技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

治験における臨床検査値Q&A

現場でしばしば出会う疑問/曖昧な事項を解説

治験における臨床検査値Q&A

~基準値・範囲 / 生理的変動 / 臨床判断値 / 各検査~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2016年8月24日(水) 13時00分 16時30分

修得知識

  • 基準値・基準範囲の決め方
  • 生理的変動とは何を指すか
  • 病態識別値、治療目標値、カットオフ値の意味

プログラム

 治験の現場で、カルテ閲覧を行いデータ解析や臨床医と議論をする際などに、様々な疑問が生じます。臨床検査の結果は客観性がありデータそのものに意味があるのですが、解釈するにあたり、それぞれの検査の方法や原理から、異常値の出現機構を理解しておく必要があります。しばしば出会う疑問について、詳細に研修します。

検査総論

  • Q1基準値・基準範囲はどのように決めていますか。
    • 基準範囲は、健常人がとりうる臨床検査値で、検査成績を判断する基本となっています。
      多くの検査値が基準範囲と病態時の値の分布が重複するため、一般的には健常人集団のみを対象として基準範囲を設定して利用しています。
  • Q2 生理的変動とは何を指しますか。また、生理的な変動因子にはどのようなものがありますか。
    • 「生理的変動」との語は、頻繁に使用されます。本来、生理的とは、健康状態での身体の対応を指しています。
      すなわち、健康人における性別、体位、食事、運動などによる検査値変動です。疾患が原因で一時的にダメージを負って異常値となり、その後正常に戻った際は、厳密には一過性の変動です。細かなニュアンスを整理します。
  • Q3 臨床判断値とは何をさしますか。 病態識別値、治療目標値、カットオフ値の意味は。
    • 異常値を見た際に、次に何を行うかを判断するものが、臨床判断値です。検査値の解釈法には様々あり、目的に応じてカットオフ値を決めます。
  • Q4 採血法などの検体採取法と保存による検査値変動にはどのようなものがありますか。
    • 採血に使用する器具や採血時の体位で検査値が大きく変わるものがあります。
      また、採血後の検体の保存状態によっても大きく変動します。
      異常な値を見た際に、検体採取から保存段階を考察可能な知識を得ます。

検査各論

  • Q5 LDHの値が高値となりました。上昇機構を考えるために、他のどの検査項目を検討しますか。
    • 血清LDH濃度は、様々な要因で変動します。LDHは細胞のエネルギー代謝に必須の酵素であり、特に多く含まれる細胞があります。
  • Q6 AST 50 U/L, ALT 46 U/Lと軽度高値を見ました。何を考えますか。
    • 肝疾患でない場合でも、AST, ALTの値は変動します。薬物の代謝機構を再考して、肝細胞の軽度なダメージ発生機構を整理します。
  • Q7 BUN 45 mg/dl クレアチニン 0.8 mg/dLの結果が得られました。何を考えますか。
    • 腎機能が低下していなくとも、軽度のBUN高値はしばしばみられます。BUN産生機構を理解したうえで、腎機能低下以外でのBUN上昇機構を整理します。
  • Q8 血小板数が減少との結果が得られました。何を考えますか。
    • 体内での血小板低下は身体にとって極めて重大な事象です。
      検査の過程でも、血小板数低下との結果を得る原因があります。
  • Q9 高ビリルビン血症を見た際、原因の鑑別はどのように行いますか。
    • 高ビリルビン血症による黄疸は、肝・胆道系疾患や溶血性疾患でみられます。
      肝胆道系の障害と溶血性副作用は最も代表的な薬物による有害反応です。
  • Q10 溶血の原因検索のための検査はどのように行いますか。
    • 溶血は、赤血球膜の異常によるもの、免疫学的機序によるものなど様々です。
      免疫学的機序による溶血の検査のための抗グロブリン試験の原理を理解します。
  • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 福地 邦彦
    昭和医療技術専門学校
    特任教授 / 医師

