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特許情報からみたBeyond 5G 材料開発戦争 2023

受講特典: アーカイブ配信付き (視聴期間: 2023年11月1日〜8日を予定)

特許情報からみたBeyond 5G 材料開発戦争 2023

~ミリ波・センチメートル波・テラヘルツ波に、ダイナミック周波数共用 / 新たにマネタイズ問題も浮上している今、「ミリ波対応超低誘電正接材料開発」が最重要任務か~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、5G/Beyond 5G/6Gをトリガーとする企業間競争の展開と、競争環境の変革にともなう、部品材料企業の最新の取り組みを、次世代6Gを意識しながら解説いたします。

開催日

  • 2023年10月31日(火) 10時30分 16時30分

プログラム

 情報通信環境は10年周期で革新を迎え、現在は5Gとの認識がある。しかし「帯域確保の為に周波数を上げる施策」が採用され続けているため、さまざまな課題解決に向けた取り組みが必要になっている。

  • ミリ波帯域を利用する5G (GHz帯域) では、4G (MHz帯域) とは異なり、壁などを回り込んで届くことは期待できない。例えば、NTTドコモは、ビルのガラス窓に貼って、ミリ波を屋外の足元に放出する実証実験を行っている (2023年1月30日公表) 。
  • 5G対応電子部品では、高周波対応が必要となり、伝送損失低減の観点から、低誘電正接材料が求められている。現在では、「ミリ波と称されている28GHzレベルにおける誘電正接Dfが、0.001以下となる超低誘電材料の開発」が進められている (2022年:Df≦0.002 v 2023年:Df≦0.001) 。
  • テラヘルツ帯域の利用を想定した6Gでは、天候による減衰が激しくなるため、通信に用いるには課題の多い周波数帯域である。そこで、ソニーとKDDIは「有限な電波資源の有効活用をめざした、ダイナミック周波数共用」に積極的に取り組んでいる。すでに、ソニーは国外および国内における実証実験を進めている (2020年〜) 。

 MWC 2023 ( Mobile World Congress 2023) (2023年2月27日〜3月2日:バレセロナ) からは、「現在の状況を踏まえた新たな動き」が読み取れる。

  • 情報通信業界の目下の話題は「5Gのマネタイズ」にある。
  • 5Gが世界で商用展開されてから、すでに4〜5年が経過した。これまで、モバイル情報通信方式は約10年単位で世代交代しており、今やその中間点に差し掛かろうという時期にある。それにもかかわらず、5Gのマネタイズが課題となっている状況を、業界は何とか打破したいと考えている。
  • 5G (ミリ波) でしか実現できず、他の技術では実現できないアプリケーションが存在しないため、Ericssonは「5Gのマネタイズ」を話題にしている。
  • Ericsson とNokiaからは、センチメートル波 (センチ波:7〜20GHz) の活用が提起された。
  • Huawei (華為技術) は、5.5G (2022年7月22日提唱) について、5Gに比べネットワークの能力は10倍向上し、100倍の市場チャンスを掘り起こせると述べている。

 「Huaweiの5G+を勝者の理論とするNTT」は、チャレンジャーとして、6Gに向けて、IOWN (Innovative Optical and Wireless Network) に取り組むと述べている (2022年6月4日) 。NTTはこのような状況認識に基づき、2023 年2月27日に、次のような取り組みを公表している。

  • NTTとNTTドコモはNokiaなどと取り組む実証実験に、Ericssonなどの参加を公表した。これら4社は共同で、6〜24GHz (センチ波) と90GHz (ミリ波) での実験に取り組むことを全体像の中で示している。

 情報通信業界の現状は、「偶数世代は成功し、奇数世代は停滞する」との経験則通りに進んでいるが、部品材料に取り組む企業としては、「5Gマネタイズ」の早期実現に寄与する「ミリ波対応超低誘電正接材料開発」に取り組む必要がある。そこで、本セミナーでは、Beyond 5Gをトリガーとする企業間競争の展開と、競争環境の変革にともなう、部品材料企業のここ1年間の技術開発動向の俯瞰を試みる。

