン
2025/1/21 分子シミュレーションによる高分子材料の内部構造と破壊メカニズムの解析 オンライン
2025/1/21 ポリウレタン樹脂原料の基礎と最新動向 オンライン
2025/1/22 欧州連合 (EU) の食品包装規制と安全問題の最新動向 オンライン
2025/1/23 原理原則で理解するブロー成形法 オンライン
2025/1/27 高分子の結晶化メカニズムと解析ノウハウ オンライン
2025/1/27 ポリフェニレンサルファイド (PPS) 樹脂の基本特性と製造・加工技術および高機能化 オンライン
2025/1/27 増加する廃棄CFRP/CFRTPにおけるリサイクルの課題と炭素繊維回収の最先端およびRCF活用法と産業確立への指針 オンライン
2025/1/28 車載用プラスチック材料や成形法の基礎から最新活用法まで オンライン
2025/1/29 ポリウレタン樹脂原料の基礎と最新動向 オンライン
2025/1/30 ポリウレタンの材料設計と構造・物性の制御と劣化対策 オンライン
2025/1/30 熱可塑性エラストマーの総合知識 オンライン
2025/1/30 重合反応の基礎・応用 オンライン
2025/1/30 ポリイミドの基礎とポリイミド系材料の低誘電率化・低誘電正接化 オンライン
2025/1/31 高分子へのフィラーのコンパウンド技術の基礎と応用 オンライン
2025/2/6 エポキシ樹脂 2日間総合セミナー オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/7/29 サステナブルなプラスチックの技術と展望
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026 (書籍版 + CD版)
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026
2024/7/17 世界のリサイクルPET 最新業界レポート
2024/6/28 ハイドロゲルの特性と作製および医療材料への応用
2024/5/30 PETボトルの最新リサイクル技術動向
2024/2/29 プラスチックのリサイクルと再生材の改質技術
2023/10/31 エポキシ樹脂の配合設計と高機能化
2023/7/31 熱可塑性エラストマーの特性と選定技術
2023/7/14 リサイクル材・バイオマス複合プラスチックの技術と仕組
2023/3/31 バイオマス材料の開発と応用
2023/1/31 液晶ポリマー (LCP) の物性と成形技術および高性能化
2023/1/6 バイオプラスチックの高機能化
2022/10/5 世界のプラスチックリサイクル 最新業界レポート
2022/8/31 ポリイミドの高機能設計と応用技術
2022/5/31 樹脂/フィラー複合材料の界面制御と評価
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/30 世界のバイオプラスチック・微生物ポリマー 最新業界レポート
2021/12/24 動的粘弾性測定とそのデータ解釈事例
2021/7/30 水と機能性ポリマーに関する材料設計、最新応用