コース1 晶析操作基礎編
	(2013年10月23日 10:30~16:30)
	 晶析操作は現象が複雑で、製造現場での経験が唯一、品質制御の近道と考えられていた。しかし、最近では装置内現象がかなり分かってきており、詳細な品質制御が可能になってきている。しかし、過飽和の理解など、結晶化現象の基礎が身に付いていなければ、製品純度、粒径分布、形状、結晶多形に関わる問題は解決できない。
 そこで、このセミナーでは、基礎データの取得方法から、結晶化現象の解析方法、そして結晶品質の作り込み戦略までを紹介しながら、どうやれば結晶品質を改善できるのか、そしてその本質は何なのかを解説する。普段有機合成を専門に研究している研究技術者には結晶作りの「コツ」を、そして普段から晶析操作に関わっている研究技術者には品質をめぐる「ナゼ」に答えたい。
	
		- 結晶化現象と晶析操作
	
		- 結晶品質に関するトラブル事例
 
		- 有機合成と晶析との接点
 
		- 晶析操作の目的と原理
 
	
 
		- 結晶化現象の解析とその速度論
 - 結晶化現象を整理するためのデータの取得法を理解する – 	
		- 結晶が成長するとはどういうことか
 
		- 結晶化の推進力と固液平衡
 
		- 核発生と成長速度論
 
		- 結晶粒子群品質
 
		- DSCデータから何を読み取るか
 
		- XRDデータから何を読み取るか
 
		- 事例と演習で理解する結晶化の推進力
 
	
 
		- 結晶化現象のメカニズムとその制御
 - 結晶品質に関わる具体的問題解決アプローチを理解する – 	
		- 結晶品質に関するトラブル事例
 
		- 結晶多形変化
 
		- 結晶形態変化に及ぼす操作因子
 
		- 結晶粒径分布の考え方
 
		- 結晶純度が決まるメカニズム
 
		- オイルアウト現象のメカニズムとその回避法
 
		- 演習で理解する結晶品質の制御
 
	
 
		- 晶析の操作設計と品質のつくり込み
 - 結晶品質を作り込むための戦略を理解する – 	
		- 晶析操作の基本戦略
 
		- 冷却温度プログラム設計
 
		- 非 (貧) 溶媒添加晶析での操作戦略
 
		- スケールアップの留意事項
 
	
 
		- 最新トピックス紹介
 - 最先端のラボで使われている技術紹介 –  
		- まとめ
 
	
	
	コース2 実験検討・工夫編
	(2013年10月25日 10:30~16:20)
	第1部 結晶多形制御・実験検討の工夫 :滴下晶析、30%晶析法など
	(2013年10月25日 10:30〜13:00)
 
 スケールアップトラブルはラボ実験と違う条件で反応、処理を行うことで起きる。反応のことが多いが、晶析もトラブルが多い操作である。ただ、晶析の場合ラボトラブルがほとんどで1目見てできないのをスケールアップしていることが多い。第1部では、良い結晶を出す実験方法と結晶多形をコントロールして企業化した例を示す。晶析方法は私の開発した滴下晶析法と30%晶析法を使用するとできない晶析はないと思っている。
	
		- 論文の化学では製造研究はできない
	
		- 実験精度がよく、実験条件の幅が広くないといけない (理論にならない)
 
		- 経済性を技術の評価基準としてない。製造研究では安いのが良い技術なのである
 
		- 学校の実験を忘れないさいと言っている
 
		- 文化の問題である、人の頭の中を変えるのが1番難しい。
 
	
 
		- 滴下晶析法
	
		- 結晶多形をコントロールする為に開発した技術
 
		- これで企業化している
 
		- 応用すると難濾過性化合物に非常に有用である
 
		- スケールアップに強い
 
	
 
		- 30%晶析法
	
		- 多溶媒系での晶析は非常に濾過性が悪いことが多いが改良出来る
 
		- 粒度コントロールが容易→非常に有用
 
		- 結晶多形のコントロールも可能である
 
		- 濾過性を良くなる。安全面でも非常に大切
 
	
 
		- 製造プロセスに濾過工程は好ましくない
	
		- 生産性が悪くなる
 
		- 製品価格が跳ね上がる
 
		- 特にGMPでは安全性に問題が多い。爆発の可能性が高い。
 爆発限界に入っている、引火点以上、着火源 (静電気) がある、以上3点があれば爆発する可能性がある
 
		- 濾過乾燥機を使用しないと可能性を防げない。
 
	
 
		- 普通の濾過で問題ないことも多いが、どうにもならない時もある。そんな時滴下晶析か30%晶析法を使用すればできない晶析はない!
 
	
	
	第2部 結晶多形制御・実験検討の工夫 :温度・攪拌・操作過飽和度など
	(2013年10月25日 13:45〜16:20)
	 結晶形を制御することは化合物の物理的化学的性質を変化させることであり,これにより新たな価値を製品に附与することができる。そのような意味で、結晶形制御は極めて重要な研究課題である。今回、製造が困難である不安定結晶、準安定形結晶の製造、及び不要な結晶形の混入防止について紹介すると共に、多形の挙動を利用した分離方法、結晶形状のコントロールについても紹介する。
	
		- 不安定形の製造 (溶媒媒介転移の制御)
	
		- 多形の物性・定量方法
 
		- 溶媒媒介転移に及ぼす操作因子の影響
 
		- 速度論的解析に基づく晶析条件の設定
 
		- スケールアップ実験結果
 
	
 
		- 安定形,準安定形,不安定形から準安定形の製造
	
		- 多形の物性・定量方法
 
		- 準安定形析出領域の特定
 
		- 準安定形の安定形への転移抑制
 
		- 速度論的解析に基づく晶析条件の設定
 
		- スケールアップ実験結果
 
	
 
		- 冷却中に析出する不安定形の混入防止
	
		- 多形の物性
 
		- 不安定形析出領域の特定
 
		- 不安定形析出に及ぼす操作因子の影響
 
		- 晶析条件の設定
 
		- スケールアップ実験結果
 
	
 
		- 多形の性質を利用した芳香族位置異性体の分離
	
		- 不要なp-異性体の析出抑制法
 
		- m-異性体の析出挙動
 
		- 晶析条件の設定
 
		- スケールアップ実験結果
 
	
 
		- 転移速度を利用した結晶形状の制御
	
		- 多形の物性・定量方法
 
		- 転移速度と結晶形状
 
		- 晶析条件の設定
 
		- スケールアップ実験結果