量子ドットの合成技術と蛍光強度、安定性の向上
~量産性、発光性に優れたナノ蛍光体の合成法とフィルムへの分散手法~
東京都 開催
会場 開催
開催日
-
2017年6月26日(月) 10時00分
~
17時00分
受講対象者
- 量子ドットに関連する技術者、開発者、研究者
- ディスプレイ
- LED
- 太陽電池
- バイオ、医学用途
- インク
- レーザ など
プログラム
第1部 ナノカプセル化技術による発光性ナノ材料の作製法の開発
(2017年6月26日 10:00~11:30)
液相プロセスを用いる材料作製法は他の方法と比べて比較的簡易な装置や器具で行うことができる極めて簡便な方法である。特に私が取り組んでいる方法は5~80℃程度の温度でなるべく有機溶媒を用いない方法であるため、環境負荷が低いといえる。
このように手法は簡便ではあるが、得られる材料の応用例は多岐にわたる先端分野と関連している。
したがって、先端材料は、複雑なことを行うことによって生み出されるのではなく、従来の技術を詳細に理解し、その知見を目的材料の作製に適用していくことによって生み出されるのではないかと考えている。
- ナノカプセル化技術
- 金属Co/シリカ
- 空気中での熱処理にもかかわらず、酸化されることなく結晶化が進行し、磁気的特性を発現した。
- 蛍光ビーズ/シリカ
- 蛍光ビーズ/シリカナノカプセルの蛍光強度は未ナノカプセル化のものと比べて長時間安定であった。
- 量子ドット (QD) /シリカ
- QD/シリカナノカプセルはマウスの臓器を造影する蛍光マーカーとして機能した。
- 量子ロッド (QR) /シリカ
- QR/シリカナノカプセルの蛍光強度も未ナノカプセル化のものと比べて長時間安定であった。
第2部 溶液法によるセラミックスナノ粒子の合成法の開発と蛍光発光特性などの物性制御への応用
(2017年6月26日 11:40〜13:10)
本講座は、溶液中の反応を利用した機能性酸化物ナノ粒子の合成法とその物性制御への応用に関する解説である。薄膜作製などの応用上重要なナノ粒子の安定な分散系を沈殿の低温での解膠現象により合成する手法や透析により分散媒を制御しゾル中での加水分解反応制御による酸化物ナノ粒子の結晶性や欠陥制御について述べる。
これら手法を応用し、蛍光発光特性や紫外・赤外線吸収特性などのナノ粒子の物性制御について解説する。
- 遷移金属イオンの水溶液中での反応とナノ粒子調製への応用及び物性の基本について
- セラミックスナノ粒子の電子・光機能
- 水和イオンの縮合反応とナノ構造の制御
- 過飽和度の制御による粒径分布の制御
- 解膠と分散の制御の基礎
- ZnO蛍光体ナノ粒子分散系の合成手法の実例
- 水酸化亜鉛の解膠による低温常圧結晶化による蛍光発光ZnOナノ粒子の合成法
- 糖および糖誘導体を用いた層状複水酸化物ゾルの合成とZnOゾルへの変換について
- Mn2+, Cu2+ドープZnS蛍光体ナノ粒子の安定な分散ゾルの合成と蛍光発光特性制御
- ZnS沈殿の解膠による安定分散ゾルの合成
- Mn2+ドープZnSナノ粒子分散ゾルの合成と蛍光発光特性
- クエン酸を用いたCu2+ドープZnSナノ粒子の分散特性と蛍光発光特性制御
- 紫外・赤外線吸収性を有するNb5+ドープTiO2ゾルの合成と薄膜作製法
- TiおよびNb塩化物溶液を前駆体とし透析を用いた加水分解反応制御によるゾルの低温合成
- NbドープTiO2ゾルを用いた薄膜作製と赤外線吸収特性
第3部 Si量子ドットにおける可視発光の波長制御とLEDへの応用
(2017年6月26日 13:50〜15:20)
- 背景
- ナノ粒子と量子ドットについて
- 量子ドットの用途,実用化,そして課題
- 量子ドットLEDの現状
- レーザによる量子ドット合成
- 超臨界状態を利用したナノ粒子合成
- 溶液中でのナノ粒子合成
- 可視発光するSi量子ドット
- 量子ドットLED:塗布プロセスで作製する無機・有機ハイブリッド構造
- その他の関連要素技術:金ナノ粒子を用いたSi量子ドットの発光強度の増強
- その他の手法によるSi量子ドットの生成
- Siナノ粒子のその他デバイス (太陽電池やFET等) への発展の可能性
第4部 量子ドット蛍光体の分散特性と各種フィルム・シートへの応用
(2017年6月26日 15:30〜17:00)
量子ドットの発光原理や作製方法などの基礎から、すでに実用化されているバックライトフィルムへの応用のための分散、フィルム化技術に加えて、カラーフィルタへの応用に必要なパターニング技術まで、詳細に紹介する。さらに量子ドットだけでなく、ロッドや他の形状の量子材料の特徴を解説し、様々な応用分野について述べる。
また、量子材料の抱える課題とその解決方法を紹介する。特にカドミウムフリー材料の現状と安定化のための保護技術についても解説する。
- 量子ドット、ロッドとは何か?
- 量子ドットの種類と発光原理
- 量子ドットの作製方法
- 量子ロッドとは何か、ドットとの違い
- 量子ドットの応用分野
- 医療用
- 太陽電池
- ディスプレイ
- ディスプレイへの様々な応用方法
- バックライト
- 量子ドットカラー変換画素
- 量子ドットLED
- 量子ドットフィルムの作製
- 量子ドットの分散手法
- 量子ドットフィルム
- 電界紡糸量子ドットフィルム
- 量子ドットのパターニング技術
- フォトリソグラフィー
- インクジェット印刷
- 量子ドットの課題
- カドミウムフリー量子ドットの現状
- 水、酸素に対する安定性
講師
小林 芳男 氏
茨城大学
大学院 理工学研究科
物質科学工学領域
教授
上川 直文 氏
千葉大学
大学院 工学研究院
総合工学講座
教授
齋藤 健一 氏
広島大学
自然科学研究支援開発センター
副センター長, 教授
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主催
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受講料
1名様
:
60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
:
55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)
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- 2名様以上でお申込みの場合、
1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
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- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
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