技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

リチウムイオン電池の安全性確保と国内外の関連規制動向

リチウムイオン電池の安全性確保と国内外の関連規制動向

~作る側・使う側 どちらも知っておきたいリチウムイオン電池の安全に関する技術と規制~
東京都 開催 会場 開催

概要

近年、リチウムイオン電池の異常発熱や発火などを原因としたトラブルから、製品回収へと至ったり、使用や輸送等に新たに規制が加えられたりする例が散見されるようになっている。
本セミナーでは、リチウムイオン電池が異常発熱、発火等の非安全へと至るメカニズム、それらを抑えて安全を確保する技術、またリチウムイオン電池の安全性に関連する規制や規格動向について、理論に秀でた大学教授と経験豊富なコンサルタントの二人が、リチウムイオン電池の安全性に関して“技術“と“規制・規格“の両面から語り尽くします。

開催日

  • 2019年8月29日(木) 10時30分 17時00分

受講対象者

  • リチウムイオン電池に関連する方
    • 電池業界
    • 素材・部材業界
    • 自動車業界等

修得知識

  • リチウムイオン電池の熱暴走メカニズム
  • リチウムイオン電池のトラブル例
  • リチウムイオン電池の安全性確保のための各種技術
  • リチウムイオン電池の安全性評価方法
  • 実用リチウムイオン電池の基礎技術と性能評価
  • JIS、電気用品安全法など国内規格と最新の改定情報
  • UL、UNなどグルーバルな安全性試験規格の概要と適用範囲
  • UNECEなど欧米のEV用リチウムイオン電池の安全性試験
  • 中国のEV用リチウムイオン電池の安全性基準
  • リチウムイオン電池 (セル) の輸送実務と運用改定への対応
  • 製造、運用で危険な兆候を見て、予防安全へのアクション

プログラム

第1部 リチウムイオン電池の非安全へと至るメカニズムと安全性向上対策

(2019年8月29日 10:30〜12:30)

リチウムイオン電池は電気自動車を中心に今後飛躍的に市場が拡大するとの経済予測がある。しかし、工業製品としての安全性は十分とはいえず、毎年、発火の可能性がある電池のリコールがなされている。本講演ではリチウムイオン電池の安全性の基礎、現状と課題、安全性向上対策等について概説し高性能電池開発の助としたい。
  1. リチウムイオン電池市場と今後の研究開発動向
    1. モバイル機器
    2. 電動車両
    3. 電力貯蔵装置
  2. リチウムイオン電池が非安全になる機構
    1. 電池の熱暴走機構
    2. 熱暴走を誘発する基本的因子
  3. 市販電池の現状の安全性確保策
  4. 市販リチウムイオン電池の市場トラブルの例
  5. 安全性向上の取り組み、対策
    1. 電解液の安定性向上
    2. 負極表面処理による安定性向上
    3. 正極表面処理による安定性向上
    4. 電解液の難燃性向上
    5. セパレータ
    6. 全固体電池
  6. リチウム電池の安全性評価方法
    1. モバイル機器用電池
    2. 車載用電池
    3. 電力貯蔵用電池
  7. 安全性と今後のビジネスチャンス
    • 質疑応答

第2部 リチウムイオン電池の安全性確保と関連規制・ガイドライン対応

(2019年8月29日 13:20〜17:00)

 今回の講演題目は、些か “表と裏をひっくり返した” 様な捉え方である。通常この種のテーマは、“リチウムイオン電池の安全性と試験規格”の様な、順序立てた内容で扱われる。確かに、国内外に多くのリチウムイオン電池の安全性規格があり、試験をクリアしていれば、電池の発火事故などは起こらない筈ではある。
 とは言え、1991年のリチウムイオン電池の創生から今日まで、多種多様な事故、発火/破裂/漏液..は延々と続いている。今回のテーマの取り上げ方は“非安全へ至るメカニズム”に可能な限り迫り、その中から安全性を確保する策を探ろうと言う道筋である。
 最近の高性能な正極材と負極材で、優れた特性、比容量 (Wh/kg、Wh/L) の高いリチウムイオン電池を設計・製作することが可能になった。一方でその電池が数千サイクルの充放電で性能と安全性を維持可能か、EVなどの過酷な使用環境で安全性を維持出来るかは、かなりの確率で不安定要素を抱えたままで進まざるを得ない。
 本セミナーでは、可能な限り、目前の危険な状況を捉えて原因を考え、リチウムイオン電池の材料、設計と製造に戻って予防措置 (アクション) が出来ないかを考えてみたい。電池の原材、部材と電池メーカーにとって、上記の様な視点に立って開発を進めてゆくことが、単にデッド・コピーの技術との差別化につながる策であろう。

