技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

FCV (燃料電池車) の開発動向と普及に伴う"商機"

FCV (燃料電池車) の開発動向と普及に伴う"商機"

~FCV普及のシナリオ、関連法規制動向から燃料電池、インフラ技術動向まで~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、燃料電池自動車の基礎から解説し、高性能化・低コスト化、開発動向、材料開発、市場展望について詳解いたします。

開催日

  • 2011年11月18日(金) 10時00分 16時20分

受講対象者

  • 燃料電池自動車に関連する技術者、開発者
    • 次世代自動車
    • 燃料電池
    • 自動車部品・材料

修得知識

  • 燃料電池自動車の基礎
    • 高性能化
    • 低コスト化
    • 開発動向
    • 材料開発
    • 市場展望

プログラム

第1部 燃料電池車の開発動向 (10:00~11:20)

 現在環境配慮型自動車として、ハイブリットは市場の認知を受けシェアが拡大している。また、電気自動車も本格的市場投入が始まっている。その中にあってFCVは水素を燃料とし、水しか排出せず、航続距離も電気自動車よりかなり長い、一部ではリースがはじまり、数年後には本格的市場投入が始まるといわれている。
 この講演ではまずはじめに、燃料電池の基礎原理と、それに用いられる部品の特性を解説する。その中でEVとFCVを比較検討し、また定置式FCで発電し電気自動車に充電する等の考え方を示し、今後の動向を検討する。
 これと併せて主として国内の3大自動車メーカーのFCVの取り組みのれきしを振り返り今後の展望を示す。最後に経産省とNEDOがおこなっているJHFCという実車に実証プログラムを説明する。

  • 燃料電池の動力システムと基本構成
  • 使用されるモーターの種類 (DCブラシレス同期モーターと誘導モーター
  • 燃料電池の基礎 (概念図)
  • 電極触媒の構造と電子顕微鏡による実体構造説明
  • プロトン透過膜の種類と特徴
  • スタックの基礎構造
  • 単セルとセパレータの概念図
  • スタックの構造
  • 本田の最新スタックの解説
  • セパレータ材としてのカーボンと金属の比較
  • 水素貯蔵タンクについて
  • JHFC=水素・燃料電池実証プロジェクト
  • 日本3大自動車メーカーの動向とFCバイクの状況
  • 質疑応答

第2部 燃料電池車の市場展望と材料開発の狙いどころ (11:30~12:50)

  1. 1990年代 : 実用化への期待の高まり
    1. 燃料電池車開発の背景
    2. 牽引したプレイヤー
    3. 車・インフラそれぞれの課題
  2. 2000年代 : 表舞台からの一時消滅
    1. 技術開発の障壁
    2. HV/EVシフト
  3. 2011年現在 : 事業化の夜明け前
    1. 各OEMの技術革新
    2. インフラ事業者の取組み
    3. 国の認識と法改正の動き
    4. 車・インフラ・法のせめぎ合い
  4. 2020年に向けて : 本格普及の目処
    1. 燃料電池車の普及シナリオ
    2. 新たな事業機会
    3. 水素社会の絵姿
  • 質疑応答

第3部 FCVの高性能化・低コスト化に向けた燃料電池の開発動向 (13:30~14:50)

 環境にやさしいエコロジー社会を育む上で欠かせないクリーンエネルギー源として太陽光発電などクリーンな分散型発電の導入が着実に進んでいる。その一つとして期待されている燃料電池は、究極のクリーンカーの動力源としても開発が進められている。燃料電池は山梨大学が40年以上も前から研究開発に着手し、世界をリードする成果を上げ続けている。講師自身、本学でその基礎を学び、20年以上の企業での開発を経て、世界初の家庭用燃料電池の発売を実現した。
 本講義では、国の環境政策と燃料電池のかかわりについて、燃料電池の仕組みと各種電池との違い、システム開発の現状と今後の方向性、これまでの産学官連携の実例とFCVの高性能化・低コスト化に向けた本学実施中の研究開発プロジェクトの現状を実体験もふまえてやさしく解説する。

  1. 地球環境と燃料電池
  2. 固体高分子形燃料電池 (PEFC) の原理と部材
  3. 固体高分子形燃料電池 (PEFC) の現状・開発動向
    1. 開発事例:車用燃料電池
    2. 開発事例:家庭用燃料電池 (先行して市場導入されているエネファームの方向性も参考として触れる)
  4. FCVの高性能化・低コスト化に向けた研究事例
    (HiPer-FCプロジェクトでの取組みを中心として)
    1. 高性能化・低コスト化の目標と開発シナリオ
    2. 研究開発事例紹介 (研究の進捗により内容変更の可能性あり)
      1. MEAにおける触媒の有効性評価手法
      2. 触媒の有効性向上の取組み例
      3. 氷点下起動特性
      4. 新開発HC電解質膜のセル特性評価
      5. 保水剤添加による低加湿性能向上
      6. 導電性セラミック担体 など
  • 質疑応答

