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溶解度パラメータ (SP値・HSP値) の基礎とプログラム計算および実践的活用法

溶解度パラメータ (SP値・HSP値) の基礎とプログラム計算および実践的活用法

~各種溶解度パラメータの測定・計算法と溶解性・ぬれ性・微粒子分散性評価および最適分子構造の追及~
東京都 開催 会場 開催 デモ付き

概要

本セミナーでは、溶解度パラメータ(SP値)の基礎から、測定・計算方法、計算プログラムツールの使用方法、豊富な実用事例をあげ詳解いたします。

開催日

  • 2016年7月29日(金) 10時00分 2016年2月29日(月) 17時00分

受講対象者

  • 溶解に関連する技術者、開発者、研究者
    • 粉体
    • 高分子
    • 塗料
    • インク
    • 機能性材料
    • 接着剤
    • エラストマー
    • 医薬品
    • 化粧品食品
    • サプリメント など

修得知識

  • 溶解平衡の基礎
  • 溶解度パラメータ (SP値) の基礎
  • 溶解度パラメータ (SP値) の利用法
  • 溶解度パラメータ (SP値) の計算方法
  • 溶解度パラメータ (SP値) を用いた溶解性の評価
  • 溶解度パラメータ (SP値) の用途の実例

プログラム

 J.H.Hildebrandが正則溶液理論の研究において定義した溶解度パラメータ (Solubility Parameter:δ[J/cm3]1/2) は、物質 (気体・液体・固体) の凝集エネルギー密度の平方根で示される物質固有の物性値であり、SP値として一般に知られています。現在でも、SP値は、物質-物質間の溶解度、ぬれ性、接着性、溶媒中微粒子の分散性の評価に多用されています。C.M.Hansenは、Hildebrand が提案したSP値の凝集エネルギーの項を、それぞれの物質の分子間に働く相互作用エネルギーの種類によって分割し、SP値を、分散力項 (δd) 双極子間力項 (δp) 、水素結合力項 (δh) として表し、Hansen溶解度パラメータ (以下:HSP値) として提案しました。
 現在、HSP値は高分子-溶媒間、高分子-高分子間などの相溶性評価、ナノ粒子の溶媒中での凝集・分散性評価、樹脂の溶媒に対する耐性評価など広く用いられています。また、HSP値は、化学製品の製造工程において、溶質に対する最適溶媒の選択や混合溶媒の最適な組み合わせの選定、さらに、最適混合比などにも有効であることが報告されています。近年、Hansenの研究グループは、分子構造が未知である高分子やフラーレン、カーボンブラック、TiO2などの微粒子・ナノ粒子表面のHSP値を実験的に求める新しい手法として、Hansen solubility sphere法 (以下Hansen溶解球法) を提案しており、その汎用性の高さから現在多くの研究者から注目されています。
 本セミナーでは、SP値の基礎としてHildebrand (δ) およびHansen (δd,δp,δh) 溶解度パラメータの計算方法およびHSP値を用いた物質-物質間の溶解性、ぬれ性、溶媒中の微粒子の分散性評価の方法について基礎的な概念を紹介し、分子構造や組成が明らかでない物質のHSP値をHnasen球法により求めたのでその結果およびその評価方法について報告します。

