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グラフェン研究開発の海外情勢と物性 / 合成 / 素子応用

グラフェン研究開発の海外情勢と物性 / 合成 / 素子応用

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、物性理論からその合成法と素子への応用例まで解説いたします。
講師が自身の研究と、各々に見るグラフェン研究開発の世界動向についても言及いたします。

開催日

  • 2012年5月30日(水) 10時30分 16時15分

受講対象者

  • ナノテクノロジーに関連する技術者
    • ナノテク素材を扱う素材メーカーの技術者
    • エレクトロニクス材料メーカーの技術者、研究者
    • ナノテク素材の応用を考えている企業の研究企画マネージャー開発担当者
  • グラフェンの応用に関連する技術者
    • 太陽電池
    • 透明導電膜
    • キャパシタ
    • トランジスタ

修得知識

  • グラフェンの基礎
  • グラフェンの合成
  • グラフェンの応用
  • グラフェンの技術動向

プログラム

第1部 世界の研究動向から見る、グラフェン物性と最近の理論的発展

(2012年5月30日 10:30~12:00)

 グラフェンは炭素原子が蜂の巣格子状に並んだ純粋な2次元結晶であり、近年その研究が世界的規模で行われている。グラフェンの持つ数々の特異な電子物性は、伝導帯と価電子帯がエネルギーギャップ無しに接した特殊なバンド構造によって説明される。
 この構造は質量のない相対論的粒子と等価であり、あたかも光のように決して止まらないという著しい性質を持つ。この講演ではグラフェンや関連する炭素系新物質の特異な電子的特性について、世界的な研究動向をふまえながら解説する。

  1. グラフェンの発見
  2. グラフェンの電子構造
    1. 相対論的電子構造とその由来
    2. 磁場中のランダウ準位構造
    3. エッジ状態と平坦バンド
  3. グラフェンにおける電気伝導
    1. グラフェンは金属か?半導体か?
    2. グラフェンと局在効果
  4. グラフェンの磁場効果
    1. 量子ホール効果
    2. 巨大反磁性
  5. グラフェンにおける光吸収
  6. 様々な関連物質
    1. 積層グラフェン – 多様なバンド構造と物性
    2. カーボンナノチューブ
    3. トポロジカル絶縁体
    • 質疑応答・名刺交換
      第2部 グラフェンの合成・今後の展望と、海外研究事情

(2012年5月30日 13:00~14:30)

 CVDによるグラフェンの合成法が開発され、透明導電膜としてのグラフェンの工業応用の検討が進められている。
 本講演では、グラフェン合成法の現状をレビューし、透明導電膜としての可能性、問題点、今後の課題について議論する。
 さらに、グラフェン研究開発の海外の動向について紹介する。

  1. グラフェンの概観
  2. グラフェンの形成法
    1. 剥離などによるグラフェンの形成
    2. 熱CVDによるグラフェンの形成
    3. 酸化グラフェンの還元によるグラフェンの形成
  3. プラズマCVDによるグラフェンのCVD合成
    1. プラズマCVDによるナノ炭素材料合成
    2. 表面波励起マイクロ波プラズマCVD
    3. 表面波励起マイクロ波プラズマCVDによるグラフェンの合成
    4. プラズマCVDで合成したグラフェンによる透明導電膜
    5. ロールTOロール連続合成の試み
  4. グラフェン透明導電膜の課題と今後の展開
    1. 他の新規透明導電膜材料との比較
    2. グラフェンの課題と今後の展開
  5. 海外のグラフェン研究開発動向
    • 質疑応答・名刺交換

第3部 グラフェンの特異な物性現象とその次世代素子応用、及び世界の研究開発動静

~環境に優しい炭素磁石の実現~
(2012年5月30日 14:45~16:15)

 2004年にマンチェスター大学グループによるセロテープを用いた驚くほど簡易な作成方法が発見されて以来、炭素単原子層「グラフェン」の爆発的研究が進み、2010年には早くもノーベル物理学賞受賞に至った。
 本講演ではその興味深い物性現象と次世代素子応用例を紹介する。特にグラフェンの端の特異な原子配列がもたらすユニークな現象として、すべての電子のスピン (自転) が同一方向に揃って発生する強磁性と、その希少元素フリーで環境に優しい超軽量透明フレキシブル磁石への応用、また次世代スピントロニクス素子への期待を解説する。
 磁性元素を含まない、炭素原子のみからなる材料にも拘わらずスピンに関する現象が取り扱えるのは極めて興味深い。

  1. グラフェンの物性現象と素子応用例
    • 超高速電子移動度とTHz動作素子応用
    • 半整数量子ホール効果
    • 透明導電膜
    • フレキシブル回路
  2. グラフェンエッジ (端) が創出する物性: 環境に優しいグラフェン磁石
    1. エッジの原子配列と物性現象
      1. Arm chair型エッジとバンドギャップ
      2. Zigzag型エッジと平坦バンド、局在偏極スピン、磁性
    2. リソグラフィを用いないエッジの創製方法と物性
      1. カーボンナノチューブを自然開口して創るグラフェンナノリボン (一次元短冊状物質) とエネルギーバンドギャップの発生
      2. 多孔質アルミナテンプレートで創るグラフェンナノ細孔アレイと磁性の発現、希少元素フリーの超軽量透明フレキシブル磁石の実現
  3. 次世代スピン素子への応用
    • スピン整流素子
    • スピンホール効果
    • 炭素磁性 (スピン) トランジスタ など
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 越野 幹人
    東北大学 大学院 理学研究科 物理学専攻 准教授 博士 (理学)
  • 長谷川 雅考
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 ナノ材料研究部門 炭素系薄膜材料グループ
    研究グループ長
  • 春山 純志
    青山学院大学 大学院 理工学研究科 機能物質創成コース 准教授 博士 (工学)

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5F 第3講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 47,250円 (税込)
複数名
: 38,000円 (税別) / 39,900円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名で参加の場合、1名につき 7,350円割引
  • 3名で参加の場合、1名につき 10,500円割引 (同一法人に限ります)
本セミナーは終了いたしました。