技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

注射剤・錠剤における外観目視検査と回収要否判断

注射剤・錠剤における外観目視検査と回収要否判断

~医療機関が求める外観品質基準と不溶性微粒子 / 打錠障害防止~
注射剤・錠剤における外観目視検査と回収要否判断の画像

概要

本書は、注射剤・錠剤における外観検査工程基準、防止法 (異物混入、打錠障害) から回収判断、クレーム対応まですべてを網羅した一冊です。

ご案内

  • 2022年6月15日: 好評につき完売いたしました。
  • 外観検査工程基準、防止法 (異物混入、打錠障害) から回収判断、クレーム対応まですべてを網羅した充実の内容
  • 蛋白製剤独特の不溶物に関して理解・検証・説明ができる
  • 医療機関が求める注射剤の外観品質と不溶性微粒子の対応方法とは
  • どうしても残ってしまう不溶性微粒子の限界値設定でお悩みの方
  • 打錠障害 (キャッピング/スティッキング等) でお悩みの方
  • 注射剤・錠剤それぞれにおける目視検査員教育方法は?
  • 蛋白製剤独特の不溶物に関して理解・検証・説明ができる
  • いざというときに回収要否判断でお悩みの経験がある方向け
    ~国内の回収事例と海外の回収事例からみる要否判断~

本文抜粋

(第2章 抜粋)
外観検査の必要性から、その進め方、検査員の教育・認定、検査で得られたデータの活用、製造工程改善、製造環境改善のための調査手法、自動検査機の導入の考え方から運用時のチェックポイントまで広範にまとめた。…管理者は、検査結果のフィードバックによりどれだけコスト低減でき、会社に貢献できたかを検査員に伝えるべきで、これがモチベーションの維持、向上となり、結果として製品の品質向上につながるものと確信する。

(第7章 抜粋)
回収の際、品質保証部の人からあわただしく、どう動けばいいかわからないと言ったような相談を受けることがある。品質保証部の方が常に心に留めておかなければならないクレーム対応や回収要非判断について考えてみたい。…法令遵守はもとより、きれいごとではすまない現実に目を向け、いかに品質を向上させるか、監査の観点、グローバルの観点から顧客満足度の高い製品品質向上のシステム、心のありようについて考え、万一の場合の対処と防護についても考えてみたい。

目次

第1章 注射剤における不溶性異物/微粒子への対応と考え方

  • はじめに
  • 1. 注射剤の不溶性異物/微粒子の検査法について
    • 1.1 不溶性異物/微粒子の試験法について
    • 1.2 異物と微粒子の違いについて
    • 1.3 「外来性とは?」
    • 1.4 肉眼で確認できる意義について
  • 2 検査法の適用範囲と考え方
    • 2.1 製品化前/後による判断基準
    • 2.2 処方検討
    • 2.3 工程上/製造上の問題
  • 3 注射剤の不溶性物質の発生原因について
  • 4 不溶物発生時の対処法について
  • 5 蛋白様不溶物の取り扱いについて
  • 6 その他の注意すべき点

第2章 注射剤における目視検査と外観品質基準決定

  • 1. 注射剤の種類と外観検査対象物
  • 2. 外観検査が必要な工程
  • 3. 外観検査方法の設定と注意点
    • 3.1 原料
    • 3.2 資材
    • 3.3 中間工程品
    • 3.4 製剤
    • 3.5 1次包装品
    • 3.6 最終製品
  • 4. 外観品質基準
    • 4.1 検査項目,検査基準の設定
    • 4.2 注射剤の異物検査方法
    • 4.3 注射剤の外観品質基準の設定
    • 4.4 不良見本と限度見本の作製と利用
    • 4.5 検査作業手順書
  • 5. 検査員の教育訓練と資格認定
    • 5.1 認定制度
    • 5.2 レベル合わせ
  • 6. 外観検査結果の活用
    • 6.1 トレンド分析
    • 6.2 異物ライブラリ
  • 7. 自動検査機の導入
    • 7.1 自動検査機の進歩と種類
    • 7.2 異物検知の原理例
    • 7.3 目視検査との違い
    • 7.4 自動検査機の導入から運用開始まで
    • 7.5 実生産時の運用 (活用)
  • 8. 製造工程の改善
    • 8.1 検査手順書の見直し
  • おわりに

