技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

強誘電体薄膜の作製と物性評価、今後の応用展望

強誘電体薄膜の作製と物性評価、今後の応用展望

~強誘電性薄膜の最前線、成膜、物性評価と強誘電体メモリの開発動向~
オンライン 開催

開催日

  • 2023年1月16日(月) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 強誘電体薄膜の作製と物性・評価

(2023年1月16日 10:00〜11:30)

 機能性材料として古くより研究されている強誘電体材料は、その優れた圧電性、焦電性、強誘電性などを利用して様々な応用に利用されている。強誘電体薄膜の研究は1950年代から行われているが、とりわけ、1980年代後半の強誘電体不揮発性メモリの発表以降、その研究・開発が急速に進んできた。強誘電体薄膜技術 (成膜、評価、理論) や薄膜材料開発の発展はデバイスの微細化・高集積化・高機能化・低電圧駆動化に必要不可欠であり、強誘電体薄膜メモリや圧電MEMSデバイスなど種々の強誘電体・圧電体薄膜デバイスの開発に大きな役割を果たしている。
 本講座では、メモリ応用や圧電応用として知られるPb (Zr,Ti) O3 (PZT) 系強誘電体薄膜のMOCVD法による作製とその基礎的物性、強誘電体薄膜の物性解明に大きな役割を果たした圧電応答顕微鏡 (PFM) 技術に代表される走査型プローブ顕微鏡 (SPM) 技術、さらに、デバイスの微細化・高集積化に向けた極薄膜、ナノアイランド構造、ナノワイヤ、ナノチューブなどナノ強誘電体の作製とその物性に関して解説する。さらに、BiFeO3薄膜の物性や最近注目を集めているHfO2、 (Al,Sc) N、 (Al,B) N、 (Zn,Mg) Oなどの新規強電体薄膜の研究動向に関しても紹介する。

  1. 背景
    1. 強誘電体薄膜の歴史
    2. 強誘電体薄膜の作製法
  2. MOCVD法によるPZT系強誘電体薄膜の作製とその物性・評価
    1. MOCVD法の特徴
    2. PbTiO3薄膜の作製とその物性
    3. PZT薄膜の作製とその物性
      • 制御性
      • サイズ効果
      • 電極
      • 原料純度
      • 大面積化
    4. 走査型プローブ顕微鏡による物性評価
      • 圧電応答顕微鏡
      • 電流同時測定
  3. ナノ強誘電体の作製とその物性
    1. 強誘電体極薄膜
    2. 強誘電体ナノ島構造
    3. 強誘電体ナノワイヤ、ナノチューブ
  4. BiFeO3強誘電体薄膜の作製とその物性
    1. 光起電力効果と光誘起歪
    2. 放射光による構造解析
  5. 新規強誘電体薄膜の研究動向
    • doped-HfO2
    • (Al,Sc) N
    • (Al,B) N
    • (Zn,Mg) O
    • 質疑応答

第2部 鉛系および非鉛系圧電薄膜の成膜とそれを用いた圧電デバイスの応用展望

(2023年1月16日 12:10〜13:40)

 圧電MEMS技術の特徴とその基礎技術に関する内容を解説します。応用デバイスとその特徴、および圧電薄膜の成膜技術と評価方法について説明します。

  1. 圧電薄膜を用いたMEMSデバイス応用
  2. 圧電MEMSデバイスの基本構造
  3. PZTおよびKNN圧電薄膜の成膜プロセス
  4. 薄膜材料の圧電特性評価
    • 質疑応答

第3部 最近の強誘電体薄膜材料 (HfO2, AlScNなど) の特性、成膜とデバイス応用への展望

(2023年1月16日 13:50〜15:20)

 本講座では、従来から研究されてきたペロブスカイト型・もしくはその関連型結晶構造とは異なる結晶構造を持つ蛍石型構造 (HfO2基) およびウルツ鉱型構造強誘電体について概説する。
 これらの材料は2010年代にはじめて報告された材料であるが、従来材料にない半導体プロセスに対して高い親和性を持っているという特徴があり、デバイス応用が期待されている材料である。
 講演者は、これらの材料について国内でもいち早く研究に取り組んでおり、特に結晶化学的側面から様々な報告を行っている。

  1. 強誘電体材料の歴史
  2. 強誘電体デバイスへの期待
  3. HfO2基強誘電体の発見と薄膜成長
  4. HfO2基強誘電体の結晶化学的特徴と強誘電性発現機構
  5. ウルツ鉱型強誘電体の発見と薄膜成長
  6. ウルツ鉱型強誘電体の強誘電特性の制御
  7. 従来型強誘電体との比較
  8. 今後の応用への展望
    • 質疑応答

第4部 強誘電体メモリの開発動向と新規強誘電体薄膜のメモリへの応用

(2023年1月16日 15:30〜17:00)

 強誘電体メモリ (FM) は、フラッシュメモリと同様に外部電源がなくても記憶を保持できる不揮発性メモリの一種である。現在実用化されているFMの一つであるFeRAM (Ferroelectric Random Access Memory) は、フラッシュメモリに比較して、メモリ容量は少ないが、 データの書き込み速度は100~1000倍、書き込み回数は1億倍、消費電力も極めて少ない。このため、エッジデバイスや認証デバイスなど多くのデバイスへ応用されている。
 しかし、半導体製造プロセスを用いて、FMを量産化するためには、いくつかの課題を克服し、FM特有の信頼性問題を解決する必要があった。本講演では、FMの歴史、動作原理、 量産化技術、信頼性技術について述べるとともに、最新のFM、新しく発見された強誘電体薄膜を使ったFMについて紹介する。

  1. なぜ強誘電体メモリが必要とされるのか?
  2. 強誘電体メモリの歴史
  3. 強誘電体メモリの量産技術
  4. 強誘電体メモリの種類と動作原理
  5. 強誘電体メモリの微細化技術
  6. 強誘電体メモリの高信頼化技術
  7. 新規強誘電体メモリの動向
  8. 新規強誘電体薄膜薄膜のメモリへの応用
    • 質疑応答

講師

  • 清水 勝
    兵庫県立大学
    名誉教授 / 特任教授
  • 神野 伊策
    神戸大学 大学院 工学研究科 機械工学専攻 センシングデバイス工学分野
    教授
  • 清水 荘雄
    国立研究開発法人 物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点
    独立研究者
  • 惠下 隆 (恵下 隆)
    和歌山大学
    理事, 副学長

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。