  1. はじめに
    1. 企業活動の根幹 〜企業に課せられた課題は?
    2. 貴社:どちらで事業参入? 〜事業開発では時間軸に注目!
      • 参考) 既存企業のInnovation:知の深化*知の探索
    3. 企業経営における意思決定 〜知財情報:未来予測の洞察に活用
    4. 企業活動と知的財産 〜知的財産の位置づけ
    5. 企業における特許の役割 〜ビジネス発想で時空を超える!
    6. 知的財産権:「技術進化の方向性」までも支配可能!
      • 参考) 特許権:条件付き無償開放の「罠」
    7. Patent:企業におけるInventionの源泉 〜特許=課題×解決手段
      • 視点) 特許出願:知的財産への投資
      • 視点) 戦略的外国特許出願とは?
      • 視点) 特許訴訟と弁護士費用
    8. 事業開発をめざす企業戦略:立案の基本指針
    9. 社会課題解決*ルール形成/活用:新たな市場形成へ
  2. 「5Gの夢と現実の落差」を埋める動き
    1. MWC 2023の話題は5G Monetization 〜6G:5Gの収益化が確認できるまで急ぐべきでないとの意見も
    2. Nokia:5G Monetizationに向けた取り組み 〜B2B企業にアイデンティを切り替え
    3. Ericsson:5G Monetizationに向けた取り組み 〜ネットワークでしか提供できない機能の提供
    4. Huawai (華為技術) :5G Monetizationに向けた取り組み
      • 〜 5G収益事例を紹介
      • MWC 上海 2023:Passive IoTタグ (大規模倉庫管理の完全自動化)
    5. NTT:5G Monetizationに向けた取り組み 〜プライベート5Gの普及をめざす
    6. NTT:Nokia・Ericssonと組んだ共同実験に取り組む 〜6〜24GHz (センチ波) と90GHz (ミリ波) での実証実験
    7. ダイナミック周波数共用に対する取り組み
      • Dynamic Spectrum Access (DSA) :ソニー
      • Dynamic Spectrum Sharing (DSS) :電子情報通信学会誌
        1. KDDI 〜積極的に取り組む情報通信事業者
        2. ソニーの取り組み 〜海外実証実験から国内実証実験へ
    8. 情報通信業界の経験則 〜偶数世代は成功し、奇数世代は停滞する
  3. 公開情報:業界/企業/技術開発動向の入手・把握
    1. 業界情報の収集
      • 日経系新聞
      • 日経BP
      • 企業公開情報
    2. 無料公開情報の活用
      • 政府資料
      • 調査会社報告書概要
      • 目次
    3. 企業HPの活用
      • 沿革
      • 求人情報
      • 注力事業分野
      • 開発拠点
    4. 競合に関わる企業情報
      • 有価証券報告書
      • Form 10-K
    5. 有価証券報告書 〜項目一覧
      • 参考) 非上場企業のビジネス情報
    6. Form 10-K (米国:SEC)
      • 参考) 米国:Form 10 – K v 日本:有価証券報告書
      • 事例) Form 10 – K:記載情報
    7. OSINT (Open Source Intelligence) :過去・現在・未来?
  4. Beyond 5G対応部品材料への取り組み:特許情報検索 〜業界/企業/技術開発の動向把握
    1. 利用可能な特許分類 〜FI/IPC、Fターム、CPC (日本:FIで対応)
      • 参考) 欧州/米国特許検索 〜CPCも活用できるが…
    2. 特許情報検索 〜技術用語の選択
      • 参考) 特許情報を「技術用語」で検索:どう取り組む?
    3. 業界動向を知る 〜出願人/現在の権利者から知る
    4. 企業動向を知る 〜出願人*要求特性 (*特許分類)
      • 参考) 古株:出願人名で絞る v 新顔:要求特性で探索
    5. 特許情報の検索指針 〜技術用語=注目材料*用途*特徴*課題
      • 参考) 特許明細書:効率的な読み解き方
    6. 技術情報 v 特許情報 〜事業開発をめざす企業:「技術の詳細を伏せた先行公表」を実施
    7. 企業の新たな動きを察知するには? 〜「出願件数の少ない最新動向特許」にどう取り組む?
    8. 先行特許への戦略的対抗策
      • 視点) 後発でも勝てる特許出願戦略とは?
      • 視点) 後発でも、先行に勝てる!
      • 視点) 「先行企業特許網の傘下」に食い込め!
      • 事例) ベストモードをクレーム化
      • 視点) 特許情報の更なる有効活用 〜新規事業企画のヒントにも!
      • 事例) 「企業の技術開発史」を知る〜審査官引用/被引用ツリーに注目
