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リチウムイオン電池・全固体電池電極の新しい製造プロセス

リチウムイオン電池・全固体電池電極の新しい製造プロセス

~低コスト化・製造時間の短縮・低環境負荷・高性能化~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、乾燥工程の効率化やドライプロセスなど、低環境負荷、省エネ化、製造速度の向上、低コスト化が進む新たな電池製造工程技術を紹介いたします。

開催日

  • 2024年4月4日(木) 10時00分 17時15分

プログラム

 本セミナーでは、乾燥工程の効率化やドライプロセスなど、低環境負荷、省エネ化、製造速度の向上、低コスト化が進む新たな電池製造工程技術を紹介いたします。

第1部 電極スラリーの内部構造解析と乾燥に伴う構造変化

(10:00〜11:00)

 LiB正極スラリーを対象としてレオロジー特性に注目して、混錬中の構造形成過程を調べた。さらに、乾燥中のスラリー塗布膜の膜厚変化からその内部構造がどのように変化し、電極膜を形成するのかについても調べた。導電助剤のネットワーク構造が電極構造形成に極めて大きな影響を与えることを説明する。

  1. 電極スラリーのレオロジー解析
    1. 見かけ粘度に対する導電助剤と活物質の影響
    2. 粘弾性解析に基づく導電助剤と活物質の分散性評価
  2. 電極スラリー塗布膜の乾燥過程
    1. 粒子充填過程に与える乾燥速度の影響
    2. 導電助剤ネットワークと活物質粒子沈降の影響
  3. 混錬および乾燥条件が充放電特性に与える影響

第2部 リチウムイオン電池電極水系スラリーの製造技術と電池特性

(11:05〜12:05)

 キャビテーション効果を利用した高速分散装置の紹介と正・負極活物質の水系スラリー化について説明する。正極としてはLFP,LFMP及びハイニッケル系として利用されているNCM、NCAなどの水系化スラリー技術と電池特性について説明する。

  1. 現状のLibスラリー製造の問題点
    1. 現状のスラリー製造装置
    2. 現状のスラリー製造装置の課題・問題点
    3. 現状のスラリー製造工程
  2. 高速スラリー化のためのイノベーション
    1. キャビテーション効果による分散機構について
    2. 高速分散装置の特長と用途
  3. 難溶解性高分子 (CMC) の水への溶解
  4. 負極スラリー (黒鉛/CNT) の高速スラリー化
  5. 水系プロセスによるLFP,LFMP及びハイニッケル系正極スラリー化について
    1. LFP、LFMPの水系スラリー化
    2. ハイニッケル系正極活物物質の問題点
    3. 中和剤としての炭酸ガスの利用について
    4. 水系への適用
    5. 有機系への適用
  6. まとめ

第3部 スプレー塗工法による全固体電池のシリコンナノ粒子電極作製

(13:00〜14:00)

 EV大量普及に向け、リチウム電池用高容量負極の安定動作は喫緊の課題である。本講演では、活物質の体積変化が引き起こす高容量負極の主な課題 (不安定な固体電解質界面相 (SEI) 保護膜と活物質材の微粉化) と、これら課題を克服する技術として我々が負極膜を用いて検討した技術 (無機固体電解質の利用と活物質材へのナノ多孔構造導入) 並びに実用化へ向け負極粉末を用いて検討した技術を紹介する。

  1. 全固体リチウム電池について
  2. シリコン負極について
  3. 硫化物固体電解質とアモルファスシリコン負極膜の界面について
  4. ナノ多孔構造を導入したアモルファスシリコン負極膜の利用について
  5. シリコンナノ粒子電極体負極の利用について

第4部 粒子の配置制御技術を用いた全固体電池成形プロセス

(14:05〜15:05)

 近年、脱炭素社会の実現に向け、従来の電解液を固体に置き換えた全固体電池の研究開発が加速している。一方、全固体電池の製造プロセスは未だ課題が多い。塗工法が代表的だが、粒子を高精度、且つ安定して配置制御することは難しく、高い電池性能を再現することが難しい。セミナーでは、粒子の配置制御技術を用いたプロセス、及び適用例を紹介する。

  1. 全固体電池
    1. 全固体電池の特徴
    2. 全固体電池の課題
    3. 全固体電池の製造プロセス
    4. 求められる製造プロセス
  2. 粒子の配置制御技術
    1. プリンティング技術
    2. 3Dプリンティング技術
    3. 求められる配置制御技術
    4. 全固体電池の成形プロセス案
    5. 薄層粒子の配置制御技術
    6. トナーから電池材料
  3. 概念実証
    1. 実証方法
    2. 電極用基材
    3. 全固体電池の成形
    4. 評価結果
    5. 成形事例
  4. まとめ

第5部 VCSELレーザーの特徴と電極膜乾燥技術

(15:10〜16:10)

 バッテリー生産において最もCO2エミッションが多い工程の一つが乾燥工程であると言われている。トルンプは、「乾燥工程の省エネ化に面発光レーザ (VCSEL) が貢献する」と考えている。本講演では、VCSELの基本構成・応用方法について説明を行う。

  1. トルンプ会社紹介とVCSEL開発の歴史
  2. VCSEL基本構造
  3. VCSELの一般的な応用例
  4. VCSELを用いたバッテリー電極膜乾燥技術
  5. 総括

第6部 リチウムイオン電池電極の塗工・乾燥プロセスシミュレーションと性能予測 (録画配信)

(16:15〜17:15)

 本講演では、リチウムイオン電池や全固体電池の電極の混錬、塗工、乾燥、プレス、切断など各工程を模擬した数値シミュレーション技術について、概要や最近の動向を解説する。

  1. リチウムイオン電池/全固体電池の製造プロセスとシミュレーションの概要
  2. 混錬プロセスシミュレーション
  3. 塗工シミュレーション
  4. 乾燥シミュレーション
  5. プレスシミュレーション
  6. 充放電特性シミュレーションへの接続
  7. 劣化、安全性シミュレーションへの展開

講師

  • 菰田 悦之
    神戸大学 大学院 工学研究科 応用化学専攻
    准教授
  • 浅見 圭一
    日本スピンドル製造 株式会社 ミキシング事業センター
    技術顧問
  • 太田 鳴海
    国立研究開発法人 物質・材料研究機構 エネルギー・環境材料研究センター 電池材料分野 固体電池材料グループ
    主任研究員
  • 久保 健太
    キヤノン株式会社 R&D11技術開発室
    新規要素技術開発担当主幹
  • 太田 道春
    トルンプ株式会社 営業技術部
    マネージャ
  • 高岸 洋一
    株式会社コベルコ科研 計算科学センター モデルベース解析技術室
    室長

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込)

留意事項

第6部は都合により録画配信になりました。質問は終了後にメールにて受け付けます。

案内割引・複数名同時申込割引について

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また、4名様以上同時申込で全員案内登録をしていただいた場合、3名様受講料 + 3名様を超える人数 × 22,000円(税込)でご受講いただけます。

  • Eメール案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,000円(税別) / 73,700円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 87,000円(税別) / 95,700円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 107,000円(税別) / 117,700円(税込)
  • Eメール案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 200,000円(税別) / 220,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 250,000円(税別) / 275,000円(税込)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
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  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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