技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

低燃費タイヤの摩擦・摩耗特性制御

低燃費タイヤの摩擦・摩耗特性制御

~転がり抵抗・制動性能の要求/シリカタイヤ用S-SBRの開発~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2018年6月29日(金) 10時00分 17時00分

修得知識

  • タイヤをはじめとするゴム製品の摩擦・摩耗の基礎
  • ゴムの摩擦・摩耗特性予測の考え方
  • 摩擦中の接触状態観察手法
  • 一般固体の破壊力学とゴムの破壊力学の違い
  • ゴムの破壊力学の出発点となる基礎理論 (Rivlin-Thomas理論、Lake-Thomas理論)
  • ゴムの亀裂進展挙動
  • ゴム材料の速度ジャンプと耐久性、耐摩耗性向上の関係
  • ゴム材料の速度ジャンプ機構に関する最近の研究成果

プログラム

第1部 タイヤの要求性能と摩擦・摩耗特性

(2018年6月29日 10:00〜11:30)

 タイヤを題材として、ゴムの摩擦・摩耗の基礎について解説し、摩擦中のゴムと路面の接触状態解析手法について紹介する。

  1. タイヤの要求特性
    1. タイヤの基本機能
    2. タイヤに要求される特性
    3. タイヤの安全性能と環境性能
      1. タイヤのCO2排出量と転がり抵抗
      2. タイヤの制動性能
    4. タイヤの変形と接地
  2. 摩擦中のゴムの接触状態解析
    1. 真実接触面積と摩擦力
    2. 放射光を用いた接触状態解析
    3. ゴムと剛体球との摩擦の接触状態観察
    4. 摩擦中のゴムの変形解析
  3. ゴムの摩擦機構
    1. 古典的な摩擦の法則
    2. Bowden-Taborの凝着理論
    3. ゴムの摩擦係数の速度依存性
    4. 摩擦のヒステリシスの項
    5. ヒステリシス項の計算例
    6. 摩擦中の接触状態とゴムの摩擦機構
  4. ゴムの摩耗と破壊特性
    1. 比摩耗量と破断エネルギー密度
    2. 摩擦中のゴムの破壊観察
    3. 亀裂進展速度と摩耗
    • 質疑応答

第2部 末端変性溶液重合SBR (S-SBR) の開発

(2018年6月29日 12:10〜13:40)

- 低燃費タイヤ用合成ゴムの日本発イノベーション –

  1. 地球温暖化問題と求められる低燃費タイヤ
  2. 日本発の低燃費シリカタイヤ用合成ゴム開発のポイント
  3. 世界のタイヤ生産とSBR生産の推移と動向
  4. 溶液重合SBR (S-SBAR) の工業化の歴史と新増設ラッシュ
  5. タイヤ性能の2律相反あるいはマジックトライアングルの打破
  6. シリカタイヤとシリカタイヤ用合成ゴムの開発
  7. 末端変性S-SBR技術の詳細と動向
  8. なぜ日本はイノベーションを起こすことができたか-成功要因の解析
    • 質疑応答

第3部 ゴム材料の速度ジャンプ機構と耐久性、耐摩耗性向上

(2018年6月29日 13:50〜15:20)

 タイヤ等に使われるゴム材料の耐久性向上に重要な役割を果たす「速度ジャンプ」現象について、基本的なところからわかりやすく説明する。
 速度ジャンプ機構に関する、最近の実験・数値シミュレーション・解析理論による研究動向とそこから得られた耐久性、耐摩耗性向上への指針について解説する。

  1. ゴム材料における破壊の開始
    1. 潜在欠陥と破壊
    2. Rivlin-Thomasによるゴムの破壊力学の理論
    3. 引っ張り試験片、引き裂き試験片、純剪断試験片
    4. Lake-Thomasによるゴムの破壊理論
  2. ゴム材料における亀裂進展挙動
    1. 純剪断試験片の亀裂進展挙動と速度ジャンプ
    2. 繰り返し応力負荷の亀裂進展挙動
    3. 亀裂進展挙動と摩耗との関係
  3. 速度ジャンプに関する最近の研究動向
    1. ゴム材料の速度ジャンプに関する非線形弾性の効果
    2. ゴム材料の速度ジャンプ機構に関するFEM解析
    3. ゴム材料の速度ジャンプ機構に関する数理モデルによる解析
    • 質疑応答

第4部 ゴム材料物性の分子シミュレーション

(2018年6月29日 15:30〜17:00)

