技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー
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本書は、リユースリチウムイオン蓄電池を含んだバッテリーアグリゲーションの運用経済性の想定課題について、背景情報を整理し解決の方向性を示します。
現在、気候変動を食い止めるためにパリ協定に基づいた温室効果ガス排出量低減の取組が進められています。エネルギー分野では主要な温室効果ガスである二酸化炭素排出量低減のため再生可能エネルギーの導入量が増加しており、特に風力発電と太陽光発電の導入量は加速度的に増加しています。ただし、その過程で再生可能エネルギーの出力変動や時間帯偏在性の問題が徐々に明らかになり、その対策として電力システム安定化のための仮想発電所の技術開発が進められています。
この仮想発電所に含まれる、有機的・知的に接続された蓄電池群とそのネットワークのことをバッテリーアグリゲーションと呼びます。バッテリーアグリゲーションに使われる蓄電池の主役はリチウムイオン蓄電池です。リチウムイオン蓄電池の市場は電気自動車の発展とともに今後伸びていくことが予想されますが、一方でリチウムなどの資源の生産量に限りがあり、その資源的制約の中で需要を満たすために、リユースやリサイクルが進んでいくでしょう。従って、バッテリーアグリゲーションは必然的に多くのリユースリチウムイオン蓄電池を内包することになります。多数のリチウムイオン蓄電池を包括的に管理するバッテリーマネジメント技術は、今後その重要性をさらに増していくことでしょう。
本書は、このリユースリチウムイオン蓄電池を含んだバッテリーアグリゲーションの、運用経済性の想定課題について、背景情報を整理し解決の方向性を示します。まず、これからバッテリーアグリゲーションが必要とされていく理由について、エネルギーの起源と電力市場状況の観点から解説します。次に、バッテリーアグリゲーションの重要基幹技術である様々なエネルギー貯蔵デバイスについて紹介し、その中でのリチウムイオン蓄電池の位置付け・特徴について解説します。そのあと、リチウムイオン蓄電池のバッテリーマネジメント技術について解説します。ここではリチウムイオン電池の「寿命」を広い意味でとらえながら、各種評価試験をベースとしてバッテリーマネジメントを体系的に整理しています。最後に、リチウムイオン蓄電池の劣化とその診断手法について解説します。ここでは、とかく電池容量の減少として捉えられがちな劣化を少し広い視点から体系的に整理しています。
これまでモバイル機器や自動車に搭載されてきたリチウムイオン蓄電池ですが、充放電エネルギー損失の議論があまり進んでいないと感じます。劣化が充放電エネルギー損失を増大させるという事実が世間に認知されていません。しかしこれからバッテリーアグリゲーションが運用されるようになると、充放電エネルギー損失はダイレクトに事業性に影響を及ぼし、徐々にその重要性が周知されていくでしょう。本書ではバッテリーアグリゲーション全体の充放電エネルギー損失を最適に制御し、その収益性を向上させる技術的方向性を示しました。しかしこの領域の研究開発はまだ始まったばかりです。本書を手に取られた皆様がこの領域の技術をさらに発展し、またその際に本書が少しでも皆様のお役に立てることを心より願っております。
有馬 理仁
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開始日時 | 会場 | 開催方法 | |
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発行年月 | |
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2017/5/25 | EVに最適なバッテリーマネジメント技術と市場 |
2017/4/27 | 実務対応・LiBの規格と安全性試験のEV対応 2017 |
2017/4/21 | 2017年版 蓄電池・キャパシタ市場の実態と将来展望 |
2017/3/10 | ZEV規制とEV電池テクノロジー |
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2017/2/24 | 2017年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望 |
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