技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

身近な刃物の切れ味とその科学的評価

身近な刃物の切れ味とその科学的評価

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、科学的な根拠に基づいた「刃物の切れ味・評価」について解説いたします。

開催日

  • 2022年10月27日(木) 13時00分 16時00分

受講対象者

  • 産業用刃物の製造業に関連する技術者
  • 刃物を使う業務に携わる方

修得知識

  • 刃物の基礎知識 (金属製刃物の材料と熱処理、鉄と鋼の違い)
  • 鋼製刃物 (包丁) とステンレス鋼刃物 (包丁)
  • 各種汎用刃物 (キッチン用包丁、そば切り包丁、大工用刃物など)
  • 玉鋼と日本刀 (刃紋の秘密を解き明かす)
  • 100円包丁と100円ハサミは高級品と同じか?
  • 実測刃角度と3D測定マイクロスコープ測定による刃角度の比較
  • 機械加工を支える産業用刃物としての条件
  • 超軽量そば切り包丁の発明ものがたりと特許取得までに経緯

プログラム

 近年、刃物づくりは産業刃物はもちろんのことながら、常に刃物を使い続けている人 (素人からプロ職人まで) の刃物について語る。本講座では炭素鋼刃物からステンレス鋼刃物、さらには刃物の分野では新たな特許を取得するには至難の業であるが、著者らは超軽量そば切り包丁、理美容はさみの発明ものがたりと特許取得までの経緯について展開する。
 また刃物の製造は中小企業が多いせいか、品質管理やメンテナンスは試行錯誤的に行われる傾向にあり、科学的な根拠 (Science evidence) に基づいた製作を行っている企業は少ない。
 そこで本講座では短い講義時間のなかで、身近な刃物の現況と最近の刃物事情について概観する。これらの視点から平易に解説する。

  1. 刃物の歴史と金属の基礎知識
    1. 人類の進歩と刃物の進歩は付いてまわる
      1. アイスマンの時代と日本刀の台頭
      2. さびない鉄柱
      3. 鉄はなぜさびるのか
      4. ステンレス鋼がさびにくいメカニズム
      5. 鋼材は安いモノから高いモノがある
    2. A社とB社の出刃包丁の比較検討
      1. 光顕組織観察の手順と具体的方法
      2. A社とB社の化学組成の違い
      3. 刃先の構造に違い (小刃があるいかないかで刃物寿命が変わる)
      4. 刃先部の引張応力と圧縮応力に伴う残留応力分布
      5. マイクロビッカース硬さ分布の違い
    3. 日本刀における「刃文」の正体解明
      1. 調査した日本刀
      2. 日本刀の外観と炭素量分析
      3. 刃先部における星形マルテンサイト組織と硬さ
      4. 日本刀の中心部付近における光顕組織とビッカース硬さ分布
  2. 高級刃物ダマスカス鋼と疑似刃物ダマスカス鋼
    1. ダマスチール鋼の波形模様と製造方法
      1. ハンドブックからの出典と粘土積層による模擬模様
      2. ダマスチール理美容ハサミの実態
    2. 偽ダマスカス鋼の刃物
      1. ダマスカス鋼に見せた疑似ダマスチール包丁の実態
  3. 新しい刃物製作の試み
    1. 100均包丁とハサミは高級刃物と同じ特性を有するのか
      1. 刃先 (切っ先) 部と中心部のマイクロビッカース硬さ
      2. 100円包丁の刃先部と中心部における走査電子顕微鏡組織
      3. 刃先部に観察できたクロム欠乏層
    2. 組織観察による実測刃角度と3D測定マイクロスコープ測定による刃角比較
      1. 3D測定マイクロスコープとは
      2. 実測した各種刃物の刃角測定
      3. 3D測定マイクロスコープ (切断法) による各種刃物の刃角比較
    3. 機械加工を支える産業用刃物としての条件
      1. 金属を削る産業用刃物
      2. バイト工具、ドリル刃の切れる秘密、金ノコの硬さと側面組織
    4. 超軽量そば切り包丁の発明ものがたりと特許取得までの経緯
      1. 刃物に必要な具備条件
      2. 軽量化に伴う鉄と軽量材料とのこれまでの接合法
        • TIG溶接
        • YAG溶接
        • レーザー溶接
        • 超音波溶接など
      3. 嵌合法による接合技術
      4. 特許と審査請求
      5. 超軽量そば切り包丁と超軽量理美容鋏の製作

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
案内および割引をご希望される方は、お申込みの際、「案内の希望 (割引適用)」の欄から案内方法をご選択ください。

「案内の希望」をご選択いただいた場合、1名様 36,000円(税別) / 39,600円(税込) で受講いただけます。
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。

  • R&D支援センターからの案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 36,000円(税別) / 39,600円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • R&D支援センターからの案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

関連する出版物