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敗血症の新規病態メカニズムと早期診断・治療薬開発

敗血症の新規病態メカニズムと早期診断・治療薬開発

~発症リスクの予測マーカーの探索と開発のポイントとは~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2018年7月19日(木) 10時00分 17時15分

プログラム

第1部. 敗血症早期発見に期待出来るバイオマーカーの探索と開発

(2018年7月19日 10:00〜11:30)

 敗血症は死亡率が高く、治療が遅れると死に至る症例も少なくない。敗血症の早期診断は、救命可能な治療を早期に施すために極めて重要であるが、そのマーカーとして臨床上の有用性が確立されたものは少ない。現在敗血症の診断には、CRP、TNF – α、 IL – 6などのマーカーが一般に有用とされ、患者の血液検査などと合わせて利用されている。しかし、感染徴候がなく侵襲の強い外傷によるSIRSの患者でもCRP、 TNF、IL – 6などが上昇するため、感染症によるSIRSの患者 (敗血症) との差が認められず診断は困難といわれている。
 本講演では、このような敗血症診断や検査の現状および将来有用と思われるバイオマーカーや、当教室の関連研究内容について言及したい。

  1. 敗血症と全身性炎症反応症候群 (SIRS)
    • 敗血症の症状と特徴、SIRSとの違い
    • 敗血症診断の現状
    • 敗血症の検査
  2. 敗血症予測マーカーの現状と課題
  3. 敗血症の発症予測への応用が期待できる物質
    • C反応性プロテイン
    • C多糖とは?
    • TNF – α
    • IL – 6
    • エンドトキシン
    • プロカルシトニン
  4. 感染症罹患・敗血症発症リスクの予測マーカーの探索と開発
    • バイオマーカーパネル
    • 好中球ゼラチナーゼ結合リポカリン (NGAL)
    • マクロファージ炎症性プロテイン – 3 (MIP – 3)
    • その他のマーカー候補分子
  5. 東京薬科大学臨床薬理学教室の取り組み
    • 敗血症患者末梢血リンパのマイトゲン反応性について
    • 敗血症患者末梢血リンパのステロイド反応性について
    • 質疑応答

第2部. 敗血症の新規病態メカニズムに基づく治療薬開発~早期治療、重症化防止を目指して

(2018年7月19日 12:15〜13:45)

 敗血症は世界的な統計で死因の一位を占め続けている。先進国のICU内集学的治療でも致死率は約25%にとどまっており、大きな改善はない。このような背景のもと、2012年以来世界敗血症キャンペーンが実施され種々のレベルで啓蒙活動が活発に展開されるようになったが、治療上の進歩は殆どないと言わざるを得ない。
 本講演では、最近演者らがマウスのCLPモデルで見出した敗血症の新規病態メカニズムを紹介し、併せてヒト患者での解析結果について述べる。これらの基礎研究成果に基づき、新規の敗血症治療薬について提案する。

  1. 敗血症病態の捉え方
  2. 日本における敗血症治療
  3. 敗血症の新規病態メカニズムの発見
    1. マウスCLPモデルの解析
    2. ヒト敗血症患者での解析
  4. 敗血症の早期検出法の開発
  5. 敗血症の新規治療薬の開発
    • 質疑応答

第3部. 新しい定義・診断基準の変遷を踏まえた敗血症の診断・治療の現状

(2018年7月19日 14:00〜15:30)

 2016年2月に発表された最新の敗血症 (sepsis) 診断基準である“敗血症および敗血症性ショックの国際コンセンサス定義第3 版 (Sepsis – 3) ”までの敗血症診断基準の変遷を学び、重度敗血症における臓器障害の重要性について解説する。
 また、2016年〜2017年にかけて公開された敗血症に関する診療ガイドライン (J – SSCG 2016、SSCG 2016) の骨子を紹介する。さらに、敗血症に関連した臓器障害の一つであると考えるべきDICについて、本邦と欧米の認識の違いについて学び、DIC治療薬のニーズを探る。

  1. 敗血症の診断基準とは?
    1. 感染に伴うSIRS
    2. 臓器不全と敗血症
    3. Sepsis – 3
  2. 敗血症診療ガイドラインとは?
    1. 日本版敗血症診療ガイドラインJ – SSCG 2016
    2. SSCG 2016
  3. 敗血症性DICとは?
    1. DICの診断基準
    2. SIRSとDIC
    3. 欧米の認識
    4. 本邦の認識
    5. DIC治療薬のニーズ
    • 質疑応答

第4部. 敗血症治療薬開発に向けた敗血症の特徴と効果判定における凝固能検査

(2018年7月19日 15:45〜17:15)

敗血症の特徴と主に凝固能異常との関係や血液凝固検査に関する内容について解説する。

  1. 敗血症の特徴
    • 敗血症に関する一般的な背景
    • 退院後の予後
    • 凝固能異常との関係
    • 重症度判定
  2. 敗血症に対する抗凝固薬の効果
    • 抗凝固療法の歴史
    • 抗凝固療法の効果
    • 種々の抗凝固療法に関する特徴や現状
  3. 敗血症に対する血液浄化療法
    • 血液浄化療法の特徴
    • 敗血症治療における血液浄化療法に関する最近の位置づけ
    • 敗血症に対する血液浄化療法の動物実験
  4. 血液凝固検査
    • 凝固能と生活の身近な関係
    • 凝固能検査による判定
    • 全血検査の意義
    • 全血検査の種類と特徴
    • 全血検査と敗血症
    • 全血検査と外傷
    • 全血検査と種々の疾患
    • 質疑応答

講師

  • 平野 俊彦
    東京薬科大学 薬学部 臨床薬理学教室
    教授
  • 西堀 正洋
    岡山大学 大学院 医歯薬学総合研究科
    教授
  • 佐々木 淳一
    慶應義塾大学 医学部 救急医学
    教授 / 診療部長
  • 阪本 雄一郎
    佐賀大学 救急医学
    教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
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主催

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