技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー
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本書籍では、LTCC基板技術の基本を理解し、開発・製造における諸問題の解決を図るための技術書です。
グリーンシート、ペースト、グリーンシート積層体の焼結技術、収縮率制御技術について詳解いたします。
2011年8月26日:
好評につき完売いたしました。
最近の電子装置の市場はアテネオリンピック、ドイツでのサッカーワールドカップ開催と大きなイベントを契機に一気に大型フラットパネルディスプレーの需要が本格化してきた。この流れは2011年7月の地上波デジタル放送への転換を前に急速に進み、大型ディスプレーパネルの生産体制が急速に整備されている。
携帯電話の市場においても動画の配信が一般化するとともに、端末機器間の情報交換も進み、いわゆる「おサイフケータイ」と呼ばれる使い方が拡大してきている。一方、これらの大型フラットパネルディスプレーの普及は多くの新規技術の開発と高度な要素技術を必要としており、高速データー伝送、大容量HDD、Blu-ray Disk、HDDVD等の高密度記録装置の開発実用化が行われている。高品位、高機能なテレビジョン放送を可能とする地上波デジタル放送の普及は電子装置関連の市場の活性化に強いインパクトを与え、周辺技術の高度化と新たなデバイス・モジュールの開発も加速化している。特に高速データー伝送においては無線によるデーター伝送としてIEEE802.11a、11b、11gや無線USB (UWB等々) 、有線ラインにおいてはHDTVの伝送システムとして従来のD4端子による方式から、より情報の転送レイトが高いHDMIが普及してきている。
この様な高度化した電子装置の実現において高速にデーターを処理するデバイス・モジュールのニーズが高くなってきている。
今回、「LTCC基板の製造技術とトラブル対策」として出版させて頂いた背景には電子装置の高度化とともに、新たな機能モジュールの市場ニーズの高まりがあり、高周波用途における電気特性、ならびに小型化に対する複合化機能面でLTCC基板技術が注目をされている。市場においては基板の専業メーカーが中心にHTCC基板のアドバンス商品として大きな市場の確保と量産展開を行っている。LTCC基板はHTCC基板と製造プロセスは極めて酷似しているが、焼成時の処理温度と処理方法に大きな違いがあり、この事がLTCC基板の公称にもなっている。このためHTCC基板のように1600℃で還元雰囲気での焼成に対し、比較的低温で処理でき、導体損の少ない導電材料を使用できることからセラミック基板の専業メーカーでなくても高機能な商品の開発が可能である。このことはデバイス・モジュールメーカーにとって独自の回路設計による自社独自のデバイス・モジュールの商品開発が出来、他社との差別化が可能となっている。
LTCC基板の歴史は比較的新しく、開発されたのは1970年代で当初の目的はメインフレームコンピュータのMCM用基板として開発された。米国のIBM、日本国内ではNEC、日立製作所、富士通が自社のコンピュータで実用化を行った。その後、コンピュータのアーキテクチュアーの変遷とともにこの分野での使用は少なくなったが、高周波・光通信関連市場で新たなアプリケーションが増加してきた。また、樹脂基板に比べ信頼性面で優れていることから自動車のECUへの適用と市場が拡大している。最近では先に述べたように高速大容量データー伝送のニーズの拡大と電子装置の小型化・高機能化とともにLTCC基板の複合化技術が注目されてきている。また、焼成工程における収縮率の精度もHTCC基板に比べ優れていることから、大型基板の製造が可能で基板上への電子部品の搭載における生産性の向上や300mm角を超える高精度な基板が出来、今後更に応用分野が拡大していくと考えられている。
今回、サイエンス&テクノロジー(株) より「LTCC基板の製造技術とトラブル対策」のテーマで書籍の執筆をお引き受けした背景はLTCC基板の良さを多くの基板開発技術者・生産技術開発の方々に理解していただき、日本国内におけるもの作りのレベルアップになればとの思いが込められている。昨今、日本の得意としていたもの作りが人件費の高騰による海外への展開で付加価値シフトが進み、日本国内における装置、デバイスメーカーの収益性悪化の一原因となっている。また、このことは海外の製品のレベルアップにつながり、これらの商品がMade in Japan商品の新たなコンペチターとなっている。
LTCC基板技術は日本のお家芸とされていた小型化、高密度実装技術のベースをなす技術でもあり、この技術のレベルアップは製品の機能アップにも繋がることから海外製品との差別化の可能性も高い。今回出版する「LTCC基板の製造技術とトラブル対策」がこのような意図に叶うものとしてご活用いただければ幸いである。
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発行年月 | |
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