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熱可塑性エラストマーの高機能化技術

熱可塑性エラストマーの高機能化技術

~成形性、耐熱性、耐油性、耐摩耗、耐傷性、接着性~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2016年9月9日(金) 10時30分 17時15分

プログラム

第1部 特許情報から得られる熱可塑性エラストマー配合処方の考え方とその活用 (スチレン系、オレフィン系編)

(2016年9月9日 10:30〜12:00)

 汎用性熱可塑性エラストマー組成物であるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物やスチレン系熱可塑性エラストマー組成物は、他のプラスチックやエンプラ系熱可塑性エラストマー (ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン系) と異なり、ゴム成分と液状オイル成分と流動成分 (樹脂成分) との「多成分の混合物」であり複雑です。
 すなわち、異なる性状の成分を混合・混練しているので問題を複雑にしているのです。
 それはすなわち成形トラブルに直結してしまいます。さらにまた複雑にするのは多くの場合は、それを化学反応させて架橋させ耐熱性、耐油性を向上させます。架橋反応では、複数の分子が結び付いたり逆に分子が切れてしまったり極めて複雑なことがおこります。特許情報から得られる業界各社の配合処方を考慮しないともはや開発目的の達成、トラブル対策など効率的に行うことはできません。
 本講義では、一般文献では公にされていないレシピを特許情報からまとめ、その原材料の政情から簡単に説明します。

  1. 熱可塑性エラストマーの種類
    1. 汎用熱可塑性エラストマー (オレフィン系、スチレン系) の活用範囲とその展望
  2. 組成及び配合成分
    「特許情報から得られる配合処方とその原材料の詳細情報」
    1. オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
      1. ゴム成分の性質による物性・成形性への影響
      2. 流動相 (樹脂) 成分の性質による物性・成形性への影響
      3. 軟化剤成分の性質による物性・成形性への影響
      4. 架橋剤による物性・成形性への影響
    2. スチレン系熱可塑性エラストマー組成物
      1. ゴム成分の性質による物性・成形性への影響
      2. 流動相 (樹脂) 成分の性質による物性・成形性への影響
      3. 軟化剤成分の性質による物性・成形性への影響
      4. 架橋剤による物性・成形性への影響
  3. 業界実情
    1. オレフィン系熱可塑性エラストマーの販売会社
    2. スチレン系熱可塑性エラストマーの販売会社
    • 質疑応答

第2部 耐熱性、耐油性、シール性に優れる熱可塑性エラストマー”ノフアロイ®TZシリーズ”について

(2016年9月9日 12:45〜13:45)

 日油株式会社が、長年蓄積してきたグラフト化技術およびコンパウンド技術を応用し、開発した耐熱性、耐油性、シール性を併せ持つ熱可塑性エラストマー“ノフアロイR”TZシリーズの構成、特性、用途例について紹介する。

  1. 熱可塑性エラストマーについて
  2. ノフアロイRTZシリーズについて
    1. ノフアロイ®TZシリーズのコンセプト
    2. ノフアロイ®TZシリーズの基本物性
    3. ノフアロイ®TZシリーズの耐熱性
    4. ノフアロイ®TZシリーズの耐油性
    5. ノフアロイ®TZシリーズのシール性
    6. ノフアロイ®TZシリーズの用途例
    • 質疑応答

第3部 スチレン系熱可塑性エラストマーの高機能化

(2016年9月9日 14:00〜15:30)

 スチレン系熱可塑性エラストマーの話を中心に、当社の熱可塑性エラストマー開発について講演する。「高機能化」のためのポリマー分子設計について解説し、それらの機能特性を生かした応用事例を紹介する。

  1. 熱可塑性エラストマーについて
  2. スチレン系熱可塑性エラストマーの高機能化
    1. 重合・製造方法
    2. ポリマー分子設計と機能特性
    3. 応用事例 (「セプトン™」、「ハイブラー™」)
  3. 当社の高機能性熱可塑性エラストマーの開発
    1. 「セプトン™」 Vシリーズ:反応 (架橋) 性ハードブロック、耐熱性、耐油性
    2. 「セプトン™」 Qシリーズ:軽量、耐摩耗、耐傷付き性
    3. 「セプトン™」 Jシリーズ:ソフトゲルコンパウンド、低硬度、良成形性 (高流動)
    4. 「セプトン™」 Kシリーズ:接着性 (金属、ガラス、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂)
    5. バイオ由来原料を用いた新規スチレン系熱可塑性エラストマー:制振性、低ヒステリシスロス
    6. アクリル系熱可塑性エラストマー「クラリティ™」:透明性、耐候性、自己粘着性
    • 質疑応答

第4部 ナノ炭素化合物と熱可塑性エラストマー複合材の創製とその構造解析

(2016年9月9日 15:45〜17:15)

 炭素系のナノ材料には、フラーレン、グラフェン、カーボンナノチューブなどがあり、これらをゴムやプラスチックに添加したコンポジットは応用段階にあり、特殊な用途ではあるが商品化も進んでいる。
 本講では、マトリクスを熱可塑性エラストマー (TPE) に絞ったコンポジットとの創製とその構造と物性の関係についてお話する。TPEは、多くがトリブロックあるいはマルチブロック共重合体であり、ソフトマトリクス中に拘束相が分散するミクロ相分離構造を取ることによってゴム弾性を発現するため、その相構造制御が重要となる。今回は以下の項目について述べる。

  1. フラーレン類/SBSコンポジットの創製と物性評価
  2. フラーレン/SBSコンポジットに対するUV照射の影響
  3. MWCNT/SBSコンポジットの物性評価と構造解析
  4. MWCNT/SEBSコンポジットの物性と界面解析
  5. 末端官能基含有SEBS/MWCNTコンポジットの物性と官能基との関係
  6. ハードセグメント量の異なる熱可塑性ポリウレタンに対するフラーレン添加の相構造への影響
    • 質疑応答

講師

  • 鷲尾 裕之
    プラスチックコンパウンドコンサルタント
  • 持舘 和臣
    日油 株式会社 化成研究所 化成事業部 化成研究所 SP2G
  • 森下 義弘
    株式会社 クラレ エラストマー事業部 エラストマー研究開発部 セプトン研究開発グループ
    グループリーダー
  • 山田 英介
    愛知工業大学 工学部 応用化学科
    副学長 / 教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
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主催

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