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豊かな触感覚提示をもたらす技術・インタフェースと知財動向

豊かな触感覚提示をもたらす技術・インタフェースと知財動向

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2018年2月22日(木) 10時30分 16時00分

プログラム

第1部「多感覚情報を圧縮するクロスモーダル知覚とその活用」

(2018年2月22日 10:30〜12:00) :

 狙い通りの触覚・触感をつくるためのアプローチとして、昨今注目を集めているのがクロスモーダル知覚を活用するインタフェースである。クロスモーダル知覚とは、「ある感覚における知覚が同時に受け取る異なる感覚刺激の影響を受けて変化して知覚される現象」である。このクロスモーダル知覚はさまざまな感覚の間で起こり、これらを活用すると触力覚提示、嗅覚提示、味覚提示など、多様な五感情報提示を簡略化されたシステムで実現できることが示されてきた。特に、視覚・触覚間には強く効果の発生する錯覚・融合現象が観察されることが古くから知られている。
 本講演では多感覚情報を圧縮できるというクロスモーダル知覚の特性を活用して触覚・触感を提示するインタフェースについて、いくつかの研究事例を中心に紹介するとともに、そうして提示される触覚・触感の変化がユーザの行動やユーザが抱く印象にまで影響を与えられることを述べ、クロスモーダルな触覚提示手法の応用の展望を紹介する。

  1. クロスモーダル知覚と触覚・触感
  2. クロスモーダル知覚を利用した触力覚の提示
  3. Pseudo – haptics を活用した空間知覚の操作
  4. Pseudo – haptics で情動に訴えかける
  5. 触覚・触感の提示から触体験全体のデザインへ
    • 質疑応答

第2部「複合現実空間における痛覚・温冷覚提示技術」

(2018年2月22日 13:00〜14:10) :

 複合現実空間 (Mixed Realty; MR) では現実空間に仮想物体を実時間に継ぎ目なく融合する。よって、このMR技術では本物の触感を得つつ、そこに視覚的にのみ電子的なデータを重ね合わせることができる(以降、「MR型視覚刺激」と呼ぶ) 。このとき、単純に触覚のイメージに準ずる仮想物体を重畳描画することで、触感のリアリティが向上する。一方、意図的に触覚刺激と異なる位置に仮想物体を同時に提示することで、触覚の知覚位置が視覚刺激の方へ転移する。このように、刺激素子による提示部に任意の仮想物体を重畳描画することで、刺激の強調及び提示位置の補完を図ることができる。
 この視触覚相互作用は、触覚刺激の中でも明瞭な刺激である痛覚や、曖昧な感覚である温冷覚において、特に活用することできる。なぜなら、痛覚は広範囲に提示するには提示素子の個数が増え過ぎないように提示箇所を補完する必要があり、一方、温冷覚は正確な位置に知覚されるため刺激箇所を強調する必要があるからである。
 そこで、本稿演ではMR型視覚刺激が痛覚・温冷覚の知覚位置に与える影響について報告する。

  1. はじめに
    • 複合現実空間について
    • 複合現実空間と触力覚 (これまでの研究事例)
  2. MR型視覚刺激が痛覚の知覚位置に与える影響
    • 痛覚について
    • 実験システムについて
    • 実験方法
    • 実験結果
  3. MR型視覚刺激が温冷覚の知覚位置に与える影響
    • 温冷覚について
    • 実験システム
    • 実験方法
    • 実験結果
  4. まとめ
    • 質疑応答

第3部「触覚・触感インタフェースにおける特許・ライセンス動向 」

~Immersion Corporationに学ぶ:企業成長戦略/知的財産戦略~

(2018年2月22日 14:30〜16:00)

「局在した感覚器のない感覚」のすべてが触覚であり、視覚・聴覚に次ぐ、第3の情報伝達手段として注目されている。ただし、事業や製品への適用を考え、それらで何らかの利益を得ようとすると、知財面での障壁に気付く。具体的には、米国・Immersion Corporation (以下、Immersion社) の取り組みである。振動で触覚を発現しようとすると、だいたいImmersion社の特許に引っかかる とまで、大学の研究者に言わせしめる状況にある。 そこで、本講演では振動で触覚・触感インタフェースを実現する、Immersion社の特許出願・ライセンス動向に注目し、彼らの取り組みやその狙いを考察する。書籍執筆後に公開された、各種資料やPress Release、さらには出願特許もふまえ、触覚・触感インタフェースの普及状況と今後の動向を紹介する。 Immersion社 の特許出願戦略やライセンス戦略の分析結果を紹介するだけでなく、触覚・触感インタフェースの今後の展開領域と考えられる、VR (Virtual Reality) /AR (Augmented Reality) への取り組みも俯瞰する。本講演が、Immersion社の知的財産に対する取り組みを学び、今後の自社知的財産戦略への活用をも考える機会となれば最良である。
  1. はじめに
  2. 触覚技術がもたらすものは何か?
  3. Immersion Corporation:特許保有状況
    • 1993年の設立以来2500件超 (登録&出願中)
  4. Immersion Corporation:事業展開の進め方
**「イノベーション⇒認知⇒収益化⇒普及」のサイクル
  1. Immersion Corporation:ライセンス状況
    • モバイル
    • ウェアラブル
    • ゲーム
    • 自動車
    • VR/AR
  2. Immersion Corporation:VR/ARへの取り組み
    • VRへの布石、成長するAR市場への取り組み
  3. Immersion Corporation:競合技術も登場
    • 超音波を利用する触覚・触感インタフェースの台頭
  4. まとめ
    • Immersion Corporationに学ぶ:企業成長戦略/知的財産戦略
    • 質疑応答

講師

  • 鳴海 拓志
    東京大学 大学院 情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻
    講師
  • 橋口 哲志
    立命館大学 情報理工学部 メディア情報学科
    特任助教
  • 菅田 正夫
    知財コンサルタント&アナリスト

会場

芝エクセレントビル KCDホール
東京都 港区 浜松町二丁目1番13号 芝エクセレントビル
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主催

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