「著作権の制限規定」に関する体系的理解と実務運用
~「私的複製、引用、写り込み、検討過程における利用」等を中心に具体例、裁判例を徹底解説~
東京都 開催
会場 開催
開催日
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2014年12月17日(水) 14時00分
~
16時30分
プログラム
我が国の著作権法は、著作物の利用行為が「複製」「上演」「上映」「公衆送信」等の概念に形式的に該当する場合、著作権の制限規定 (著作権法30条から50条まで) に該当しない限り、その利用行為は著作権侵害となるという立場を取っています。我が国では、米国のように、公正な利用 (フェアユース) であれば著作権の侵害とならないという解釈は取られておりませんから、著作物の利用行為が著作権侵害となるか否かは、著作権の制限規定に該当するか否かを1つずつ丁寧に検討する他ありません。その意味で、著作権の制限規定の意味を正確に理解することは重要であるといえるでしょう。
しかしながら、著作権の制限規定について体系的に学ぶ機会は少なく、どうしても実務で出会った事案に関する断片的な知識になりがちです。また書籍等も条文の無味乾燥な解説となっている場合が多く、各制限規定の想定している事例が具体例にイメージしづらい場合もあると思われます。加えて、近時では、制限規定に関する法改正も相次いでいるところ、これらの改正には実務に携わる方にとって重要な改正も含まれており、それらの知識をアップデートする必要もあります。
以上の観点から、本講義では、著作権の制限規定を体系的に解説し、その正確な理解を目指します。講義の方針は次のとおりとしたいと考えています。
- <Ⅰ>実務上重要な、「引用」「付随対象著作物の利用 (写り込み、録り込み) 」「検討過程における利用」等は重点的に解説しますが、それ以外の規定も網羅的に解説します。著作権の制限規定の全体像を体系的に学べるように配慮します。
- <Ⅱ>できる限り具体例を用いて解説し、各制限規定が想定している事例をイメージできるようにします。
- <Ⅲ>実務の観点から重要と思われるポイントを中心に解説します。学問的観点から重要であっても実務上の重要性が薄い論点等は、基本的に解説の対象としません。
- <Ⅳ>個々の規定に関し裁判例がある場合、できる限り取り上げて紹介します。
- <Ⅴ>制限規定に関し2012年及び2012年に行われた改正内容も、当然に織り込んで解説します。
なお本講義は、著作権に関する実務に携わる方であれば、分野を問わずどなたにとっても有用な内容です。
※講義項目 (一部変更される場合があります。また数字は著作権法の条文番号を示します。)
- 私的複製 (30)
- 自動複製機器を用いる場合
- 違法配信ファイルのダウンロード
- 舞台装置設計図事件
- いわゆる自炊業者の扱い
- 付随対象著作物の利用 (写り込み、録り込み) (30の2)
- 検討過程における利用 (30の3)
- 技術開発・実用化の過程における利用 (30の4) 、情報解析における利用 (47の7)
- 図書館に関係する権利制限 (31)
- 引用 (32条1項)
- 正当な範囲内
- 公正な慣行
- 「明瞭区別性と主従関係」要件の意義
- 要約引用/モンタージュ写真事件
- 藤田嗣治事件
- 脱ゴーマニズム宣言事件
- バーンズコレクション事件
- 絶対音感事件
- XO醤男と杏仁女事件
- 絵画鑑定書事件
- 血液型と性格事件
- 教育のための著作物の利用 (33~35)
- 試験問題としての複製等 (36)
- 国語ドリル事件
- 障害者のアクセスを確保するための利用 (37、37の2)
- 非営利の著作物利用 (38)
- 社交ダンス教室事件
- 国民の政治参加、議論活性化等の観点からの利用 (39・40)
- 報道目的の利用 (41)
- TBS事件/バーンズコレクション事件
- 統治機構が提供する情報利用 (13、32条2項)
- 統治機構における情報利用 (42)
- 技術上不可避な著作物利用 (44、47の4~6、8、9)
- 所有権者との調整規定 (美術・プログラム) (45、47、47の2、47の3)
- レオナール・フジタ展事件
- ダリ事件
- 公開の美術の著作物の利用 (46)
- バス車体絵画事件
- 質疑応答/名刺交換
主催
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