第3章 医療機関が求める注射剤の外観品質の限界値と異物防止法

~アンプル開封時と配合時における不溶性微粒子について~

  • はじめに
  • 1. アンプル開封時における不溶性微粒子混入
    • 1.1 ガラスアンプル開封後の静置時間の影響
    • 1.2 アンプル枝部のアルコール綿による清拭の影響
    • 1.3 アンプルの開封方法の影響
  • 2. バイアル製剤の穿刺時における不溶性微粒子混入
    • 2.1 穿刺方法の影響
    • 2.2 穿刺回数の影響
    • 2.3 注射針の影響
  • 3. 注射剤の配合変化における不溶性微粒子発現
    ~アミノフィリンとコハク酸プレドニゾロンナトリウム~
  • 4. 基礎的研究からみえてきた医療現場からの要望
    • 4.1 ガラスアンプルの形状変更
    • 4.2 プラスチック製医薬品容器への変更
  • おわりに

第4章 打錠障害 (キャッピング/ スティッキング/ バインディング) の抑制方法と対処法

  • はじめに
  • 1. キャッピングのメカニズムと抑制方法
  • 2. スティッキングのメカニズムと抑制方法
  • 3. バインディングのメカニズムと抑制方法
  • 4. 打錠障害の対処法
    • 4.1 外部滑沢打錠 (スティッキング,バインディング防止)
    • 4.2 表面処理杵・臼 (スティッキング,バインディング防止)
    • 4.3 医薬品添加剤
  • 5. 錠剤外観検査機
  • 6. 錠剤機の打錠障害のバリデーション項目
  • 7. 打錠技術の歴史 (武田薬品)
  • 8. 今後の将来展望

第5章 錠剤における目視検査と外観不良低減

  • はじめに
  • 1. 国内の苦情事例
  • 2. 医薬品の回収原因
  • 3. 異物に関する薬事法と回収等について
  • 4. 異物に関する日本薬局方
  • 5. 毛髪の混入防止管理
  • 6. 防虫管理
  • 7. 錠剤製造における異物混入の原因
    • 7.1 原料
    • 7.2 造粒
    • 7.3 乾燥
    • 7.4 整粒
    • 7.5 打錠
  • 8. 錠剤製造における異物混入の改善策
    • 8.1 原料
    • 8.2 造粒
    • 8.3 乾燥
    • 8.4 整粒
    • 8.5 打錠
  • 9. 異物の同定と混入経路の解明
    • 9.1 異物同定の手順
    • 9.2 異物の種類と混入経路
    • 9.3 過去に発生した異物混入の事例
    • 9.4 混入原因別の異物混入防止対策
  • 10. 打錠障害による外観不良
  • 11. キャッピングのメカニズムと改善方法
    • 11.1 キャッピング発生のメカニズム
    • 11.2 キャッピングの改善方法
  • 12. スティッキングのメカニズムと改善方法
    • 12.1 スティッキングの改善方法
    • 12.2 CCDカメラによるスティッキングの写真
  • 13. 錠剤製造における打錠障害による外観不良の原因
    • 13.1 原料
    • 13.2 造粒
    • 13.3 乾燥
    • 13.4 整粒
    • 13.5 打錠
  • 14. 錠剤製造における打錠障害による外観不良の改善策
    • 14.1 原料
    • 14.2 造粒
    • 14.3 乾燥
    • 14.4 整粒
    • 14.5 打錠
  • 15. 外観検査とは
  • 16. 不良錠の種類と発生原因
  • 17. 目視の問題点
  • 18. 錠剤検査機の問題点と改善法
  • 19. 外観検査
    • 19.1 製造工程で実施される外観検査
    • 19.2 各工程における検査方法
    • 19.3 各工程で実施される検査項目
    • 19.4 製剤の欠陥分類
    • 19.5 外観検査の標準化と限度見本の作成法
    • 19.6 検査方法:全数検査 (錠剤外観検査機) ,抜き取り検査
      • 19.6.1 全数検査
      • 19.6.2 抜き取り検査
    • 19.7 目視検査における検査員の教育訓練と認定
    • 19.8 検査結果の評価・解析
    • 19.9 検査結果のフィードバックと改善
  • 20. 品質管理の推移
  • 21. PATの最近の動向と具体的な実施例
  • 22. デザインスペース
  • 23. 品質リスクマネージメント (錠剤製造におけるPATおよびDSによる低リスク化)
  • おわりに

