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自動車で発生する騒音・振動のメカニズムとその低減

自動車で発生する騒音・振動のメカニズムとその低減

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、騒音・振動の基礎から解説し、車室内騒音に対する制振材・吸音材・遮音材の働きとその効果、および制振材の貼り付け位置や吸遮音材の構造を適正化する手法について詳解いたします。

開催日

  • 2021年7月27日(火) 10時00分 17時00分

修得知識

  • 吸音材料に関する基礎的知識
  • ナノファイバー吸音材料に関する知識

プログラム

第1部 自動車で発生する騒音・振動のメカニズムと規制強化の動き

(2021年7月27日 10:00〜12:00)

 自動車で発生する振動騒音現象は数多くあり全てを説明するのは困難であるため、主な現象を発生源別に解説する。特に車外騒音に関係するタイヤ騒音、エンジン騒音、吸排気騒音、ブレーキ鳴き等については詳しく述べる。また近年では規制強化の動きも出てきており自動車メーカには大きな努力が課せられる。課題と今後の見通しについて述べる。

  1. 路面およびタイヤに起因する振動騒音現象
    1. 乗り心地
    2. シェイク
    3. フラッター
    4. ロードノイズ
      1. 振動の入力、伝達系
      2. 騒音の放射部
    5. パターンノイズ
  2. パワーユニット (エンジン、モータ) に起因する振動騒音
    1. エンジンの振動騒音
    2. 吸排気系振動騒音
    3. こもり音
    4. アイドリング振動
    5. エンジンシェイク
  3. 駆動系に起因する現象
    1. ギヤ音
    2. 駆動系ねじり共振
    3. プロペラシャフト曲げ共振、ねじり共振
    4. スナッチング
  4. その他の現象
    1. 風切り音
    2. ブレーキジャダー
    3. ブレーキ鳴き
  5. ハイブリッド車や電気自動車の振動騒音
  6. 規制強化の動き
    1. 新加速騒音試験
    2. タイヤ単体騒音
    • 質疑応答

第2部 不織布を用いた自動車用騒音対策部品の開発事例

(2021年7月27日 12:40〜13:40)

  1. SAF (Sekiso Acoustic Fiber)
    1. SAFの特徴 (ポリプロピレンのみで構成された平均繊維径約2~3μmの極細繊維吸音材)
    2. 音響的特長
    3. 自動車内装部品、吸気部品などの採用事例
  2. SAB (Sekiso Acoustic Board)
    1. SAB (ガラス繊維とオレフィン系繊維を混紡した自動車床下吸音材) の特徴
    2. 音響的特長と耐チッピング性や耐着氷性などの信頼性
    3. 車外騒音規制 (Phase2) をターゲットに進めた開発事例
  3. SAP (Sekiso Acoustic Porous)
    1. SAP (PET繊維を主繊維、PP繊維をバインダーとした不織布) の特徴
    2. 音響的特徴と信頼性
    3. 採用事例
      • 自動車の吸気ダクト (ポーラスダクト)
      • 空調ダクト (テキスタイルダクト) など
  4. 吸音性能の予測技術紹介
    1. 一般的なLimp frame porousモデル
    2. 実測した特性インピーダンスと複素伝搬定数から求めた複素音速と複素密度を用いるモデル
    3. 吸音構造体の吸音メカニズムの解析事例
    • 質疑応答

第3部 吸音材料の基礎とナノファイバー吸音材料

(2021年7月27日 13:50〜15:20)

 ナノファイバーは、1μm以下の超極細繊維である。数μm以下の繊維からなる不織布は、高い空隙率と大きな比表面積を持ち、高い吸音性能を示す。また、より繊維径の細い不織布では、低周波数域の吸音が向上する。本講座では、吸音材料の基礎からナノファイバーシートの吸音特性、吸音メカニズムについて説明する。

  1. 吸音材料の種類と特徴
    1. 多孔質型吸音材料
    2. 共鳴器型吸音材料
    3. 板・膜振動型吸音材料
  2. シリカナノファイバーの吸音特性
    1. エレクトロスピニング法
    2. シリカナノファイバーの構造
    3. シリカナノファイバーの吸音率
    4. 波動理論に基づく音響解析
  3. 高分子ナノファイバーの吸音特性
    • 質疑応答

第4部 音響メタマテリアルの原理、設計と遮音性能向上への応用

(2021年7月27日 15:30〜17:00)

 近年、自然界に存在する均質一様な物質では実現できない音響的性質を持つ音響メタマテリアルが注目されている。本講座では、音響メタマテリアルの基礎と、遮音性能向上を目的に検討した音響メタマテリアルについて概説する。

  1. 音響メタマテリアルの基礎
  2. 研究事例および動向
  3. 遮音性能向上を目的とした一重壁音響メタマテリアル
    1. レゾネータを用いたユニットセル構造
    2. 理論モデルおよび数値解析モデル
    3. 実験検証
  4. 遮音性能向上を目的とした二重壁音響メタマテリアル
    1. レゾネータの底面を薄膜化したユニットセル構造
    2. 理論モデルおよび数値解析モデル
    3. 実験検証
    • 質疑応答

講師

  • 松村 修二
    群馬大学 大学院 工学研究科 次世代EV研究会幹事
    客員教授
  • 高尾 秀男
    株式会社セキソー 技術開発部
    取締役 / 常務執行役員 / 常務
  • 赤坂 修一
    東京工業大学 物質理工学院 材料系
    助教
  • 山本 崇史 (振動工学)
    工学院大学 工学部 機械工学科
    准教授

主催

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受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
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  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方

ライブ配信セミナーについて

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  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
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本セミナーは終了いたしました。

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