技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

癒着防止剤の利便性向上と注入用デバイスの開発品

癒着防止剤の利便性向上と注入用デバイスの開発品

~薬剤溶出性の付与・腹腔鏡手術に対応した使用法~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2016年2月10日(水) 10時00分 17時15分

プログラム

第1部. 腹腔鏡手術を踏まえた癒着防止材の臨床ニーズ

(2016年2月10日 10:00〜11:30)

 消化器外科領域においては近年低侵襲手術である内視鏡外科手術が多くの分野で応用されている。本術式はこれまでの開腹術に比べ、整容性をはじめとした身体的負担の軽減や入院期間の短縮の観点から利点が多い。また本術式は合併症としての癒着による腸閉塞が起こりにくいとわれている。 今回講座では我々が行っている消化器外科領域における主要疾患の内視鏡外科手術の代表的な手技を供覧する。その上で術後癒着に対する防止に関しその手技と工夫について供覧するとともに癒着防止材の種類、その使用法や今後の課題などについて解説する。

  1. 本邦における内視鏡外科手術の変遷と現況
  2. 当院の現況
    • 手術内容・件数および臨時手術内容・件数の推移
    • 内視鏡外科手術内容と件数の推移
    • 腹部救急外科領域手術内容と件数の推移
  3. 基本的な手術手技
    • 大腸がんにおける開腹術および内視鏡外科手術手技
    • 消化器外科領域主要疾患における内視鏡外科手術手技
  4. 癒着防止材の使用法と工夫点
    • 開腹術における癒着防止法の実際
    • 内視鏡外科手術における癒着防止法の実際
  5. 消化器外科領域において使用される癒着防止材と今後の課題
    • 素材、形状、用途、感染対策を中心に
    • 質疑応答

第2部. 外科材料 (癒着防止材など) の挿入デバイスの開発

(2016年2月10日 12:15〜13:45)

 近年、内視鏡技術の進歩に伴い単孔式あるいは減孔式腹腔鏡手術が広く行われるようになってきたが、こうした手術で多用される細径ポート (直径5mmの筒) からガーゼを挿入する方法がなく円滑な手術の妨げになっていた。そこで専用のステンレス管を使ったガーゼ挿入方法 (トルネードガーゼ法) を考案し、臨床応用している。 今回はこのデバイスを生かした術式の工夫を供覧し、さらに、この発想を発展させた新規デバイスの開発と他の外科材料 (止血剤や癒着防止フィルム) への応用にむけた今後の展開について言及する。

  • 質疑応答

第3部. 薬剤溶出性のハイドロゲル癒着防止材の開発

(2016年2月10日 14:00〜16:00)

 キマーゼは肥満細胞に含まれる酵素で、炎症や線維化形成に関わる因子を活性化する。 外科手術後の患部では臓器間で癒着が形成されることがあり、形成部位では肥満細胞の集積とキマーゼ活性の増加を認められる。キマーゼ活性を抑えることが癒着防止につながると考えられ、キマーゼ阻害薬による癒着予防は機序の面から期待されてきた。キマーゼ阻害薬を含浸させたハイドロゲル (京都大学再生医科学研究所・田畑泰彦教授との共同研究) は,癒着形成部位でキマーゼ阻害薬を高濃度に徐放することを可能にし,強力な癒着予防を実現した。本講座では演者の研究例を踏まえて今後の癒着防止材を聴講者の皆様と模索したい。

  1. キマーゼという酵素について
  2. キマーゼの癒着形成における役割
  3. キマーゼ阻害薬を用いた癒着予防の機序
  4. ハイドロゲルについて
  5. ハイドロゲルの医療応用例
  6. キマーゼ含有ハイドロゲルを用いた癒着予防効果
  7. キマーゼ含有ハイドロゲルの今後の可能性
    • 質疑応答

第4部. 癒着防止効果と止血機能を有する生体接着性ゲルの開発

(2016年2月10日 16:15〜17:15)

 癒着防止材、止血材に求められる性能を解説し、これらを達成するための新しい医用材料の開発、動物実験、臨床での効果について紹介する。

  1. 癒着防止材に求められる性能
    1. 水和ゲルの生体適合性と癒着防止効果
    2. 組織接着性
    3. 生分解性
  2. 生体接着性ゲル
    1. 生体接着性高分子 ポリアクリル酸 (PAA)
    2. PAAとポリビニルピロリドン (PVP) との水素結合ゲル
    3. 水に膨潤するPAA/PVPゲルの開発
  3. 生分解性材料
    1. 一般の生分解性材料
    2. PAA/PVPゲルの生分解性
  4. PAA/PVPゲルの癒着防止材への応用
    1. PAA/PVPゲルの癒着防止効果
  5. PAA/PVPゲルの止血材への応用
    1. 止血材の種類
      1. 素材による分類
      2. 使用部位による分類
      3. 出血量による分類
    2. 抗凝血剤服用患者の止血
    3. PAA/PVPゲルの止血効果
      1. PAA/PVPゲルの止血メカニズム
      2. PAA/PVPゲルの止血効果
  6. 臨床応用と製品化
    1. 外傷、採血後の止血
    2. 抜歯後の止血
    3. 製品化
    • 質疑応答

