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ポーラス金属の作製技術とその特性および応用展開

ポーラス金属の作製技術とその特性および応用展開

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、内部に気孔を持ち、一般の金属材料とは異なる多彩な特性を持つ材料、ポーラス金属について基礎から解説いたします。
種々の作製方法と気孔制御および特性評価・工業材料としての応用分野について、4名の研究者が解説いたします。

開催日

  • 2012年5月28日(月) 10時20分 16時40分

受講対象者

  • ポーラス金属の応用分野に関連する技術者
    • 自動車
    • 航空機
    • 電子機器
    • 各種機械部品
    • 医療材料など
  • ポーラス金属を活用したい技術者
    • 軽量化
    • 防音・静音
    • 防振・制振
    • 伝熱促進、冷却促進
    • 衝撃吸収
    • 高比剛性 など

修得知識

  • ポーラス金属の基礎
  • ポーラス金属の作製方法
  • ポーラス金属の気孔制御
  • ポーラス金属の特性評価
  • ポーラス金属の応用

プログラム

第1部 プリカーサ法を用いたポーラス金属の作製プロセスと気孔形態の制御技術

(2012年5月28日 10:20~11:40)

 内部に多量のガス (気孔) を含むポーラス金属は、超軽量 (比重<1.0) 、高比剛性 (曲げ) 、吸音特性、振動吸収能、高衝撃エネルギー吸収能などの特徴を有する。
 その特徴は、気孔の形状や量により、大きく変化する。
 ポーラス金属の製法は様々であり、固相を利用する方法、液相を利用する方法、化学反応を利用する方法など多岐に渡っている。
 今回、様々なポーラス金属の製造方法と、それにより製造されるポーラス構造の特徴及びそれらの性質について紹介する。
 また、化学反応を利用した自己発熱により高融点化合物や、その複合材料を発泡させる「反応プリカーサ法」について紹介する。

  1. はじめに
    1. ポーラス金属の魅力
    2. ポーラス金属の構造と特徴
  2. ポーラス金属の製造方法
    1. 溶湯発泡法
    2. 溶湯ガス注入法
    3. プリカーサ法 (粉末法)
    4. インベストメント鋳造法
    5. スペーサー法
    6. スラリー発泡法
    7. 繊維焼結法
    8. 一方向凝固法
    9. 反応プリカーサ法
  3. プリカーサ法によるポーラス金属の製造プロセス
    1. プリカーサ法によるポーラスアルミニウム発泡挙動
    2. プリカーサ法によるポーラスマグネシウムの発泡挙動
    3. プリカーサ法による中空型内での発泡・充填挙動
  4. 反応プリカーサ法によるポーラス高融点化合物の製造プロセス
    1. 反応プリカーサ法の原理
    2. クローズドセル型気孔の気孔率向上のための発熱助剤添加の効果
    3. オープンセル型気孔の気孔径制御のための吸熱助剤添加の効果
    4. 中空部材内部への充填技術
    5. マイクロ波を利用した発泡プロセス
  5. 今後の展望
    • 質疑応答

第2部 ポーラス金属の力学的特性評価と用途展望

(2012年5月28日 12:20~13:40)

 相対密度0.3以下のポーラス金属、特に発泡アルミニウムや中空金属球 (Metallic Hollow Sphere:MHS) 成形体などのクローズドセルのものは、軽量、かつ高剛性で良好な衝撃エネルギー吸収性を有することから自動車の軽量化部材への適用可能性が検討されている。各種部材への適用のため実施したポーラス材およびサンドイッチ材の圧縮、引張り、曲げ試験の結果について説明する。
 圧縮試験については、機械的特性の標準化委員会により、静的のみならず、動的な圧縮試験も実施しており、現在、両圧縮試験方法の国内、国際標準化を進めている。試験方法について、注意すべき点などについても説明する。ポーラス金属の変形挙動解析も実施されており、その動向についても説明する。

