技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー
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米国に始まったシェールガス革命は、予想以上に急速に世界の産業に大きなインパクトを与え始めた。中東の石油に大きく依存していた世界のエネルギーの地図は安価なシェールガスに塗り替えられようとしている。エネルギー資源が安価になることによりエネルギー産業にとって朗報なだけでなくほとんどあらゆる産業が恩恵を受けることになる。まさに世界的なエネルギー革命が起こりつつありシェールガス革命といわれるゆえんでもある。シェールガスの主成分はメタンである。メタンは主として火力発電の燃料として用いられる。石油化学原料として用いられるのはシェールガスに含有するNGLである。米国では従来からエチレンは主として天然ガスに含まれるエタンのスチームクラッキングにより製造されてきた。米国では2000年になると天然ガスの生産量が減少し始め枯渇が心配されていた。
ところが非在来型のシェールガスが大量に掘削できることがわかったことから米国の石油化学は一変した。安価なエチレンが多量に製造できることになったからである。米国と異なり日本やアジアではエチレンはナフサのスチームクラッキングで製造されている。2000年になると石油価格は上昇し始め$100/bblを超えるようになってきた。そのためナフサの価格は高騰した。その結果、シェールガス含有エタンから製造されるエチレンとナフサから製造されるエチレンの価格差は4~5倍にもなってしまった。安価なエチレンで合成されるポリエチレンや塩化ビニルの価格はナフサのクラッキングで得られる価格の1/4~1/5である。そのため米国では相次いで大規模エタンクラッカーの新・増設が始まった。数年後に新増設エタンクラッカーが本格稼働すると、ナフサを原料とした石油化学はシェールガスを原料とした石油化学と世界市場でぶつかることになり、ナフサ原料石油化学はエタン原料の石油化学に駆逐される恐れが出てきた。一方、ナフサクラッカーではエチレンの他にプロピレンやブタジエン、C4、C5、芳香族が副生するが、エタンクラッカーからは副生しない。そのため新たなプロピレンやブタジエン、ベンゼンの製造技術が必要となっている。 「はじめに」より
発行年月 | |
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2013/5/29 | 化学品生産 / 石油からシェールガスへの転換 |
2013/4/25 | 新しいプロピレン製造プロセス |
2013/2/20 | シェールガス化学の創出と展望 |