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

4F 研修室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 38,000円 (税別) / 41,040円 (税込)
複数名
: 20,000円 (税別) / 21,600円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 20,000円(税別) / 21,600円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 38,000円(税別) / 41,040円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 40,000円(税別) / 43,200円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
  • 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/6/26 治験薬GMP基礎講座 オンライン
2024/6/26 仮想医薬品例示で基本レギュレーションを理解し、効率的にCMC申請資料を作成するポイント オンライン
2024/6/26 事例を交えて学ぶ共同研究契約・共同出願契約等に関するポイントと実践的対処方法 オンライン
2024/6/26 欧州医療機器規則MDR (臨床評価編 + PMS・ビジランス編) オンライン
2024/6/26 欧州医療機器規則MDR (臨床評価編) オンライン
2024/6/27 一般医薬品向け: CTD-M2作成 / 規格及び試験方法と分析法バリデーション / 技術移転と同等性評価 (全3コース) オンライン
2024/6/27 CTD-M2 (CMC) 作成セミナー オンライン
2024/6/27 一般医薬品における有効期間を考慮した規格及び試験方法の設定と分析法バリデーションの実施方法 オンライン
2024/6/27 一般医薬品における技術移転 (製法・試験法) の手順と同等性の評価方法 オンライン
2024/6/27 医薬品ライフサイクルマネジメントから考える特許戦略と知的財産権の考え方 会場・オンライン
2024/6/27 新規モダリティ医薬の市場規模/薬価/売上予測と事業性評価 オンライン
2024/6/27 不確実性の高い医薬品の研究開発プロジェクトの事業価値評価に基づく意思決定とポートフォリオマネジメント オンライン
2024/6/27 mRNA/LNP (脂質ナノ粒子) 医薬品コース オンライン
2024/6/27 mRNA-LNP医薬品における製剤化・製造・品質管理と品質審査の論点 オンライン
2024/6/27 開発段階における治験薬GMP-QA業務と有効期間設定・変更管理 オンライン
2024/6/27 日本特有の要求対応をふまえた海外導入品のCMC開発対応とCMC申請資料 (日本申請用) 作成 オンライン
2024/6/27 欧州医療機器規則MDR (PMS・ビジランス編) オンライン
2024/6/28 品質管理試験室にむけたQC点検と信頼性確保 / 分析法バリデーションに必要となる統計解析 / 基準値設定・分析法変更/技術移転時の同等性評価 (3コース) 東京都 会場・オンライン
2024/6/28 品質管理試験室にむけたQC点検と信頼性確保の対応 東京都 会場・オンライン
2024/6/28 医薬品製造におけるフロー合成のGMP適用 / マイクロリアクターで良く起こるトラブル解消方法と対策事例 オンライン

関連する出版物

発行年月
2011/6/29 3極申請対応をふまえた不純物の規格設定と不純物プロファイル管理
2011/6/28 治験の臨床検査値における軽微変動が意味するもの / 有害事象判定
2011/5/26 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション (中級編)
2011/5/25 超入門 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション
2011/4/20 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」対応実践講座
2011/1/28 3極GMP/局方における無菌性保証と査察対応
2011/1/25 供給者監査実施のノウハウと注意点
2010/12/6 日本での申請をふまえたアジアンスタディと各国の相違
2010/12/1 「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」対応準備の手引き
2010/11/29 FDA Part11査察再開と欧州ANNEX11要求対応
2010/11/25 EDC適合性調査と医療機関事前対応
2010/10/28 薬物動態(「ヘ」項)試験におけるデータ・試験の信頼性確保・保証とQC・QA手法/タイミング
2010/8/20 3極GMP査察対応シリーズ
2010/5/27 CMCレギュレーションとドラッグマスターファイル(DMF)作成入門
2010/4/20 高血圧対応製品の研究開発動向と市場分析
2009/6/5 非GLP/GLP試験・医薬品製造の国内・海外委託と適合性調査対応
2009/2/23 社内監査の手引き
2009/2/10 臨床試験におけるEDCに関する信頼性調査への対応実践講座
2007/3/16 臨床開発におけるER/ESの活用とコンピュータシステムバリデーション実践書