  1. はじめに
    1. 対象とするポーラス材の製造法とセル構造
    2. ポーラス材の機械的特性の概要と自動車への適用箇所
  2. ポーラス金属の圧縮特性
    1. JISおよびISOに基づいた圧縮試験法
    2. 静的圧縮性能
    3. 動的圧縮性能
  3. ポーラス金属の引張りおよび曲げ特性
    1. 引張り性能
    2. 曲げ性能 (3点曲げ)
    3. サンドイッチ材の曲げ性能 (3点曲げ)
  4. ポーラス金属の変形挙動解析
    1. 材料構成式概要
    2. 圧縮変形挙動解析
    3. 曲げ変形挙動解析
    • 質疑応答

第3部 ロータス型ポーラス金属の作製プロセスと物性評価および用途展望

(2012年5月28日 13:50~15:10)

 一方向性気孔を有するマクロポーラス金属 (ロータス金属) は気孔の成長方向に応力集中が起こらないために優れた強度を持ち、軽量性、制振性、衝撃吸収性、放熱性等の特性を持つ材料として注目されている。
 本講演では、最近我々が開発した量産化を目指した連続鋳造法によるロータス金属の製法、ガス化合物の添加によるロータス金属の安全で簡便な製法や水素の拡散を精密に制御して作製した超軽量ロータスアルミニウム、さらにはヒートシンクや工作機械への応用例を紹介する。

  1. はじめに
  2. ロータス型ポーラス金属の製法
    1. 高圧ガス法によるロータス型ポーラス金属の作製
      • 鋳型鋳造法
      • 連続帯溶融法
      • 連続鋳造法
    2. ガス化合物の熱分解法によるロータス型ポーラス金属の作製
      • 鋳型鋳造法
      • 連続帯溶融法
      • 連続鋳造法
    3. 高気孔率ロータス型ポーラスアルミニウムの作製
  3. ロータス型ポーラス金属の強度、諸物性
    1. ロータス型ポーラス金属の引張強度
    2. ロータス型ポーラス金属の圧縮特性、衝撃吸収性
    3. ロータス型ポーラス金属の吸音特性
    4. その他の物性
  4. ロータス型ポーラス金属の応用開発
    1. ゴルフパター
    2. 工作機械
    3. ヒートシンク
    4. その他
    • 質疑応答

第4部 ナノ・マイクロポーラス金属の作製プロセスと物性評価および用途展望

(2012年5月28日 15:20~16:40)

 ポア構造を微細化することによって表面効果が顕在化し、これまでにない特異な物性が発現することが期待される。
 本講演では、マイクロポーラス金属とナノポーラス金属の作製法および材料物性、用途について概説する。
 スペーサー法によって作製されたマイクロポーラス金属は、ポーラス薄板としての用途や吸音材や振動吸収材として有望である。
 また、ナノポーラス金属は脱合金化法によって比較的簡便に製造することができ、触媒や小型アクチュエーター等多種多様な用途が期待される。

  1. 背景
    1. マイクロポーラス金属とは
    2. ナノポーラス金属とは
  2. マイクロポーラス金属の製造方法
    1. スペーサー法
    2. 孔径制御
    3. 薄板
  3. マイクロポーラス金属の特性と用途
    1. 力学特性
    2. 吸音性
    3. 電気伝導性
    4. 振動吸収性
    5. 応用
  4. ナノポーラス金属の製造方法
    1. 脱合金化法
    2. 孔径制御
  5. ナノポーラス金属の特性と用途
    1. 力学特性
    2. 磁性
    3. 水素吸蔵
    4. アクチュエーター
    5. 触媒
    6. 応用
    • 質疑応答

講師

  • 小橋 眞
    名古屋大学 大学院 工学研究科 マテリアル理工学専攻
    教授
  • 吉村 英徳
    香川大学 工学部 知能機械システム工学科 造形工学
    准教授
  • 中嶋 英雄
    大阪大学 産業科学研究所 (兼) 大阪大学 科学教育機器 リノベーションセンター長
  • 馬渕 守
    京都大学 大学院 エネルギー科学研究科 教授

会場

大田区産業プラザ PiO

6F C会議室

東京都 大田区 南蒲田1-20-20
大田区産業プラザ PiOの地図

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 52,500円 (税込)
複数名
: 43,000円 (税別) / 45,150円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名で参加の場合、1名につき 7,350円割引
  • 3名で参加の場合、1名につき 10,500円割引 (同一法人に限ります)
本セミナーは終了いたしました。