技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー
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本書籍は、緑色半導体レーザーをはじめ、白色を実現するレーザー技術を初解説しております。
基礎から網羅的に解説しておりますので、ディスプレイ、医療、通信、計測などレーザの開発者、初心者から専門家まで、すべての方にお勧めします。
(掲載内容の理解に是非ご一読ください)
白色レーザーがテーマである。読者の中には、レーザーはスペクトルが単色なのでコヒーレントになり、紫から赤まで広がったスペクトルをもつ光ではコヒーレンスを持ったレーザー光などあり得ないのでは、と思われる方もいるだろう。レーザーが発明された直後では、互いに矛盾する概念に見えたレーザーと白色光を結びつける白色レーザーは、従来とは異なった応用が期待できる新しいレーザーの分野である。
身の回りに目を転じると、白色LEDで懐中電灯が代替されつつある現代である。レーザー光を蛍光体に当てて、強力な白い光ができれば便利だと感じる方もいるだろう。さらには、愛知万博などで展示されたレーザープロジェクターでは、現在の薄型テレビよりもさらに鮮明な色再現が可能で、どんな色でも再現できるレーザーこそ白色レーザーそのものだ、という考えもある。レーザーの発展の中で、光の発生から利用まで、様々な分野でレーザー技術を使って白色光を発生することが進んでいる。単色性を特徴としたレーザーから、幅広い連続スペクトルを特徴とした白色レーザーを実現するには、単純なレーザー発振器だけではなく、必要な条件を可能にする原子のエネルギー準位や非線形光学素子による波長変換、波長領域の拡大が重要となる。今回は、最先端の分野で活躍されている研究者の方々にお願いして、白色レーザーの現状とその特長、さらに発展方向について執筆を頂いた。
最初に、“色“についての考察をお願いした。赤 (Red) 緑 (Green) 青 (Blue) などは光の3原色であり、それらを組み合わせれば、どのような色も再現できる。しかし、我々の目からすれば黄色 (Yellow) の光が、単色の黄色い光か、それとも3原色を組み合わせて黄色く見えている光かを区別することはできない。白色光レーザーが単純な光源だけを議論するべき対象でないことをお伝えしたい。
RGBの3原色を発生するレーザーを組み合わせて、白色光レーザーとしたり、自然に忠実な色を再生する研究は、多用な手段を通じて実用化に向けて前進している。最初に一つのレーザー発振器からRGB3原色を同時に発振したのは、He-Cdレーザーという気体レーザーであった。レーザーの世界に最初に色を持ち込んだのは色素レーザーである。その使いにくさを、フィルム化、導波路形成など集積技術によって克服する研究が進んでいる。最近では、固体レーザーによるRGB光源の開発が盛んである。その背景には、疑似位相整合非線形波長変換の技術の大きな進歩がある。自然界には存在しない規則的ドメイン反転を作り込んだ非線形光学素子は、高効率な高調波発生、和周波発生の両者に最適条件を与えるスーパー格子デバイスに発展している。同時に、結晶特性を詳細に研究、活用すれば、人工結晶からRGB光源を生み出すことも夢ではない。
半導体レーザー光を光源として、RGB光に変換すれば、ただちにレーザーディスプレイが家庭に入る時代を生み出すと予想される。その方向に向かった研究も活発化しており、中でも新しい方式の表面発光型半導体レーザーの進歩は注目される。青色半導体レーザーの成功によって、緑色半導体レーザーへの期待が高まっている。最新のナノコラム結晶技術など、最先端半導体レーザー技術についても紹介をお願いした。
超短パルスレーザーによる高強度光電界は、強い光電界の印加によって物質の非線形性を引き出し、効率的な連続スペクトル白色光を生み出す。自己位相変調効果などによって生み出される白色光は、超短パルスレーザー光の電界により駆動されているので、たとえ周波数は広帯域に分布していても、隣り合う周波数成分の位相の変化は連続的で光のコヒーレントな性質を保っている。このような広帯域光の位相補正を行えば、超短パルス発生が可能となる。非線形結晶内の超広帯域光増幅とパルス圧縮は、数フェムト秒という極限パルス発生をも可能にしており、幅広いスペクトルと優れたコヒーレンスの両立を証明している。
屈折率分散を設計・制御可能なフォトニック結晶ファイバーからは、オクターブを越えるスペクトル広がりを持つコヒーレント白色光の発生も可能となる。周波数安定化レーザーが単一周波数連続発振レーザーであった時代は終わり、超広帯域の白色光による光コムを発生すれば、超高精度科学計測に新しい時代が生まれることも紹介する。
多忙な研究・教育の日々にもかかわらず、本書の意義を理解いただき、最先端の研究成果を分かりやすく解説いただいた執筆陣の皆様に感謝を捧げるとともに、本書がお伝えする情報が読者諸氏の活動にお役に立つことを祈るものである。
開始日時 | 会場 | 開催方法 | |
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2025/4/22 | レーザ溶接・接合のメカニズム・トラブル防止策と最新の技術動向 | オンライン |
発行年月 | |
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2014/10/8 | レーザ溶接の基礎と溶接欠陥の防止策および異材接合への展開 |
2013/9/25 | 半導体レーザ 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版) |
2013/9/25 | 半導体レーザ 技術開発実態分析調査報告書 |
2004/3/30 | 光ピックアップ技術 |
1988/8/1 | 光学部品の選び方使い方 |
1986/11/1 | 最新光学ヘッドの設計と組立て・評価技術 |