  5. 特許情報から見た新たな取り組みは?
    1. Beyond 5G対応FPC/FCCL 〜基板樹脂材料と銅箔:要求される特性は?
    2. Df≦0.001をめざした低誘電正接材料
      • Df@10GHz/28GHzが実施例に登場
      • 低熱膨張性・難燃性への展開も
      • 視点) 新規性と進歩性:主張方法は?
      • 視点) 進歩性:「非容易想到」と理解すべき!
      • 視点) 「新たな課題」に相当するか/否か?:判定法
      • 視点) 素材企業のもつべき知的財産戦略
      • 視点) Business Opportunity 〜Material Prices are Tumbling
        1. 東レ:液状PI (ポリイミド)
          • 参考) 感光性PIポリイミド
          • 視点) ビジネス発想特許で、事業を守る
        2. 信越化学工業:マレイミド (ライセンス導入を展開)
          • 視点) 「早期審査請求」の活用
          • 視点) 事業を支えるのは「改良発明」
          • 視点) 特許を参入障壁に活用!
        3. 日鉄ケミカル&マテリアル:ジビニル芳香族
          • 参考) 「国内優先権制度」とは?
          • 視点) 「国内優先権制度」の活用
          • 参考) 社内連携活動で、「強い特許」を創出
        4. 日本化薬:炭化水素骨格をもつ熱硬化樹脂
          • 視点) 出願済み特許の公開前に、その一部を技術紹介
        5. 旭化成:変性ポリフェニレンエーテル (変性PPE)
        6. 三菱ケミカル:特許出願済だが、未公開の時期に製品を紹介
          • 2022年1月18日公表品:熱可塑性・熱硬化性
          • 2022年6月23日公表品
          • 視点) 分割出願:目的と活用
          • 視点) 「企業が重要視している技術」を知る
        7. 出光興産:シンジオタクチックポリスチレン (SPS)
        8. 日本曹達:スチレン – ブタジエン – スチレン (SBS) を架橋化
        9. 日本ゼオン:結晶性COP (シクロオレフィンポリマー)
        10. ダイセル:低誘電難燃性樹脂
        11. 三井化学:高耐熱環状オレフィンコポリマー
        12. 住友化学:シクロオレフィン系
        13. JSR:ポリエステル系
        14. AGC:ミリ波対応ガラス基板
        15. 古河電気工業:低誘電発泡樹脂製造装置
    3. 超低誘電材料を採用した部品の登場
      • 倉敷紡績:実施例記載特性から推察
      • 視点) 部品企業/事業のもつべき知的財産戦略
    4. 低誘電粘着シート
      1. 王子ホールディングス/タック化成:オレフィン系
      2. 積水化学工業:スチレン系エラストマー
    5. ムール貝に学ぶ
      • 積水化学工業:フッ素樹脂・オレフィン対応粘着シート
    6. 低誘電接着剤
      • 東亞合成:オレフィン系
    7. 界面分子結合
      • JSR・豊光社テクノロジーズ:MOLTIGHT IMB
    8. 低熱膨張回路基板材料
      • 三菱ケミカル:2022年6月23日公表品
    9. LTCC (Low Temperature Co – fired Ceramics)
      • 日本電気硝子
    10. 動的反射制御型メタサーフェス反射板
      • 日本電業工作・KDDI
    11. メタサーフェス反射板/吸収版
      • 凸版印刷
    12. Dynamic RIS (Reconfigurable Intelligent Surface)
      • ZTE (中興通訊)
    13. アンテナ
      • 京セラ:電気壁付きAMC (人工磁気導体) 導入で、小型・薄型化を実現
      • 電気興業:石英クロス・低誘電樹脂 (信越化学工業品)
    14. アンテナ基板:高誘電率・低誘電正接で小型化
      • 日本特殊陶業:セラミックス
      • 住友ベークライト:樹脂+無機材料
    15. アンテナ用レドーム
      1. 旭化成:変性PPE (ポリフェニレンエーテル)
      2. 古河電気工業:低誘電発泡樹脂製造装置を活用
    16. ダイナミック周波数共用システム (Dynamic Spectrum Access:DSA)
      1. ソニーの取り組み
      2. KDDIの取り組み
  6. まとめ 〜ビジネスモデルの視点から
    • 質疑応答

講師

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