  1. ゴム材料物性解析に適した分子モデルについて
  2. 分子シミュレーションによるゴム物性計算法
  3. 実在ゴムの定量的モデル作成例
  4. 今後の予定
    • 質疑応答

講師

  • 網野 直也
    横浜ゴム株式会社 タイヤ材料開発本部 研究室
    室長
  • 府川 伊三郎
    株式会社 旭リサーチセンター
    シニアリサーチャー
  • 作道 直幸
    お茶の水女子大学 ソフトマター教育研究センター
    特任助教
  • 日野 理
    東洋ゴム工業 株式会社 技術第一部 タイヤ先行技術開発部 CAEグループ

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/1 エポキシ樹脂の基礎と硬化剤の選定、変性・配合改質および複合材料用途の動向 オンライン
2024/5/1 結晶性高分子における力学物性と高次構造の関係 オンライン
2024/5/1 静的・動的光散乱法を中心とした粒径計測の基礎と応用 オンライン
2024/5/2 樹脂材料のEV駆動モータ/パワーデバイスへの実装に向けた高電圧絶縁特性の基礎と評価法 オンライン
2024/5/6 トライボロジー (摩擦、摩耗、潤滑) の基礎と耐摩耗対策、摩擦制御法 オンライン
2024/5/8 高分子の接着性改善と表面処理、界面の構造評価技術 オンライン
2024/5/8 ソニー・ホンダモビリティ、Tesla、BYDのEV開発戦略 東京都 オンライン
2024/5/8 自動車の電動化に向けた半導体封止樹脂の設計と評価 オンライン
2024/5/9 高分子材料 (樹脂・ゴム材料) における変色劣化の機構とその防止技術 オンライン
2024/5/10 熱分析の基礎と測定・解析技術 オンライン
2024/5/10 熱分析による高分子材料 (プラスチック・ゴム・複合材料) の測定・解析の基礎とノウハウ オンライン
2024/5/10 高分子材料の粘弾性の基礎と応力/ひずみの発生メカニズムとその制御・評価技術 オンライン
2024/5/13 高分子材料のトライボロジー: トライボロジーの基礎から摩耗・摩擦低減技術の手法と特徴まで オンライン
2024/5/13 車載用プラスチックの基礎と最新動向 オンライン
2024/5/13 欧州のサーキュラーエコノミー政策動向とELV (廃自動車) 規則案 東京都 会場・オンライン
2024/5/14 人間-機械 (自動車) インターフェイス製品の人間工学の考え方とその評価 オンライン
2024/5/14 ポリマーアロイの基本、構造・物性および新規ポリマーアロイの材料設計の必須 & 実践知識 オンライン
2024/5/14 ブリードアウトの発生メカニズムと制御、測定法 オンライン
2024/5/14 SRモータの基礎とEV実用化への最新動向 オンライン
2024/5/14 熱可塑性エラストマー (TPE) の基礎と生分解性TPEの開発 オンライン

関連する出版物

発行年月
2020/9/30 食品容器包装の新しいニーズ、規制とその対応
2020/3/31 自己修復材料、自己組織化、形状記憶材料の開発と応用事例
2020/1/31 添加剤の最適使用法
2019/12/20 高分子の表面処理・改質と接着性向上
2019/12/13 2020年版 次世代自動車市場・技術の実態と将来展望
2019/10/31 UV硬化技術の基礎と硬化不良対策
2019/1/31 マテリアルズ・インフォマティクスによる材料開発と活用集
2019/1/31 センサフュージョン技術の開発と応用事例
2018/12/14 2019年版 次世代自動車市場・技術の実態と将来展望
2018/11/30 複雑高分子材料のレオロジー挙動とその解釈
2018/11/30 EV・HEV向け電子部品、電装品開発とその最新事例
2018/11/30 エポキシ樹脂の高機能化と上手な使い方
2018/7/31 高耐熱樹脂の開発事例集
2018/4/12 自動車用プラスチック部品の開発・採用の最新動向 2018
2018/3/19 射出成形機〔2018年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2018/3/18 射出成形機〔2018年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2017/11/17 2018年版 燃料電池市場・技術の実態と将来展望
2017/7/31 プラスチック成形品における残留ひずみの発生メカニズムおよび対策とアニール処理技術
2017/7/31 機能性モノマーの選び方・使い方 事例集
2017/6/19 ゴム・エラストマー分析の基礎と応用