第6章 防虫,毛髪による異物混入対策事例

  • はじめに
  • 1. 防虫対策について
    • 1.1 防虫対策の困難さと必要性
    • 1.2 総合的な防虫管理システムとは (管理システムの概要)
      • 1.2.1 昆虫類の基礎知識 (工場内に侵入・繁殖する昆虫類の生態)
      • 1.2.2 基本的な防虫対策の考え方 (昆虫類に対する工場の「防御力」)
    • 1.3 総合的な有害生物管理システムの構築
      • 1.3.1 工場内で侵入・発生の危険性を評価する診断調査
      • 1.3.2 調査結果に基づく日常管理の決定
      • 1.3.3 必要な力量に見合う教育訓練
      • 1.3.4 システムの安定化に向けた検証の仕組み
  • 2. 毛髪混入防止対策について
    • 2.1 医薬品製造工場における毛髪混入対策の現状
    • 2.2 毛髪混入防止の総合的な予防管理システム
      • 2.2.1 毛髪管理の基礎知識を理解する
      • 2.2.2 診断調査に基づく現場のリスク管理評価
      • 2.2.3 原状回復の取り組みとシステムの要素を持った継続的向上
      • 2.2.4 再発防止・原因究明のための分析技術に関する基礎知識
  • まとめ

第7章 外観不良に起因するクレームへの対応と回収要否判断事例

  • はじめに
  • 1. 容器の記載事項についての法的要件
  • 2. クレーム対応の原則
    • 2.1 真摯な態度で事実に基づく科学的対応
    • 2.2 データベースの利用
  • 3. 原因の特定
    • 3.1 クレーム発生の状況確認・原因調査 (クレーム品の分析・再現実験)
    • 3.2 原因が製造・配送に起因する疑いがある場合 (参考品の調査・原因の特定)
    • 3.3 原因が配送後の要因による場合 (原因の推定)
  • 4. 回収要否判断
    • 4.1 回収しない場合の根拠と事実確認
    • 4.2 回収実施の場合の影響の範囲や程度の推定とクラス分け
  • 5. クレーム提供者への報告
  • 6. 基本の考え
    • 6.1 自動検査機を通過する不良品-自動検査機のバリデーションにおける留意点
    • 6.2 PTPバリデーションの項目
      • 6.2.1 自動検査機で除外された良品の扱い
    • 6.3 ヒューマンエラー
    • 6.4 信じて疑わないというシステムはダメ (TRUST but VERIFY)
    • 6.5 不満を放置すれば悪意を抱く
    • 6.6 倫理観の醸成
    • 6.7 医薬品の品質保証と危機管理
  • 7. 医療現場の要望に応える外観検査
  • 8. 海外製造委託の場合の留意点
    • 8.1 日本人のきれいずき (国民性) カルチャーのギャップ
    • 8.2 許容範囲の合理性
    • 8.3 外観検査のQA
  • 9. 委託製造の場合の目視検査員の教育
  • 10. 回収事例に学ぶ
    • 10.1 国内事例
      • 10.1.1 クラスⅠ
      • 10.1.2 クラスⅡ
      • 10.1.3 クラスⅢ
    • 10.2 海外の事例
  • おわりに

執筆者

  • 三浦 裕也 : 日本赤十字社 血漿分画センター
  • 槇野 正 : 京都薬品工業(株) 【元 武田薬品工業(株) 】
  • 河崎 陽一 : 岡山大学病院
  • 大音 稔 : イカリ消毒(株)
  • 阪本 光男 : 秋山錠剤(株) 【元 エーザイ(株) 】
  • 新井 一彦 : 日本ジェネリック (株)
  • 野村 章 : QAアドバイザー/コンサルタント

