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現在、日本国内で流通するパッケージとしては、フィルム・シート、リジット容器、紙器、金属缶、ガラス瓶、プラスチックチューブなど多岐にわたっている。近年特に叫ばれてきたのが「地球環境へ配慮するパッケージ」や「資源保護を促進するパッケージ」への高い意識を持つこと。東南アジアの場合は、まだそうした意識がやや立ち遅れている感があるが、日本の場合はかなりの加速度でそれらに対する取り組みが進められている。
一方では、食品ロスの低減や包装材としての利便性の追求、パッケージ内容物の品質保持期間の延長要求なども、ニーズとして非常に大きなうねりとなっている。地球環境全体がかつてないスピードで温暖化へと向かうことで、日本の気候も大きく変化し、夏場などはあたかも亜熱帯のような様相を呈している。そのため高温・多湿という気候から製品 (パッケージ内容物) を保護するために、包装材料の変化が多くの食品・非食品分野で起きている。
このように現在の日本は、環境対応を最優先として考えなければならないパッケージと、内容物保護 (食品ロス防止や賞味期限延長など) を最優先として考えなければならないパッケージを、同時に想定する、あるいはあえてどちらかに舵を切らなければならないという局面になっている。
ただ、これら両要素を同時に満たすパッケージというものは、残念ながら現時点では示されていない。欧米の場合は、特に包装材料のサプライヤー (フィルム・シートメーカー及びコンバーター) を中心に環境対応包材の開発が活発化し、最近の一つの潮流として「モノマテリアルパッケージ」がある。これは同一素材からなるパッケージを採用することで、リサイクルなどし易くし、地球環境にかかる負荷を減らそうとするもの。ただ弱点もあり、同一素材を組み合わせるため、どうしてもバリアー性に限界がある。欧米市場の考え方としては「それでもモノマテリアル化は推し進めるべき」ということで一致しているようだ。
日本の場合は、特にエンドユーザーから聞こえてくるのは「モノマテリアルパッケージは、まだピンとこない。最優先すべきはフードロスの低減であり、そのためには内容物保護の強化による賞味期限延長などを行うべき」というもの。
本レポートは、そのような日本市場の中で食品、非食品の多くの用途別にどのようなパッケージ素材が採用され、それぞれがどのように競合しているのかをアイテム別に整理した。また主要なエンドユーザーの、包装材料に対する代表的な施策を紹介している。
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