研究開発、商品開発などR&Dにおいて実験は必要不可欠なものである。そして、開発においてはスピードと効率性、確実性が要求されており、その実現を左右する最も重要なものの一つが実験であると言える。そのため、実験計画法などの研修や教育も行われているが、残念ながらそういった研修の多くは個別的なテクニックでしかないため、実務で使えないという声が多く聞かれる。
　最も必要とされる、実験ノウハウや、実験そのものの考え方、計画の立て方など、実験実務は現場任せ、本人任せとなっているのがじつ状である。そのため、それぞれが自己流で実験技術を蓄積していくため、レベルもバラバラで、部署として、会社としての蓄積も生まれない。その結果、人員間、部署間でのバラつきはもちろん、属人的となることで実験技術の継承が行われず、時間軸でのバラツキも生んでいる。
　本セミナーでは、従来のような実験計画法のような単なるテクニックだけではなく、実験そのものの考え方や計画の立て方、実験実務の進め方といった、根幹部分に重点を置いて、さらには、それらを如何にして教育、継承していくかという点についても詳細に解説する。

1. イントロダクション
   1. 結果を成果へ
   2. 魔の川・死の谷・ダーウィンの海
2. 実験の基本と心得
   1. 実験、研究の心得
   2. 実験の種類
   3. 実験の基本プロセス
   4. 時間管理
   5. 実験を始める前のポイント
   6. 実験中の心構え
   7. 実験終了後
   8. 実験が上手くいかない時
   9. 基本的な注意点
   10. 実験の絶対的タブー
3. 実験の考え方
   1. 何が必要か
   2. 実験ストーリーの考え方
   3. 開発シナリオと実験ストーリー
   4. 目的と目標
   5. こんなことはありませんか?
4. 目的と目標
   1. 目的の構成要素
   2. 目標
   3. 目標の条件
   4. 判断基準
5. 実験計画の考え方
   1. 計画の考え方
   2. シナリオメイク (仮説構築)
   3. 時間の重要性
   4. タイムマージン
   5. チャートで可視化
   6. 実験条件の考え方
   7. 実験計画法の意味
   8. リソースマネジメント
6. 実験の考え方
   1. 実験の本当の意味
   2. 実験を考えるとは
   3. 実験パラメータの選び方
   4. 実験マトリクスの考え方
   5. 実験方法の考え方
   6. 条件範囲の設定
   7. 対照データの選び方
   8. 良くあるパターン
7. 情報・結果の収集
   1. 情報の考え方、扱い方
   2. 多面性
   3. 情報の意味と価値
   4. 基本フロー
   5. 文献の読み方と資料整理
8. データ解析
   1. 視ること
   2. データ解釈における認知バイアス
   3. 情報次元の拡張
   4. 数字 (データ) の取り扱い
   5. 5大解析視点+1
   6. データの伝え方
9. 実験誤差、精度
   1. 正確なデータを得るために
   2. AccuracyとPrecision
   3. 信頼性管理
   4. 限界の定義
10. 開発実験のための思考法
    1. 思考とは
    2. 目的志向
    3. 逆走型思考
    4. ロジックの条件
    5. 逆説的思考
    6. 実験のイメージ化
    7. 失敗からのリカバリー
    8. 認知バイアスの罠
    9. ヒラメキの種
11. 実験計画のための思考の道具
    1. 実験計画で用いる代表的フレームワーク
    2. フレームワークの使い方
    3. If then思考
    4. If then思考によるマネジメント
    5. 思考の拡張
    6. 情報整理
    7. 構造化
    8. アイデア生産の5ステップ
    9. アイデアの評価
12. コミュニケーションと情報発信
    1. コミュニケーションとは
    2. 技術者の報連相
    3. 実験情報とは何か
    4. 情報共有のシステム化
    5. 二つのミーティング
13. 仮説思考による研究開発と問題解決
    1. 仮説が必要な理由
    2. 仮説の検証と実験
    3. 仮説の考え方
    4. 仮説の精度を決めるもの
    5. 仮説→課題設定→計画
    6. 2種類の事実
14. まとめ