はじめに

  • “Hildebrand溶解度パラメータについて (原著より) ”
  • 正則溶液理論から導かれた溶解度パラメータの意味
  • 物性値としての溶解度パラメータの価値
  • 一般的な物質 (気体・液体・固体) の溶解度パラメータの総論
  • HildebrandおよびHansen溶解度パラメータの相互関係
  1. 溶解平衡の基礎知識
    1. 物質の溶解現象と溶解度
    2. 液体の種類と特性
    3. 溶解度に関係した溶液モデルの種類
    4. 溶解度に寄与する因子
  2. 溶解度パラメータの推算に利用できる液体の一般通性
    1. 溶解度
    2. 蒸気圧
    3. 臨界定数 (臨界温度、臨界圧力、臨界体積)
    4. 密度、沸点、融点、表面張力、屈折率
  3. 溶解度の測定法および測定装置
    1. 溶解度測定に影響を与える因子
    2. 気体の溶解度と測定装置と測定方法
    3. 液体の溶解度と測定装置と測定方法
    4. 固体の溶解度と測定装置と測定方法
  4. 溶解度パラメータ (SP値) の基礎と応用
    1. Hildebrandの溶解度パラメータ (SP値) の定義
    2. Hildebrandの溶解度パラメータの計算方法
    3. Hildebrand溶解度パラメータによる溶解性評価の基礎
  5. Hildebrand溶解度パラメータの種々物性からの計算方法
    1. 蒸発熱からのSP値の計算方法
    2. Hildebrand RuleによるSP値の計算方法
    3. 表面張力からのSP値の計算方法
    4. 屈折率からのSP値の計算方法
    5. 溶解度からのSP値の計算方法
    6. HLB値からのSP値の計算方法
    7. その他の物性値からのSP値の計算方法
  6. 溶解度パラメータ (SP値) の分子グループ寄与法による計算
    1. Hildebrand (SP値)
    2. Smallの計算方法
    3. Rheineck & Linの計算方法
    4. Kreveren & Hoftyzerの計算方法
    5. Fedors の計算方法
    6. Hansenの計算方法
    7. Hoyの計算方法
    8. Stefanis&Panayiotou法 (S&P法) ・
  7. 溶解度パラメータの計算実演
    1. 液体および溶液のSP値の計算方法および計算例
    2. 分子構造からのSP値の計算方法および計算例
    3. SP値による溶媒および混合溶媒の選択
  8. 溶解度パラメータのプログラムによる計算実演
    1. 液体および液体のSP値のプログラムによる計算例
    2. 分子構造からのSP値のプログラムによる計算例
    3. SP値計算プログラムの紹介 (Fedors,Hansen,Hoy法)
  9. 多成分系混合溶媒の溶解度パラメータの計算方法
    1. 2成分溶液の溶解度パラメータの計算方法
    2. 多成分溶液の溶解度パラメータの計算方法
    3. 多成分溶液の溶解度パラメータの実測方法
    4. SP値を用いた溶解のための最適混合比の考え方
  10. 溶解度パラメータを用いた溶解性の評価
    1. 気体の溶解度の評価法
    2. 液体の相互溶解度の評価法
    3. 固体の溶解度の評価法
  11. Hansen溶解度パラメータ (SP値) を用いた溶解性の評価法
    1. Hansenの溶解度パラメータを用いた評価法
    2. SP値の三角線図による評価
    3. SP値の3Dプロットによる評価方法
    4. Hnasen Solubility WindowとHansenSolubilitySphere (ハンセン溶解球) の考え方
    5. 溶解度パラメータを用いた溶解性の評価 (HildebrandとHansenのSP値の比較)
  12. イオン性溶液の溶解度パラメータ
    1. イオン性溶液の溶解度パラメータの考え方
    2. イオン性液体の溶解度パラメータ測定方法
    3. イオン性溶液の溶解度パラメータによる溶解性評価
  13. Hanse球法 (HSPiP法) による物質の溶解度パラメータの測定方法
    1. Hansen Solubility Sphere Methodの原理
    2. Hansen球法の試験方法
    3. Hansen球法の
    4. 微粉体、ナノ粒子のHansen SP値の測定
    5. HSPiPプログラムの応用
  14. 溶解度パラメータ (SP値) の用途の実例
    1. 工業的な用途-接着剤、洗浄剤、溶解性評価
    2. 研究的な用途-溶解性の評価、溶媒の混合特性と相溶性
    3. 微粒子の凝集・分散、酸化物微粒子の分散性評価
    4. 樹脂・無機材料の耐性評価
    5. Hildebrand溶解度パラメータの応用と限界
    6. Hansen溶解度パラメータの応用と将来展望
    7. 将来期待されている溶解度パラメータの応用分野

おわりに (まとめ)

  • 現場における溶解性評価の高度化・迅速化に対するSP値の価値
  • 溶ける、溶けないを見極める意味
  • 溶解に係る新規材料開発の方向性
  • 質疑応答

講師

  • 山本 秀樹
    関西大学 環境都市工学部
    学部長 / 大学院理工学研究科長 / 教授

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5階 第4講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

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受講料

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: 42,750円 (税別) / 46,170円 (税込)
複数名
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    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 46,170円(税込)
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