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パテントマップの全知識

パテントマップの全知識

ご案内

はじめに

 知的財産戦略は、経営戦略と技術開発戦略と三位一体であると言われている。この3つのトライアングル関係で、知的財産戦略として、経営戦略 (事業戦略) に関係ある業務は、特許出願、特許取得、特許評価等であり、技術開発戦略に係わりある業務は、特許情報活用、特許許活用であり、そのためには特許情報検索、特許調査、特許情報分析が必要である。このパテントマップは、主として後者の技術開発戦略に全般的に有効なものであるが、特許網構築などで前者の経営戦略 (事業戦略) にも役立つものである。
 この知的財産活動において、「早い者勝ち」が適用されるため、スピードが最も重要な点である。その理由は、特許権は最初に技術開発し、最初に特許出願した者にしか与えられないからである。
 技術開発を進めるか否かの意思決定を行う上で、関連する特許情報を集める特許調査とその収集された特許情報の分析すなわちパテントマップが不可欠であるが、この作業をスピーディに行うために、特許調査は手めくりからデータベース検索に変り、パテントマップの作成は手作りからパソコン等の情報システムの活用又は併用へと変わっている。
 パテントマップは収集された特許情報群から技術開発の実態を把握する手法であり、基本は①ランキング分析と②時系列分析と③マトリクス分析であるが、それ以外にも意思決定を助ける様々な手法が開発されており、それらの活用も技術開発実態を多面的かつ深層的に見る上で有効である。
 また活用する上で重要なのは、作成されたパテントマップを見て、何を読み取り、いかなる意思決定をするかであり、最後は技術開発者、企画者、経営者等の感性が決め手となるのであるが、それを手助けできるパテントマップを提供する役割が情報分析者に求められている。

背景

 この書は、ダイヤモンド社から2000年以降2008年までに発売された「パテントマップ入門」「簡単パテントマップ」等の集積版、本格版としての目的で作成したものである。
 前著の4冊は、いずれも入門書であり、内容がやや簡略すぎること、また各冊子の内容は、毎回約4割更新6割据え置きで書かれたものであるため、4冊の各4割分を合計すれば、より多くを把握できるのであるが、既に古いものは絶版になっていること、何よりも問題なのは紙数の関係で、各項に記載する内容は最低限のことに限られていること、また本来なら数件のパテントマップを用いて説明すべきところを1件だけに絞っていることなど非常に不十分なものであった。本著は、それらの点を考慮して、これまでダイヤモンド社から発売された「パテントマップ」に沿った本格版として著作したものである。

特徴

 ダイヤモンド社発行「今日から使えるパテントマップ入門」に記載された図表の全てを包含しています。解説には図表を多数活用して『読む本』から『見る本』に変革しました。パテントマップの参考書として活用頂ければ幸いです。

目次

A. パテントマップの活用目的、基礎知識、見方、読み方

  • 1.パテントマップの活用目的
    • 1.1. パテントマップの活用目的
    • 1.2. パテントマップの必要な理由
  • 2.パテントマップの基礎
    • 2.1. パテントマップとは
    • 2.2. 特許情報の分析、解析の意味
    • 2.3. 特許情報の情報的把握の手法
    • 2.4. パテントマップの基本2類型
    • 2.5. 情報分析の基本パターン
    • 2.6. 情報をマトリクス化する意味
    • 2.7. 図表化の意味
    • 2.8. パテントマップの見方、読み方の基本

B. パテントマップの種類

  • 3.パテントマップの種類
    • 3.1. 特許マップの体系
    • 3.2. パテントマップの種類

C. 数、動向、分布、関係のパテントマップ

  • 4.統計処理型パテントマップの種類とその作成目的、見方、読み方
    • 4.1. ランキングマップ
    • 4.2. シェアマップ
    • 4.3. 時系列マップ
    • 4.4. レーダーマップ
    • 4.5. マトリクスマップ
    • 4.6. コリレイションマップ
    • 4.7. ニューエントリマップとリタイアリマップ
    • 4.8. ポートフォリオマップ
    • 4.9. グロスレイトマップ
    • 4.10. ユニークデータマップ
    • 4.11. コアファインドマップ
    • 4.12. 類似率マップ
    • 4.13. 階層マップ