第4部 水素ステーションの開発動向と普及に向けた技術的課題 (15:00~16:20)

 本年1月13日に自動車メーカー3社、エネルギー事業者10社によりFCV (燃料電池自動車) の国内市場への導入と水素供給インフラ整備に関する共同声明を発表した。2015年よりFCV量産車を4大都市圏を中心とした国内市場導入、それに合わせて、2015年までの100箇所程度の水素供給インフラの先行整備を目指すというもの。水素ステーションの整備に向けた課題とその解決に向けた取組み状況を中心にご紹介するとともに、水素及び液化水素の市場、利用用途、輸送、貯蔵等のインフラ状況について、解説する。
 また、FCV以外の水素エネルギーに関しても、将来的な水素エネルギー社会実現に向けての当社の取組みを中心に夢を語る。

  1. 水素市場の現状
    1. 水素の市場
    2. 水素工場の立地と輸送手段
    3. 液化水素の市場
    4. 液化水素のメリット
    5. 液化水素の製造設備
    6. 水素の利用、用途
  2. FCV普及に向けたシナリオ
  3. 水素供給インフラ整備のシナリオ
  4. 水素供給インフラ整備に向けての技術的課題
  5. 水素ステーションの現状
  6. 北九州水素タウン実証
  7. 水素エネルギー社会実現に向けた取組み
    1. 燃料電池利用機器の開発例
    2. 水素に関する普及啓発活動
    • 質疑応答

講師

  • 藤木 章
    芝浦工業大学 システム理工学部 機械制御システム学科
    教授
  • 長島 聡
    (株)ローランド・ベルガー パートナー 工学博士
  • 内田 誠
    山梨大学 燃料電池ナノ材料研究センター 金属研究部門 教授
  • 宮崎 淳
    岩谷産業(株)
    常務執行役員 / 水素エネルギー部長

会場

東京流通センター

2階 第4会議室

東京都 大田区 平和島6-1-1
東京流通センターの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 47,250円 (税込)
複数名
: 38,000円 (税別) / 39,900円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名で参加の場合、1名につき 7,350円割引
  • 3名で参加の場合、1名につき 10,500円割引 (同一法人に限ります)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/4/23 自動運転車の商業化への道筋 東京都 会場・オンライン
2024/4/25 燃料電池・水電解の基本を電気化学の基礎から学ぶ1日速習セミナー オンライン
2024/4/26 自動車の電動化に向けた半導体封止樹脂の設計と評価 オンライン
2024/5/8 自動車の電動化に向けた半導体封止樹脂の設計と評価 オンライン
2024/5/14 人間-機械 (自動車) インターフェイス製品の人間工学の考え方とその評価 オンライン
2024/5/14 SRモータの基礎とEV実用化への最新動向 オンライン
2024/5/16 xEVにおける車載電子製品のサーマルマネジメント 東京都 会場・オンライン
2024/5/27 燃料電池・水電解の基本および最新技術動向 オンライン
2024/5/28 自動車シートの座りを人間工学の眼で観る オンライン
2024/5/30 EV用モータの技術トレンド 東京都 会場・オンライン
2024/5/30 自動車産業のサプライチェーンと業界動向 オンライン
2024/5/31 車載半導体の最新技術と今後の動向 オンライン
2024/6/7 自動車産業のサプライチェーンと業界動向 オンライン
2024/6/12 自動車塗料、塗装工程のCO2削減 オンライン
2024/6/20 燃料電池、アンモニア、水素を取り巻く最新動向と今後のビジネス・チャンス オンライン
2024/7/10 EVにおける車載機器の熱対策 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/1/31 車室内空間の快適性向上と最適設計技術
2023/11/14 x/zEV用電池の拡大 (目標、現状とグローバルな態勢) [書籍 + PDF版]
2023/11/14 x/zEV用電池の拡大 (目標、現状とグローバルな態勢)
2023/9/8 2024年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2023/7/6 x/zEVへの転換2023 (各国の現状、目標と課題) [書籍 + PDF版]
2023/7/6 x/zEVへの転換2023 (各国の現状、目標と課題)
2022/12/9 2023年版 燃料電池市場・技術の実態と将来展望
2022/7/15 2022年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2022/6/30 自動運転車に向けた電子機器・部品の開発と制御技術
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/6 EV、PHEV、HEVと燃料電池車の環境・走行性能分析 (書籍+PDF版)
2022/5/6 EV、PHEV、HEVと燃料電池車の環境・走行性能分析 (書籍版)
2022/4/15 2022年版 スマートモビリティ市場の実態と将来展望
2022/2/4 世界のxEV、車載用LIB・LIB材料 最新業界レポート
2021/11/12 2022年版 燃料電池市場・技術の実態と将来展望
2021/9/30 自動車室内の静粛性向上と、防音・防振技術、材料の開発
2021/7/16 2021年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2021/4/30 世界の燃料電池・水素産業 最新業界レポート
2021/4/13 GAFA+Mの自動運転車開発最前線
2021/3/19 2021年版 モビリティ市場・技術の実態と将来展望