技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

変形性関節症の治療と新薬候補物質の有効性、開発動向

変形性関節症の治療と新薬候補物質の有効性、開発動向

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2018年12月12日(水) 10時00分 17時15分

修得知識

  • 疾患修飾性治療薬 (DMOAD) の開発動向
  • 今後の疼痛治療に期待される薬物
  • 臨床への橋渡しを念頭に置いた前臨床試験
  • 臨床での成功確率を上げるエンドポイントの考え方

プログラム

第1部. 変形性関節症の新薬開発の動向

(2018年12月12日 10:00〜12:00)

 関節軟骨の退行変性を主体とする変形性関節症 (OA) の最大の愁訴は疼痛です。そのため、現在の保存療法で用いられる薬剤は、対症療法的に消炎鎮痛を目的とするものが大多数を占めています。一方で、近年の軟骨代謝研究の進展により、関節軟骨基質の代謝を制御する薬剤の開発が試みられています。
 本講演では、変形性膝関節症の臨床試験データをもとに、近年の新薬の開発動向及び当教室で行なっている研究より得られた新たな治療薬開発の可能性に関して解説を行う予定です。

  1. 変形性膝関節症の新薬開発の動向
    • 変形性膝関節症の臨床試験データをもとに、近年の我が国における新薬の開発動向の解説を行う予定です。
  2. 変形性膝関節症における慢性疼痛の発症機序の解析とその知見に基づく新しい疼痛緩和薬の開発の可能性 (未発表データを含む)
  3. DMOADs (Disease Modifying OA Drugs) の開発に関する私たちの最新知見 (未発表データ) と創薬の可能性
    • 質疑応答

第2部. 変形性関節症でプライマリ – エンドポイントを満たすための基礎試験及び臨床試験

(2018年12月12日 13:00〜15:30)

 変形性関節症 (OA) 治療薬としてsymptomatic OA drugsに加え、原因治療を目指しdisease modifying OA drugsも活発に創薬研究が行われている。有効性に加え、特に治験期間の長い後者の創薬においてはドロップアウト軽減のため、有効性の鍵となるバイオマーカー探索は最重要課題である。前臨床試験としてヒトの病態をより反映した動物モデルでの薬効評価は重要であり、今後の創薬過程においてもface、constructおよびpredictive妥当性を土台として踏襲されることには変わりない。しかし、臨床試験での成功確率を上げるため、新たな動物モデルや薬効評価法を取り入れ、プライマリーエンドポイントを満たすための努力も必要である。
 本講習会はヒトへの有効性の橋渡しを念頭にこれまでの基礎及び臨床試験成績を解析ならびに本年9月の第17回国際疼痛学会情報を含めた内容とし、創薬研究躍進の一助となれば幸いです。

  1. 変形性膝関節症の病態および疼痛関連分子
    1. 病態の発症機構
    2. 疼痛関連分子
  2. 変形性膝関節症治療薬の現状
    1. 国内外治療ガイドライン
    2. 現在の治療薬の分類や有効性ならびに副作用
    3. 変形性膝関節症の混合痛の成因及び治療への取り組み
  3. 変形性膝関節症の病態モデル動物及び薬効薬理試験評価法
    1. 現状の動物モデルや評価法
    2. 動物モデル間によるスクリーニングカスケード
    3. Face, construct, predictive妥当性から動物モデル選択の現状
    4. 新規動物モデルや評価法の再構築 ~ 臨床への橋渡し
  4. 変形性膝関節症の臨床試験
    1. 臨床における有効性の指標 (symptomatic vs. disease modifying OA drugs)
    2. プライマリーエンドポイント
  5. 変形性膝関節症のバイオマーカー
    1. Target, mechanism, outcome biomarker探索の現状
  6. 変形性膝関節症治療薬の開発現状 (病態/ターゲット/開発ステージで分類)
    ~ 第17回国際疼痛学会 (米国ボストン) も含む
    1. これまでの治療薬の開発状況、治療の現状や今後の課題
    2. 開発中の化合物 ~低分子化合物から抗体薬、新規作用機序を有する化合物
    • 質疑応答

第3部. 変形性関節症における慢性疼痛の薬物治療と臨床が求める製剤

(2018年12月12日 15:00〜17:00)

 関節痛・変形性関節症に対する薬物治療について概説する。従来は非ステロイド性消炎鎮痛薬が中心であった薬物療法は、オピオイド鎮痛薬や鎮痛補助薬 (抗うつ薬、抗けいれん薬など) が使用されるようになり格段の進歩を遂げている。ただ、薬物療法では 解決できない問題や各薬剤のピットフォールを知る必要があり、これらを解説する。
 関節痛・変形性関節症に対する薬物治療について現状と問題点を概説する また具体的な痛みの薬物療法の症例を提示し、薬剤使用のポイントや問題点を挙げ、今後発売され活用が期待される薬物についても触れる。
 演者は大学病院をはじめ、一般病院や地域医療機関での臨床経験を持ち、さらに製薬企業におけるメディカルアフェアーズ (疼痛領域) を率いて製薬企業としての経験を持つ。それらの経験を通して、臨床においてどのような薬物が求められているかを考える。