講師

  • 太田 竜
    川崎幸病院 消化器病センター外科
    内視鏡外科部長
  • 中瀬 有遠
    市立奈良病院 消化器外科
    部長
  • 髙井 真司 (高井 真司)
    大阪医科大学 大学院 医学研究科 創薬医学部門
    教授
  • 小山 義之
    公益財団法人 結核予防会 新山手病院 臨床医用工学研究室
    室長

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/6/20 事例を交えて学ぶ共同研究契約・共同出願契約等に関するポイントと実践的対処方法 オンライン
2024/6/21 試験検査室管理におけるGMP対応の重点チェックポイント オンライン
2024/6/21 GMP/GQP-QAが行うべき逸脱管理とCAPAの適切性の評価とチェックリストの活用 オンライン
2024/6/21 非臨床試験QC/QAの留意点とGLP品質マネジメントシステムから学ぶ非臨床試験の信頼性保証 オンライン
2024/6/21 実務経験をふまえた医薬品開発担当者のための人材育成プログラム (導入/継続教育) オンライン
2024/6/21 GMP省令改正における原材料供給者管理への対応と原薬・原料・資材各々の取決め事例 オンライン
2024/6/21 ICH Q3D/日局をふまえた元素不純物管理 (新薬・既存薬) のための分析・試験法設定のポイント オンライン
2024/6/21 免疫性血栓性血小板減少性紫斑病の歴史、病態、治療の新たな展開と残された課題 オンライン
2024/6/24 リスクマネジメント/ワーストケースアプローチに基づく洗浄バリデーション実施 (残留限度値・DHT/CHT設定など) と残留物の評価法 オンライン
2024/6/24 変更管理・逸脱管理コース (2日間) オンライン
2024/6/24 適正なCAPA実現につながる逸脱・OOS処理フロー及び原因・試験室調査の進め方と処置事例 オンライン
2024/6/24 日米欧の規制対応を可能とするためのグローバルPV体制構築とベンダーコントロール オンライン
2024/6/24 バイオ医薬品製造におけるGMP対応をふまえたプロセス開発からの設備設計・スケールアップ オンライン
2024/6/24 オンコロジー領域における医薬品売上予測手法とデータ収集及び注意点 オンライン
2024/6/24 細胞分泌小胞エクソソームの治療応用に向けた世界動向とDDS技術 オンライン
2024/6/25 医薬品製造現場における少人数体制のQC/QA業務効率化/コスト削減 オンライン
2024/6/25 医療機器設計開発プロセス 基礎講座 オンライン
2024/6/25 医療機器開発のための事業化戦略とプロジェクトマネージメント オンライン
2024/6/25 ミリ波・マイクロ波レーダによる非接触生体センシング技術 オンライン
2024/6/25 経皮吸収の基礎と評価方法 オンライン

関連する出版物

発行年月
2019/6/27 EU GVP Module I /ISO9001要求をふまえたQuality Management System の実装と運用
2019/5/31 医薬品モダリティの特許戦略と技術開発動向
2019/4/24 洗浄バリデーション実施ノウハウと実務Q&A集
2018/11/30 希少疾患用医薬品の適応拡大と事業性評価
2018/10/30 高薬理活性医薬品封じ込めQ&A集 Part2
2018/9/28 腸内細菌叢を標的にした医薬品と保健機能食品の開発
2018/8/31 がん治療で起こる副作用・合併症の治療法と薬剤開発
2018/7/31 医薬品・医療機器・再生医療開発におけるオープンイノベーションの取り組み 事例集
2018/6/29 医薬品グローバル開発に必要な英語実務集
2018/5/31 最先端医療機器の病院への普及展望と今後の製品開発
2018/5/30 GVP Module改訂をふまえたEU Pharmacovigilance規制の実装
2018/5/18 創薬のための細胞利用技術の最新動向と市場
2018/4/25 統計学的アプローチを活用した分析法バリデーションの評価及び妥当性
2018/1/30 バイオ医薬品のCTD-Q作成 - 妥当性の根拠とまとめ方 -
2017/9/29 疾患・病態検査・診断法の開発
2017/8/31 きのこの生理機能と応用開発の展望
2017/7/27 ウェアラブル機器の開発とマーケット・アプリケーション・法規制動向
2017/6/30 生体情報センシングとヘルスケアへの最新応用
2017/6/21 体外診断用医薬品開発ノウハウ
2017/4/25 非GLP試験での効率的な信頼性基準適用と品質過剰の見直し