D. 技術の展開、内容関係のパテントマップ

  • 5.リスト型パテントマップの種類とその作成目的、見方、読み方
    • 5.1. 技術発展マップ
    • 5.2. 要旨マップ
    • 5.3. 構成部位マップ
  • 6.「特許請求の範囲」に着目したマップの種類とその作成目的、見方、読み方
    • 6.1. 統計型マップ (クレームマップ)
    • 6.2. リスト型マップ (クレームチャート)
  • 7.引用関係に着目したマップの種類とその作成目的
    • 7.1. サイテイションマップ
      • 7.1.1. 作成目的
      • 7.1.2. 種類と方法
      • 7.1.3. 見方、読み方
      • 7.1.4. 実施例見方、読み方

E. パテントマップの作成方法

  • 8.パテントマップ作成の基礎
    • 8.1. 分析対象母集団の考え方
    • 8.2. 特許情報の収集 (調査)
    • 8.3. マップ作成者
    • 8.4. データ抽出観点の種類
      • 8.4.1. 出願人、発明者
      • 8.4.2. 分類Ⅰ (IPC、FI)
      • 8.4.3. 分類Ⅱ (Fターム)
      • 8.4.4. キーワード
      • 8.4.5. 自社分類、自社コード
    • 8.5. 分析手法の種類
    • 8.6. 図表化技術の種類
  • 9. パテントマップの作成方法
    • 9.1. 手作業による手作りマップ作成法と専用ソフトによる自動処理マップ作成法
    • 9.2. ソフト活用のメリット・デメリット
    • 9.3. データコーディング
    • 9.4. キーワード処理
  • 10. パテントマップの手作り方法
    • 10.1. 手作りマップ作成の手順
      • 10.1.1. パテントマップ作成目的・方針の明確化
      • 10.1.2. 要旨作成の観点項目を決定
      • 10.1.3. 観点データ抽出・データコーディング作業
      • 10.1.4. 要旨マップ作成フォーマット決定
      • 10.1.5. 要旨マップ作成
      • 10.1.6. 基本表の作成
      • 10.1.7. 基本表のマトリクスマップ化

F. パテントマップの活用方法

  • 11. パテントマップの活用方法の種類
  • 12. 技術開発の実態を把握するためのパテントマップの使い方
  • 13. 技術開発実態把握の方法と実例
    • 13.1. 特定企業の技術開発実態把握の方法と実例
      • 13.1.1. 特定企業の技術開発実態把握項目
      • 13.1.2. (実例1) 企業の多角化を調べる
    • 13.2. 特定業界の技術開発実態把握の方法と実例
      • 13.2.1. 特定業界の技術開発実態把握項目
      • 13.2.2. 業界の注力分野を調べる
    • 13.3. 特定研究機関の技術開発実態把握の方法と実例
      • 13.3.1. 研究機関の協力関係を調べる
    • 13.4. 特定研究者の技術開発実態把握の方法と実例
      • 13.4.1. 特定研究者の技術開発実態把握項目の例
      • 13.4.2. 技術開発者の歩みを調べる
      • 13.5.1. 特定製品の技術開発実態把握項目例
      • 13.5.2. 製品の特性を調べる
    • 13.6. 特定技術の技術開発実態把握の方法と実例
      • 13.6.1. 特定技術の技術開発実態把握項目
      • 13.6.2. 技術の広がりを調べる

