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スケールアップのすべて

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概要

本書籍は、スケールアップについて、トラブルの未然防止、実際の製造、晶析、実験のスピードアップ、パイロットチェックリスト、研究開発者の役割の観点から、解説・経験談・コメントを付与した実務書です。

ご案内

  • 2014年11月19日:
    好評につき完売いたしました。

 本書は、医薬、農薬などの化学物質の企業化に関するものである。
 私自身は、新規プラントを作って新規企業化を数点実施している。それ以後、医薬を中心として受託研究を担当、それもほとんどうまくいっている。
 企業化というと、開発時、製造時のスケールアップが1番先に思いつく。世間では、スケールアップは難しい、何回もやらないとうまく行かない。ラボは信用できない、パイロットデータでないとなどと言われているが、全くの嘘である。
 ラボだけでスケールアップの保証は十分できる。私自身はスケールアップ学を会得する、その考えに沿って実験するとスケールアップトラブルは起きないと思っているが、以前私は会社で最もスケールアップを失敗してきた人間であるし、委託製造に出されるフローシートを見ると、トラブルが起きるのが当然というのもある。スケールアップは知識がないと難しいかも知れない。
 基本的に実験が不足している、多分やり方が分からないのだろうと思う。検討時間はかかっていると思うので、きわめてもったいない話である。スケールアップ学に沿って製造研究すると、早くしかもレベル高く、スケールアップを保証したフローシートが出来上がる。
 製造研究であるが、ほとんどの人は目的物を作ろうとしているが、私は理論を作るのが製造研究と考えている。ものを作ろうとするとスケールアップトラブルが起こる。
 たくさんの実験がないと、理論確立もスケールアップの保証もできないし、技術レベルも低いものになる。学校で習う化学ではたくさんのデータを早くはそろえられない。製造研究に実験のスピードアップは欠かせないものとなるが、方法を修得するとそう難しくない。
 スピードアップに欠かせない点として、管理者の能力が必要である。スケールアップ責任は8割管理者にある。研究とは金がかかる点で管理者は重要である。
 もう1つ大切な点は、製品の経済性の計算ができないと製造研究者としては失格であること。企業化は、今までの研究投資を取り戻すためにやるのである。そればかりでなく、経済性は必要な技術水準を設定するのに重要である。研究者は金の話をいやがる人もいるができないだけで、研究レベルの設定に重要な役割を果たす。
 細かい技術は本書を読んでもらいたい。考える基準が身に付くと、ある程度時間はかかるが良い製造研究者になると思う。スケールアップの失敗は精神的にもこたえるので、なるべく失敗しない方がよい。

目次

1. スケールアップトラブルの未然防止:その原理

  • スケールアップトラブルに未然防止はそんなに難しい物ではない
  • 同じ事をすれば同じ結果、違う結果なら違う作業をしている:
    スケールは関係ない
  • 大きくなると何が違ってくる?:
    比表面積が1/10さまざまなトラブルの原因
  • スケールダウン:
    現場の条件で実験する、トラブルの保証精度は高い

2. 実際の製造:すごくレベルがある

  • 生産性の理解に必要:
    経済性のポイント
  • 下手な製造フローシート:
    装置は多くなり、製造費は高くなる
  • 一般的なパイロットでは、成功してから研究が始まる:
    それは非効率、格好良く

3. 晶析について

  • 結晶型の分別晶析として開発した滴下晶析
  • ほとんどの晶析問題は滴下晶析でかたづく:
    難ろ過性、粒度分布のコントロール、結晶多型のコントロールなど
  • 生産性を考えると晶析はなるべく減らす。すごく重要。

4. 実験のスピードアップ手法について (小さな実験)

  • 最も大切、気楽にたくさん実験:
    頭が良くなる
  • 問題解決にもきわめて有効:
    思ったらすぐやる、実験の作業量が多いと実験しない
  • 管理者の能力がきわめて大きい
  • 研究風土を変えたい:
    「時間がない」など聞きたくない、下手なんじゃない?

5. パイロットチェックリスト

  • パイロットを実施するに当たり注意事項をリストアップした
    • (1) 計画書
    • (2) 実験側の準備
    • (3) 装置
    • (4) 操作員
    • (5) 原料手配
    • (6) データーシート
    • (7) 安全その他
    • (8) 報告会
    • (9) 実験上の検討
    • (10) ミス防止
  • パイロットは数千万円かけた実験:
    最大限の有効利用は

6. 研究管理者の役割:研究風土

  • 計画
  • 技術
  • 指導
  • 道具の購入
  • 部下のモチベーション
  • 現場の問題把握
  • 他部署との連携
  • スケジュール管理
  • 出来る出来ないの判断
  • 企業化は8割管理者の力

執筆者

純正化学株式会社 顧問
元 日産化学工業(株)
橋場 功

出版社

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お問い合わせ

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体裁・ページ数

B5判並製本 102ページ

ISBNコード

ISBN978-4-903413-48-8

発行年月

2008年8月

販売元

tech-seminar.jp

価格

28,900円 (税別) / 31,790円 (税込)