  1. 世界のzEVの生産状況と問題点 (1) 生産台数と電池
  2. 世界のzEVの生産状況と問題点 (2) 発火事故の再燃
  3. 電池の髙性能化と限界 比容量 (Wh/kg、Wh/L)
  4. EVの急速充電システムと課題 (1) 充電時間と充電速度
  5. EVの急速充電システムと課題 (2) 100kWh級大型EV
  6. 電池のガス膨張、発火と破裂 (1) セル (単電池) レベル
  7. 電池のガス膨張、発火と破裂 (2) EVと安全性規格試験
  8. 予防安全の考え方 (1) 電解液漏れセンサー
  9. 予防安全の考え方 (2) 水素センサー
  10. 危険性の原因、電解液とセパレータからの離脱 (1) 電解液の限界
  11. 危険性の原因、電解液とセパレータからの離脱 (2) 全固体電池
  12. 電池の航空輸送 (1) UN輸送安全勧告
  13. 電池の航空輸送 (2) 航空実務の実態と対応
  14. リチウムイオン電池の安全性と要求事項、セル・モジュールとシステム
  15. EV用電池システムの安全性規格とその対応、UNECE_R100他
    • 質疑応答

※ 講演時間の都合により、一部の項目に言及しない可能性がございます。
講師に特に言及して欲しい項目がある場合は、お申し込みの際、通信欄に記載をお願いいたします (開催1週間前まで)。

講師

会場

大田区産業プラザ PiO

6階 D会議室

東京都 大田区 南蒲田1-20-20
大田区産業プラザ PiOの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 47,500円 (税別) / 51,300円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,000円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 25,000円(税別) / 27,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 47,500円(税別) / 51,300円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 54,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 81,000円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/1/15 電気化学反応と電極反応のメカニズム、電気化学測定法および電極・溶液界面の解析技術 オンライン
2025/1/16 FT合成による液体燃料の製造とその触媒技術 オンライン
2025/1/17 アンモニア利用の最新動向と利用技術 オンライン
2025/1/21 固体酸化物形セルを用いた水素製造・利用技術の基礎と最新動向 オンライン
2025/1/21 フレキシブル熱電変換デバイスの基礎と最新技術動向 オンライン
2025/1/21 全固体リチウム二次電池の最新動向と今後の展望 オンライン
2025/1/22 導電性カーボンブラック導電材の分散性向上技術と電池特性の向上 オンライン
2025/1/23 カーボンニュートラル (CN) 社会における水素の現状と将来および技術動向 オンライン
2025/1/23 バイオマスとSAF (持続可能な航空燃料) を取り巻く最新動向と今後のビジネス・チャンス オンライン
2025/1/27 フレキシブル熱電変換デバイスの基礎と最新技術動向 オンライン
2025/1/28 二酸化炭素の有効利用技術とその最新動向 会場・オンライン
2025/1/29 カーボンニュートラル (CN) 社会と新しい再生可能エネルギーの技術動向 オンライン
2025/1/30 アンモニア利用の最新動向と利用技術 オンライン
2025/1/31 EV用リチウムイオン電池のリユース・リサイクル技術の動向と課題、今後の展望 オンライン
2025/2/4 全固体リチウム二次電池の最新動向と今後の展望 オンライン
2025/2/12 EV用リチウムイオン電池のリユース・リサイクル技術の動向と課題、今後の展望 オンライン
2025/2/27 液中の粒子分散制御及び評価の要点 オンライン
2025/2/28 二酸化炭素を原料とした液体合成燃料の製造技術と最新動向 オンライン
2025/3/14 蓄熱蓄冷および熱エネルギー搬送技術の基礎と最新の研究開発動向 オンライン
2025/3/26 有機系材料を用いたナトリウムイオン電池の特性と最新研究動向 オンライン

関連する出版物