図目次

  • 第1図 母集団の絞込みに便利なマトリクス型のパテントマップ
  • 第2図 パテントマップを必要とする理由
  • 第3図 リスト型パテントマップ
  • 第4図 各技術思想の技術要素データ分析
  • 第5図 マトリクス化の意味
  • 第6図 代表的なパテントマップの例
  • 第7図 特許マップの体系
  • 第8図 統計型 (データ型) パテントマップの種類
  • 第9図 リスト型 (番号表示型) パテントマップの種類
  • 第10図 (a) 松下電器のIPCメイングループ分類ランキングマップ〈過去10年間 (1996~2005) 出願件数〉
  • 第10図 (b) 松下電器のIPCメイングループ分類ランキングマップ〈最近2年間 (2004~2005) 出願件数〉
  • 第11図 松下電器のFターム指定発明者ランキングマップ〈Fタームテーマコード「5K067」〉
  • 第12図 松下電器の平松勝彦氏のFIメイングループ分類ランキングマップ
  • 第13図 松下電器平松勝彦氏のFIメイングループ分類「H04B7」の共同発明者ランキングマップ
  • 第14図 ランキングマップとシェアマップの比較
  • 第15図 (a) 松下電器のFIサブクラス分類シェアマップ (1996~2005出願、2%以上)
  • 第15図 (b) 松下電器のFI分類「G06F」のメイングループ分類シェアマップ (5%以上の分類表示)
  • 第16図 (a) 松下電器の上位10発明者別の出願件数推移マップ (単純集計タイプ)
  • 第16図 (b) 松下電器の上位10発明者別の出願件数推移マップ (累積集計タイプ)
  • 第17図 (a) 松下電器の上位10IPCメイングループ分類別発明者数推移マップ (単計タイプ)
  • 第17図 (b) 松下電器の上位10IPCメイングループ分類別発明者人口推移マップ (累計タイプ)
  • 第18図 (a) 星型レーダーマップ
  • 第18図 (b) クモの巣型レーダーマップ
  • 第19図 (a) 松下電器の上位10IPCメイングループ分類レーダーマップ (単年集計)
  • 第19図 (b) 松下電器の上位10IPCメイングループ分類レーダーマップ (累積集計)
  • 第20図 マトリクスの種類
  • 第21図 (a) 繊維メーカの主副分類マトリクスマップ
    • 上位7社*上位10IPCメイングループ分類マトリクスマップ
  • 第21図 (b) 繊維メーカの主副分類マトリクスマップ
    • 上位7社*上位10IPCサブグループ分類マトリクスマップ
  • 第22図 出願人 (上位7繊維会社) *キーワード (性質系) のマトリクスマップ
  • 第23図 「○○基」キーワード*「○○性」キーワードマトリクスマップ
  • 第24図 出願人 (繊維会社) *出願人 (非繊維会社) マトリクスマップ
  • 第81図 オムロンの上位10 IPCメイングループ別
  • 第82図 発明者人口 (新規発明者数) 推移時系列マップ
    • オムロンにおける最近のニューエントリFタームテーマコードマップ
  • 第82図 オムロンのIPCメイングループ分類のグロスレイトランキングマップ
    (基準期間:2000~2002年、作成期間:2002~2005年)
  • 第83図 自動車10社の特許出願件数ランキングマップ
  • 第84図 自動車10社のIPC分類「B62D25/」の出願件数伸び率ポートフォリオマップ
  • 第85図 自動車10社とIPC10メイングループ分類別の特許出願件数マトリクスマップ
  • 第86図 自動車10社の10Fタームテーマコード別発明者数マトリクスマップ
  • 第87図 産業技術総合研究所における上位10メイングループ分類のレーダマップ
  • 第88図 産業技術総合研究所の共同出願人ランキングマップ
  • 第89図 産業技術総合研究所の発明者ランキングマップ
  • 第90図 産業技術総合研究所における上位10発明者の共同発明者数マップ
  • 第132図 繊維強化樹脂のIPCサブクラス分類「C09B」のコリレイションマップ
  • 第133図 (a) 繊維強化樹脂の出願人「大日本印刷」のユニークFターム分類ランキングマップ
  • 第133図 (b) 繊維強化樹脂の出願人「東洋紡績」のユニークFI分類ランキングマップ
  • 第133図 © 繊維強化樹脂の出願人「富士写真フィルム」のユニークキーワードランキングマップ
  • 第134図 繊維強化樹脂の出願人「東レ」のコリレイションランキングマップ
  • 第135図 (a) 繊維強化樹脂の素材系出願人と用途系出願人のマトリクスマップ
  • 第135図 (b) 繊維強化樹脂の素材系出願人相互のマトリクスマップ