出版社

お支払い方法、返品の可否は、必ず注文前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本出版物に関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(出版社への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

体裁・ページ数

B5判 上製本 163ページ

ISBNコード

ISBN978-4-86428-027-3

発行年月

2011年11月

販売元

tech-seminar.jp

価格

52,250円 (税別) / 57,475円 (税込)

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/13 AI外観検査導入のための基礎と進め方・留意点 オンライン
2024/12/13 造粒・打錠工程の基礎知識およびスケールアップ方法・トラブル対応 オンライン
2024/12/16 製薬用水の製造法・品質管理・バリデーション方法の基礎、査察事例を踏まえた考察 オンライン
2024/12/16 試験検査室管理におけるOOS/OOT対応とサンプリング実施のポイント オンライン
2024/12/16 医薬品承認申請書のコンプライアンスとグレー部分への対応 オンライン
2024/12/16 ペプチド医薬品の疾患別事例からみる市場性およびペプチドの合成・分析のポイント オンライン
2024/12/17 省力化・効率化で実践するCSVへのヒント オンライン
2024/12/17 デスクトップで行う医薬品市場予測のスキルアップと精度向上 オンライン
2024/12/17 医薬品製造現場におけるコスト削減と少人数体制のQC/QA業務効率化 オンライン
2024/12/17 LNP (脂質ナノ粒子) 製剤における品質評価/製剤設計・品質管理・製造プロセスとDDS技術・動向 オンライン
2024/12/17 GMPが空調設備に求める交叉汚染防止要件とその管理 オンライン
2024/12/17 無菌製剤・再生医療等製品の工場における査察対応とGMP改善業務 オンライン
2024/12/17 再生医療を含めた国際共同治験の進め方と各ステージ毎における対応手法 オンライン
2024/12/17 PV業務においてグローバルSOPとローカルSOPをどう棲み分け、整合性を図るか オンライン
2024/12/18 GMP省令改正に対応した供給者管理の留意点 東京都 会場・オンライン
2024/12/18 滅菌製品および無菌医薬品における微生物試験の実務とバリデーションのポイント オンライン
2024/12/18 バリデーション入門講座 オンライン
2024/12/18 造粒・打錠工程の基礎知識およびスケールアップ方法・トラブル対応 オンライン
2024/12/18 ICH品質関連ガイダンス視点から考えるCTD-Q記載要求事項と効率的申請資料作成法 オンライン
2024/12/18 核酸医薬品の品質管理および分析・評価のポイント オンライン

関連する出版物

発行年月
2011/8/3 「回顧的バリデーション」および「リスクアセスメント」実施方法
2011/7/10 抗癌剤 技術開発実態分析調査報告書
2011/7/5 分析機器やLIMSのバリデーションとER/ES指針
2011/7/1 コンピュータバリデーション実施の手引き
2011/6/29 3極申請対応をふまえた不純物の規格設定と不純物プロファイル管理
2011/5/26 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション (中級編)
2011/5/25 超入門 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション
2011/4/20 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」対応実践講座
2011/1/28 3極GMP/局方における無菌性保証と査察対応
2011/1/25 供給者監査実施のノウハウと注意点
2010/12/1 「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」対応準備の手引き
2010/11/29 FDA Part11査察再開と欧州ANNEX11要求対応
2010/11/25 EDC適合性調査と医療機関事前対応
2010/8/20 3極GMP査察対応シリーズ
2010/5/27 CMCレギュレーションとドラッグマスターファイル(DMF)作成入門
2010/4/20 高血圧対応製品の研究開発動向と市場分析
2009/6/5 非GLP/GLP試験・医薬品製造の国内・海外委託と適合性調査対応
2009/2/23 社内監査の手引き
2009/2/10 臨床試験におけるEDCに関する信頼性調査への対応実践講座
2007/3/16 臨床開発におけるER/ESの活用とコンピュータシステムバリデーション実践書