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バイオマテリアルの研究開発動向と今後の展開

バイオマテリアルの研究開発動向と今後の展開

~金属系、セラミックス系、高分子系生体適合性材料の現状とこれから~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2013年7月17日(水) 11時00分 16時30分

プログラム

第1部 金属系バイオマテリアルに求められる特性と生体機能化技術動向

(2013年7月17日 11:00〜12:30)

(独) 産業技術総合研究所 ヒューマンライフテクノロジー研究部門 高機能生体材料グループ 岡崎 義光 氏

 超高齢化社会の到来に伴い、体内に整形インプラント (骨接合材料および人工関節等) を埋入する手術は、ますます増加する傾向にある。整形インプラント製品の大部分が海外からの輸入品でまかなわれており、使用量の増加と医療技術の進歩により必ずしも患者の骨格構造と症例に満足できるものではない。
 本セミナーでは、整形インプラント分野で使用量が最も多い金属系バイオマテリアルに求められる特性と薬事製造承認申請上必要となる基礎を、医薬品医療機器総合機構 (PMDA) での審査経験および最近の審査動向を踏まえて、工学的な視点からわかりやすく解説する。
 特に、新たな企業が整形インプラント製品の開発に参入する場合に効率的な参入を可能とする考え方、薬事申請のポイント、必要となる試験データの取得方法などを中心に解説する。

  1. 背景および新規参入に役立つ薬事法のポイント
    1. 高齢化社会の到来と整形インプラントの市況規模
    2. 薬事法の役割と薬事法における医療機器の位置づけ
    3. 医療機器の薬事法上の分類と薬事審査の目的
    4. インプラントを製造販売するために必要となる事項
    5. 早期薬事製造承認の取得に向けた留意点
    6. 薬事製造承認申請書の効率的な記載方法と記載のポイント
    7. 薬事戦略相談の効率的な活用方法
  2. 金属系生体材料の種類および材料動
    1. 金属系生体材料の種類および使用量の多い材料の動向
    2. 薬事製造承認申請を取得するために必要となる金属系生体材料の評価方法
    3. 生物学的安全性試験の効率的な選択方法について
    4. 各種インプラント製品の種類と使用されている材料
    5. 各種インプラント製品を用いた試験方法の詳細な解説
  3. 薬事製造承認申請の取得のためのポイントおよび規格の活用方法
    1. 金属系生体材料の製造方法および購入方法
    2. 各種整形インプラントの評価の現状と審査基準の活用方法および試験選択の考え方について
    3. 患者に最適な各種整形インプラントの薬事審査基準の最新動向
    4. 患者に最適な製品開発上のポイントおよび規格の活用方法
    5. アジア市場への参入に関して
    6. 経済産業省の医療の国際化事業の取り組みについての最新動向
    7. 新規参入および早期薬事認可取得に向けたまとめ

  • 質疑応答

第2部 バイオセラミックスと高機能化に向けた試み

(2013年7月17日 13:20〜14:50)

大阪府立大学 大学院 工学研究科 物質化学専攻マテリアル 教授 中平 敦 氏

 バイオセラミックスは、硬組織代替材料の一つであり、主に関節部位の置換部材および骨充填剤などとして利用されている。水酸アパタイトやリン酸カルシウム系のバイオセラミックスは、優れた生体親和性と高い生体活性を有するため、骨充填剤などに用いられる。
 また、アルミナやジルコニアなどのバイオセラミックスは、機械的特性や摺動特性に優れるため関節部位でのインプラント部材として有用である。
 また、金属インプラントの表面へのバイオセラミックスコーティングにもこれら材料は用いられており、ハイブリッド化される。
 本講演では、種々の有用なバイオセラミックスの微細構造と各種特性について概説し、それをベースに高機能化に向けての試みについて述べる。

  1. イントロダクション:セラミックスについて
  2. バイオセラミックス
    1. 歯や骨
    2. リン酸カルシウムについて
    3. アパタイトとその高機能化
    4. 微細構造・組織制御
  3. 関節代替用インプラント
    1. バイオセラミックス材料
    2. ハイブリッド化
  4. まとめ

  • 質疑応答

第3部 高分子系バイオマテリアルの研究開発動向 ~生体高分子や高分子自己組織化体を組み込んだハイブリッド型材料の開発を中心に~

(2013年7月17日 15:00〜16:30)

東京農工大学 大学院 工学研究院 准教授 村上 義彦 先生

 近年、バイオマテリアル (生体材料) としての応用を目指した機能性合成高分子の開発が盛んになっている。合成高分子の最大の特徴は、原料となるモノマーの種類やその重合度を自在に変えることによって、さまざまな特性を兼ね備えた材料の素材になることである。
 本講演では、ハイブリッド型のバイオマテリアルの開発例を中心に、外科領域や薬物治療領域での利用を目指したバイオマテリアルについて概説する。

  1. さまざまな高分子系バイオマテリアル
    1. 合成高分子系バイオマテリアル
    2. 生体高分子系バイオマテリアル
    3. 合成か生体か? ~ 意外と誤解されている材料デザインのポイント ~
  2. さまざまなバイオマテリアルの開発
    1. 「組織接着性」を実現するためのアプローチ
    2. 組織接着性バイオマテリアルの現状
    3. 組織接着性バイオマテリアルのデザイン方法
    4. 組織接着性バイオマテリアルの機能評価
    5. 「表面機能性」を付与するためのアプローチ
    6. 表面機能性バイオマテリアルの現状
    7. 表面機能性バイオマテリアルのデザイン方法
    8. 表面機能性バイオマテリアルの機能評価
    9. 「物質徐放性」を制御するためのアプローチ
    10. 物質徐放性バイオマテリアルの現状
    11. 物質徐放性バイオマテリアルのデザイン方法
    12. 物質徐放性バイオマテリアルの機能評価
  3. まとめ

  • 質疑応答

講師

  • 岡崎 義光
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 健康工学研究部門 生体材料研究グループ
    上級主任研究員
  • 中平 敦
    大阪府立大学 大学院 工学研究科 物質化学専攻マテリアル
    教授
  • 村上 義彦
    東京農工大学 大学院 工学研究院
    准教授

会場

連合会館

5階 502会議室

東京都 千代田区 神田駿河台三丁目2-11
連合会館の地図

主催

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