表目次

  • 第1表 パテントマップの目的の変遷
  • 第2表 パテントマップの目的
  • 第3表 第3段階のパテントマップの活用目的
  • 第4表 パテントマップによる分析結果とその活用方法
  • 第5表 パテントマップによる戦略検討観点
  • 第6表 パテントマップとは何か?
  • 第7表 「分析」と「解析」の意味の相違点
  • 第8表 発明の把握方法
  • 第9表 技術思想と技術情報の情報的把握
  • 第10表 情報分析の基本パターン
  • 第11表 パテントマップの見方・読み方
  • 第12表 第特許情報に付与されている国際特許分類 (IPC) の階層意味
  • 第13表 ニューテンペスト観点 (12項目)
  • 第14表 特表2008-536953に付与されているFI分類とFターム
  • 第15表 特表2008-536953の類似マップにおいてFI分類の類似率36~40%Fタームの類似率31~35%の12件特許情報
  • 第16表 「LL08」 (保湿剤) に関する出願目次リスト
  • 第17表 引用文献リスト
  • 第18表 特許情報分析の種類による対象データと件数
  • 第19表 企画のための特許調査と技術開発のための特許調査
  • 第20表 対象特許情報件数と情報分析の関係
  • 第21表 特許情報分析の種類とマップ作成者
  • 第22表 データ観点の種類
  • 第23表 キーワードデータの属性の種類
  • 第24表 観点別の該当キーワードデータの例
  • 第25表 分析手法の種類
  • 第26表 図表化技術の種類
  • 第27表 キーワードの統合 (同義語の統合・合体)
  • 第28表 キーワードデータの分割・分離の例
  • 第29表 PATOLISキーワードとTECRESキーワードの比較
  • 第30表 技術思想としての点的活用方法 (アナログ的活用)
  • 第31表 技術情報としての線的・面的活用方法 (デジタル的活用)
  • 第32表 パテントマップ作成の順序
  • 第33表 全体的件数の時間的把握のためのパテントマップ
  • 第34表 出願人について把握するためのパテントマップ
  • 第35表 分類について把握するためのパテントマップ
  • 第36表 出願人と分類の両方で把握するためのパテントマップ
  • 第37表 技術を掘り下げるためのパテントマップの作成法
  • 第38表 技術を掘り下げるためのパテントマップの種類
  • 第39表 特定技術を詳細に分析するためのパテントマップ
  • 第40表 特定企業の技術開発実態把握項目例
  • 第41表 特定企業の技術開発実態把握項目例
  • 第42表 産業技術総合研究所のメイングループ分類別のグロスレイトランキングリスト
    (2000~2002年:2003~2005年)
  • 第43表 特定企業の技術開発実態把握項目
  • 第44表 林慎一郎氏のニューエントリーキーワードリスト (2005年12月出願の特許情報)
  • 第45表 特定製品の技術開発実態把握項目例
  • 第46表 電気炊飯器の上位20Fターム分類の技術内容
  • 第47表 特定技術の技術開発実態把握項目例
  • 第48表 繊維強化樹脂の集合に含まれるIPCメイングループ分類の材料系分類 (a) と用途系分類 (b) の一覧表 (上位10個)
  • 第49表 繊維強化樹脂の集合に含まれるFタームテーマコード分類の材料系分類 © と用途系分類 (d) の一覧表 (上位10個)
  • 第50表 繊維強化樹脂の集合に含まれるキーワードの課題観点の (e) 用途・使途系キーワード群、(f) 目的・効果系キーワード群の一覧表 (上位10個)
  • 第51表 繊維強化樹脂の集合に含まれるキーワードの解決手段観点の (g) 材料・素材系キーワード群、(h) 機能・作用系キーワード群、 (i) 構造・部材系キーワード群の一覧表 (各上位10個)

執筆者

新井 喜美雄

インパテック株式会社

代表取締役

出版社

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お問い合わせ

本出版物に関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
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体裁・ページ数

A4判 簡易製本 200ページ

ISBNコード

ISBN978-4-904967-00-3

発行年月

2009年8月

販売元

tech-seminar.jp

価格

36,182円 (税別) / 39,800円 (税込)

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