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ヘッドアップディスプレイの視認性向上技術と映像酔いの低減

ヘッドアップディスプレイの視認性向上技術と映像酔いの低減

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、ドライバーの視認性低下につながる 「煩わしさ感」と「映像酔い」の仕組みを知り、設計に活かすための知識を習得していただきます。

開催日

  • 2016年1月29日(金) 10時50分 15時25分

プログラム

1. 3Dヘッドアップディスプレイの仕組みと自動車運転支援への応用

(2016年1月29日 10:50〜12:00)

従来のヘッドアップディスプレイは凹面鏡または凸レンズによる虚像生成を行っていたため、装置の奥行きが必要で大画面化が難しかった。本講座では、立体視で両眼の輻輳角を遠距離に誘導すれば、虚像生成をせずともヘッドアップディスプレイとして十分機能することを示す評価実験の結果を紹介する。この原理を用いれば、ウインドシールド全体をヘッドアップディスプレイとして用いることが十分可能であると考えられる。

  1. 背景知識
    1. 立体視の基礎知識
    2. 立体ディスプレイの基礎知識
  2. 虚像光学系の3Dヘッドアップディスプレイ
    1. インテグラルイメジングの原理
    2. 粗インテグラルイメジングによる実装
    3. 問題点 (低解像度・光学歪みほか)
  3. 非虚像系の3Dヘッドアップディスプレイ
    1. 指向性バックライト式高精細裸眼立体ディスプレイ
    2. 3Dウインドシールドディスプレイへの応用
    3. 模擬光学系での評価実験とその結果
    4. 今後の展望
    • 質疑応答

2. ヘッドアップディスプレイにおける「煩わしさ感」に影響を与える要因と安全性評価

(2016年1月29日 12:45〜13:45)

ヘッドアップディスプレイを製作する際に考慮すべき点のうち、ドライバの感じる煩わしさ感についてこれまでのいくつかの実験結果を紹介する。さらに、安全性の観点から考慮すべき内容についての研究成果を紹介する。

  1. 情報機器の使用による事故実態
    • カーナビ、スマホを使用することが事故原因となった統計を示す。
  2. ヘッドアップディスプレイの安全性にかかる検討項目
    • HUD製作の際に検討すべき事項を概説する。
  3. 煩わしさ感の実験評価内容
    • ドライバにとって違和感のないように、煩わしさ感について評価した実験結果を示す。
  4. 走行時の視線移動を考慮した煩わしさ感の推定
    • 市内走行時の視線移動量を考慮した煩わしさ感の推定結果を示す。
  5. 両眼視差と煩わしさ感の関係
    • 左右両眼による二重像が煩わしさ感に与える影響について実験結果を示す。
  6. その他の安全性に関する研究成果とまとめ
    • 質疑応答

3. 映像の奥行き感、映像酔いをもたらす要因と運転行動を向上させるための視覚情報制御

(2016年1月29日 13:55〜15:25)

 私たちが外界を知覚するために直接得ている視覚情報は網膜に投影された2次元の像ですが、私たちの目の前に見えているのは豊かな3次元の世界です。このことは、私たちが網膜に映った像そのものを見ているのではなく、脳内で3次元に復元した結果を見ていることを気づかせてくれます。
 この3次元の復元には、両眼の網膜像のずれである両眼視差や、運動の手がかり、絵画的手がかりなど、さまざまな情報が利用されています。
 本講演では、これらの手がかりによる奥行き知覚の特性やそのメカニズムについて概説し、特に両眼視差による両眼立体視のしくみについて詳しく解説します。
 たとえば、両眼視差から奥行きを正しく復元するためには対象までの距離の正しい知覚によるスケーリングが必要となりますが、このことによって人工的に3次元の映像を提示しようとした時にいくつかの問題を生じます。その具体例を示しながら3D映像提示の諸問題や3D映像の適切な利用について考えていきます。
 講義の後半では,3D映像が,なぜ酔いや疲労を生じやすいのかを解説しながら、映像酔いをもたらす要因について現在考えられている仮説を紹介します。酔いを発生させる一つの重要な要素として、自己の視点の移動の知覚をもたらすオプティカルフローがあります。このオプティカルフローの情報を操作することによるヘッドマウントディスプレイを用いた映像酔いの研究や、運転行動を制御することを目的とした応用的な研究も紹介します。

  1. はじめに
  2. ヒトの奥行き知覚の特性とそのメカニズム
    1. 3次元視で脳が解くべき問題
    2. さまざまな奥行き知覚の手がかり
    3. 両眼立体視
    4. 次元映像提示におけるスケーリングの問題
  3. 3D映像がなぜ酔いや疲労を生じやすいのか?
  4. 研究事例紹介
    1. HMDや大型スクリーンを用いた映像酔いの研究事例
    2. オプティカルフローの操作による運転行動の制御に関する研究事例
  5. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 掛谷 英紀
    筑波大学 システム情報系
    准教授
  • 森田 和元
    独立行政法人 交通安全環境研究所 自動車安全研究領域
    エグゼクティブシニアリサーチャ
  • 繁桝 博昭
    高知工科大学 情報学群
    准教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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