  • わが国の関節痛・変形性関節症に対する薬物治療の現状
  • 海外における関節痛・変形性関節症に対する薬物治療の現状
  • 非ステロイド系消炎鎮痛薬の適応と注意点
  • オピオイド鎮痛薬の効果と副作用について
  • オピオイド製剤の問題点 (特に依存性、耐性、適正使用など)
  • 薬物療法の症例提示
  • 痛みの特徴および薬物ガイドラインからみた薬物の選択法
  • 痛みに対するその他薬物 (漢方薬や適応外使用の薬物など)
  • 今後の発売が期待される薬物
  • 質疑応答

講師

  • 辻 邦和
    東京医科歯科大学 医歯学総合研究科 軟骨再生学
    准教授
  • 砥出 勝雄
    ニューロサイエンス創薬コンサルティング
    代表
  • 川井 康嗣
    仙台ペインクリニック石巻分院
    院長

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 54,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 50,000円(税別) / 54,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 59,400円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 108,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 162,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/6/27 一般医薬品向け: CTD-M2作成 / 規格及び試験方法と分析法バリデーション / 技術移転と同等性評価 (全3コース) オンライン
2024/6/27 CTD-M2 (CMC) 作成セミナー オンライン
2024/6/27 一般医薬品における有効期間を考慮した規格及び試験方法の設定と分析法バリデーションの実施方法 オンライン
2024/6/27 一般医薬品における技術移転 (製法・試験法) の手順と同等性の評価方法 オンライン
2024/6/27 不確実性の高い医薬品の研究開発プロジェクトの事業価値評価に基づく意思決定とポートフォリオマネジメント オンライン
2024/6/27 日本特有の要求対応をふまえた海外導入品のCMC開発対応とCMC申請資料 (日本申請用) 作成 オンライン
2024/6/27 mRNA/LNP (脂質ナノ粒子) 医薬品コース オンライン
2024/6/27 mRNA-LNP医薬品における製剤化・製造・品質管理と品質審査の論点 オンライン
2024/6/27 開発段階における治験薬GMP-QA業務と有効期間設定・変更管理 オンライン
2024/6/28 品質管理試験室にむけたQC点検と信頼性確保 / 分析法バリデーションに必要となる統計解析 / 基準値設定・分析法変更/技術移転時の同等性評価 (3コース) 東京都 会場・オンライン
2024/6/28 品質管理試験室にむけたQC点検と信頼性確保の対応 東京都 会場・オンライン
2024/6/28 変更管理・逸脱管理コース (2日間) オンライン
2024/6/28 GMPにおける逸脱・不備・不整合からのCAPA運用・手順・管理と逸脱防止対策 オンライン
2024/6/28 再生医療等製品における承認審査・申請資料作成/条件及び期限付承認の場合の留意点 オンライン
2024/6/28 経皮吸収製剤における評価と生物学的同等性試験のポイント オンライン
2024/6/28 PIC/S GMP Annex1を踏まえた滅菌製品・無菌医薬品の微生物試験とバリデーションのポイント オンライン
2024/6/29 非無菌医薬品における微生物学的品質管理の必要レベルと微生物限度試験法実施事例 2023 オンライン
2024/7/1 ASEAN各国の医薬品申請のための薬事制度と申請資料作成方法 オンライン
2024/7/2 試験検査室管理におけるGMP対応の重点チェックポイント オンライン
2024/7/2 GMP/GQP-QAが行うべき逸脱管理とCAPAの適切性の評価とチェックリストの活用 オンライン

関連する出版物

発行年月
2020/2/27 海外データ (試験施設) /海外導入品の信頼性基準適用と効率的なデータ利用・CTD申請
2020/1/30 凍結乾燥の最適な条件設定による品質の安定化 - ラボ機と生産機の性能の違いを反映させたスケールアップ -
2019/8/1 データインテグリティ規程・手順書
2019/6/27 EU GVP Module I /ISO9001要求をふまえたQuality Management System の実装と運用
2019/6/27 FDAが要求するCAPA導入の留意点
2019/5/31 医薬品モダリティの特許戦略と技術開発動向
2019/4/24 洗浄バリデーション実施ノウハウと実務Q&A集
2018/11/30 希少疾患用医薬品の適応拡大と事業性評価
2018/10/30 高薬理活性医薬品封じ込めQ&A集 Part2
2018/9/28 腸内細菌叢を標的にした医薬品と保健機能食品の開発
2018/8/31 がん治療で起こる副作用・合併症の治療法と薬剤開発
2018/7/31 医薬品・医療機器・再生医療開発におけるオープンイノベーションの取り組み 事例集
2018/6/29 医薬品グローバル開発に必要な英語実務集
2018/5/30 GVP Module改訂をふまえたEU Pharmacovigilance規制の実装
2018/5/18 創薬のための細胞利用技術の最新動向と市場
2018/4/25 統計学的アプローチを活用した分析法バリデーションの評価及び妥当性
2018/1/30 バイオ医薬品のCTD-Q作成 - 妥当性の根拠とまとめ方 -
2017/9/29 疾患・病態検査・診断法の開発
2017/8/31 きのこの生理機能と応用開発の展望
2017/6/21 体外診断用医薬品開発ノウハウ