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粉砕技術の基礎と粉砕物の評価・制御手法およびトラブル対策

粉砕技術の基礎と粉砕物の評価・制御手法およびトラブル対策

~乾式・湿式粉砕の理論と粉砕片の物性・構造評価、最適な装置・材料・助剤の選定 / メカノケミカル現象の理解と応用技術、凝集・付着・コンタミなどのトラブルへの対策~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、製粉、製薬、セメント、窯業、各種化学薬品、金属製錬、リサイクル工業などで行われている固体の粉砕とその過程で発現するメカノケミストリーについて分かり易く解説いたします。

開催日

  • 2025年6月26日(木) 10時30分16時30分

受講対象者

  • 粉砕に関連する技術者、担当者、管理者
    • 医薬品・製薬
    • 製粉
    • 食品
    • 化粧品
    • 各種化学薬品
    • 金属製錬
    • リサイクル工業
    • セメント
    • 窯業 など
  • 粉砕機に関連する技術者、担当者、管理者
    • モータ
    • 撹拌
    • 乾燥 など

修得知識

  • 粉砕技術の基礎とメカニズム
  • 粉砕の“4条件”による効率化の基本
  • 粉砕物の物性・構造評価法 (粒子径・表面性・結晶性・化学活性)
  • 粉砕に関わる諸因子 (水分・雰囲気・速度・助剤) の影響と対策
  • 粉砕助剤の活用と添加率の最適化設計
  • 粉砕装置 (乾式・湿式) の構造・原理と選定・スケールアップ指針
  • メカノケミカル現象の理解と応用 (ナノ粒子生成、非加熱分解、有価物回収 等)
  • 凝集、付着・帯電、偏析、摩耗、コンタミネーションなどのトラブル対策と改善方法
  • DEMシミュレーションを活用した粉砕プロセスの最適設計

プログラム

 粉砕操作に携わる技術者・研究者が抱える課題の一つは、乾式並びに湿式粉砕操作の適切な処理であり、その過程では様々なトラブルに見舞われる。例えば、粉砕しているのに異常な現象、例えば、微粒子の凝集・付着が激しくなる、別の性質の粒子が生成する、装置 (ミル) の異常な音や発熱の発生などである。また、粉体を原料にした粉砕処理プロセスにおいても粉体原料調整の段階で不明な点が多いことから、その後の液体を媒体とした溶解工程や成形・加熱焼成工程を経て製品となるプロセスで、想定以上の問題が生じる場合がある。これらの課題や問題には、往々にして原料 (微粉体) 調整段階での情報や粉砕過程での原料とミル処理条件との相互作用を良く知ることで解決に繋がる場合がある。それらの多くは、原料の粉砕過程で発現するメカノケミカル効果に由来することが原因になっている場合が少なくない。
 本セミナーでは、これらの問題や課題に対してヒントを与えられるような基礎と具体的な事例を紹介し、それぞれの課題解決の参考になれば幸いと思っている。

  1. 粉砕技術の基礎
    1. 固体の破壊
      • 物質は引っ張りで破壊する (理論的には、圧縮では破壊しない)
    2. 粉砕の4条件
      1. 十分な力があること
      2. その力が着実に固体に加わること
      3. 破壊後再凝集・結合しないこと
  2. 湿式粉砕下で安定なスラリー状態にあること
    1. 応力作用下でのクラック発生と破壊の形成
      • 破断面の状況は粉砕条件に依存
        • 荷重速度
        • 荷重の種類
        • 雰囲気の影響など
    2. 限界粒子径
      • どこまで粉砕可能か
  3. 粉砕物の評価法
    1. 粒子径の評価法
      • 粒子径の定義
    2. 粉砕片の表面評価法
      • ミクロ・マクロ的観察
    3. 粉砕片の構造評価法
      • 電子線
      • X線回折
      • ラマン分光
      • 熱分析
      • その他の固体の評価
    4. 破砕片の化学的活性評価法
      • 表面乱れ
      • エキソエレクトロン放射
      • ラジカル発生
      • 吸着特性など
  4. 粉砕の促進/抑制にかかわる影響因子とその相関
    1. 粉砕雰囲気の影響
      • 水分の影響
    2. 荷重速度効果
    3. 寸法効果
    4. 助剤添加効果
    5. 粉砕機タイプ・構造・粉砕プロセスの改善
      • 段階粉砕
      • 分級機設置
      • 粉砕条件の最適化
  5. 粉砕助剤とその使い方
    1. 助剤添加による効果
      • 表面エネルギー制御
    2. 田中の理論
    3. 最適添加率
  6. 粉砕機の種類・特徴とその選定・使い方
    1. 乾式粉砕機
      • 圧縮、剪断、高速衝撃等による粉砕機
      • 自生粉砕機
      • 媒体 (ボールなど) 利用粉砕機
      • 気流粉砕機 (無媒体粉砕機) など
    2. 湿式粉砕機
      • 媒体利用粉砕機
      • 流体利用粉砕機
    3. 乾式粉砕機選定のポイント
      • 粉砕動力の予測
      • 粉砕機のスケールアップ
      • スケールアップ時の粒度分布
      • 粉砕助剤使用
      • コンタミ 等
    4. 湿式粉砕機選定のポイント
      • 処理品質
      • 運転条件
      • 洗浄性
      • 乾燥
      • コンタミ 等
    5. 遊星ミルや媒体攪拌ミルなどによる超微粉砕
    6. 最近の粉砕機の開発と進化
  7. 最適粉砕条件 (操作・粉砕機構造) とスケールアップの最適化
    1. 離散要素法 (DEM) シミュレーションによる媒体運動
    2. 最小限度の実験情報とDEMシミュレーション結果の融合による最適粉砕処理
    3. 各種微粉砕機・材料への展開
  8. 微粉砕に付随する現象の理解とその制御・応用 〜メカノケミストリー〜
    1. メカノケミカル現象の基礎、原理
      • 結晶構造変化 (相転移を含む)
      • 粉体の活性 (不安定) 機構
      • 周囲の物質との相互作用
      • 固相反応の促進法あるいは抑制法
    2. メカノケミカル現象の応用技術 (メカノケミカル効果を利用する)
      • 非加熱での材料合成 (ナノ粒子製造を含む)
      • 機能性粉体合成 (資源の高付加価値化と新機能材料開発)
      • ハロゲン含有樹脂・有機物の非加熱分解
      • 粉砕+化学的処理/物理的処理による有価物回収と処理プロセスの改善
      • 粉砕+低温加熱による各種バイオマスからの高純度水素製造
  9. 微粉砕におけるトラブルシューテング
    1. 微粉砕における微粒子凝集の改善
    2. 粒子複合化 (粒子設計) 処理の改善
    3. 付着・帯電現象の抑制
    4. 粉砕機内での偏析の防止
    5. 摩耗・コンタミネーションの抑制
    6. 異物混入と除去法
    7. 微粉砕を良くするためのポイント
      • 分級
      • 助剤添加 など
    8. 粉砕物制御のポイント
      • 粒子径・粒度分布
      • 表面特性
      • 形状 など
    9. 微粉砕を効果的に行うためのポイント
    10. 粉砕処理工程での粉塵爆発の防止
  10. むすび
    • 本セミナー内容の要約と展望のまとめ
    • 質疑応答

講師

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 38,200円 (税別) / 42,020円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 38,200円(税別) / 42,020円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

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