赤外分光法は、常温大気圧下の環境で、分析時間も短く、基本的に物質の形態に依存せず分析が可能であるため、有機分析のポピュラーな分析法として利用されている。本講演においては、赤外分光の基本原理から 分析パラメータの設定手順、 数多く市販されているアクセサリの選択、試料のサンプリング、スペクトルの読み方について 解りやすく解説する。

1. 原理
   1. 赤外光と分子振動
   2. 分子の構造 ～固有振動数～
   3. ピーク強度
2. 赤外スペクトルの読み方
   1. 赤外スペクトル (ピークは対でおぼえる)
   2. 官能基と特性波数
   3. 異物スペクトルの解析のコツ～代表的なポリマーのスペクトル～
3. FT-IRの構造
   1. 基本的な構造
   2. 干渉計 (光の干渉とフーリエ変換による分光)
   3. パラメータの設定～分解能・積算回数・検出器の選択・波数範囲～
4. 測定手法
   1. 透過法～フィルム・液体・ガス・飽和・フリンジ・ベースラインの歪み～
   2. 反射法 (透過反射と正反射)
   3. TR法 (多重反射型と一回反射型、ATR補正)
   4. 拡散反射法 (粉末:K-K変換、加熱チャンバー)
   5. 高感度反射法 (金属上薄膜)
5. 測定
   1. 試料の前処理とサンプリング
   2. 混合物の定性
   3. ライブラリ検索のコツ
6. ラマン分光法
   1. 原理 (ラマン分光の基礎、赤外分光とラマン分光)
   2. ラマン装置の構造 ～基本的な構造、パラメータの設定～
   3. 測定 ～蛍光の対策・レーザによる試料変性の対策・深さ分析～
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