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バイオフィルムの発生メカニズムと評価・対策

バイオフィルムの発生メカニズムと評価・対策

概要

本書では、バイオフィルム (ぬめり) のメカニズムから分析方法、状況別の除去策について、豊富な事例や写真を用いて解説しております。

目次

第1章 バイオフィルムに関わる微生物

  • 1 微生物と地球環境
    • 1.1 微生物の誕生と進化
      • 1.1.1 微生物の誕生
      • 1.1.2 微生物の進化
      • 1.1.3 古細菌と真正細菌
    • 1.2 微生物の分類
      • 1.2.1 微生物とは
      • 1.2.2 生物の分類と微生物
      • 1.2.3 原核生物と真核生物
      • 1.2.4 各種微生物の性状
    • 1.3 細菌の代謝
      • 1.3.1 独立栄養菌と従属栄養菌
      • 1.3.2 好気性菌、嫌気性菌と正常細菌叢
      • 1.3.3 代謝 (Metabolism)
    • 1.4 細菌の構造
    • 1.5 細菌の形態
      • 1.5.1 球菌Coccus, Cocci
      • 1.5.2 桿菌Bacillus, Bacilli, Rod, Rods
      • 1.5.3 らせん菌Spirillum, Spirilla
    • 1.6 細菌の基本構造
      • 1.6.1 細胞壁Cell wall
      • 1.6.2 細胞膜Cell membrane
      • 1.6.3 細胞質Cytoplasma
      • 1.6.4 核様体Nucleoid
      • 1.6.5 莢膜Capsule、粘液層Slime layer
      • 1.6.6 鞭毛Flagella
      • 1.6.7 線毛Pili
      • 1.6.8 芽胞Spore, Endospore
    • 1.7 真菌とは
    • 1.8 真菌の分類
    • 1.9 真菌の代謝
      • 1.9.1 真菌の生活環と増殖
      • 1.9.2 糸状菌 (菌糸型真菌)
      • 1.9.3 酵母様真菌
    • 1.10 真菌の構造
    • 1.11 バイオフィルムに関連のある現象
      • 1.11.1 クオラムセンシング (Quorum sensing)
      • 1.11.2 生きてはいるけれども培養できない細菌 Viable but nonculturable (VBNC) bacteria.
  • 2 微生物の培養と同定
    • 2.1 微生物の分離・培養検査法
      • 2.1.1 検体の選び方
      • 2.1.2 検査材料の塗抹に用いる器具
    • 2.2 無菌操作法
      • 2.2.1 無菌操作の必要性
      • 2.2.2 使用器具の火炎滅菌法
      • 2.2.3 検査材料の塗抹と3 段階希釈法
    • 2.3 同定検査法
      • 2.3.1 細菌と真菌の培養の基礎知識
      • 2.3.2 細菌の培養に用いる種々の培地
      • 2.3.3 真菌の培養に用いる種々の培地
      • 2.3.4 細菌の培養環境
      • 2.3.5 真菌の培養環境
      • 2.3.6 細菌の集落
      • 2.3.7 真菌の集落と糸状菌の分生子の作成
      • 2.3.8 細菌同定法
      • 2.3.9 細菌性状の検査法
      • 2.3.10 検査キットを用いた迅速診断法
      • 2.3.11 血清学的・免疫学的検査法
      • 2.3.12 細菌の遺伝子検査法
      • 2.3.13 新たな細菌同定法

第2章 バイオフィルムの構造と形成過程

  • 1 はじめに
  • 2 一般的なバイオフィルム構造
  • 3 バイオフィルムの特徴
  • 4 バイオフィルムの固着 (接着) ・生長・脱離
    • 4.1 浮遊細胞から固着細胞へ
    • 4.2 バイオフィルム形成初期段階で働くセカンドメッセンジャーc-di-GMP
    • 4.3 その他のヌクレオチド型セカンドメッセンジャーによるバイオフィルム形成への影響
    • 4.4 マイクロコロニーおよびバイオフィルムの成長
    • 4.5 バイオフィルムの成熟
    • 4.6 バイオフィルムの崩壊とバイオフィルム離脱細胞の特徴
  • 5 最後に

第3章 バイオフィルム発生評価

  • 1 生物学的手法と機器分析による方法
  • 2 菌数測定—その限界と問題点
  • 3 各種染色法
    • 3.1 非蛍光染色
    • 3.2 蛍光色素を用いる場合
  • 4 遺伝子解析
  • 5 光学顕微鏡
  • 6 蛍光顕微鏡
  • 7 共焦点レーザ顕微鏡
  • 8 走査型電子顕微鏡 (SEM)
  • 9 透過型電子顕微鏡 (TEM)
  • 10 原子間力顕微鏡 (AFM)
  • 11 可視紫外分光法 (UV-VIS)
  • 12 ラマン分光法とFTIR 法
  • 13 質量分析
  • 14 白色干渉計
  • 15 NMR

第4章 バイオフィルムの発生事例と対策

第1節 居住空間でのバイオフィルム発生事例と対策
第1項 快適な居住空間のためのバイオフィルム対策 第2項 浴室内でのバイオフィルム (ヌメリ) 発生事例と対策
  • 1 浴室に発生する微生物汚染
  • 2 ピンクヌメリの微生物実態
    • 2.1 汚染の状態
    • 2.2 生育速度
    • 2.3 生育に及ぼす汚れの影響
  • 3 ピンクヌメリ対策
    • 3.1 日頃の対策
    • 3.2 抗菌剤の活用
  • 4 まとめ 第3項 台所環境におけるバイオフィルム発生事例と対策 第4項 トイレでのバイオフィルム発生事例と対策
  • 1 はじめに
  • 2 トイレ便器内に生息する細菌とバイオフィルム形成
    • 2.1 トイレ便器内バイオフィルムからの細菌単離と菌叢解析
    • 2.2 トイレ便器内から単離された細菌のバイオフィルム形成能
    • 2.3 トイレ便器内のバイオフィルム形成への寄与度検証
  • 3 トイレ便器内に生息する細菌に対する殺菌剤の効果
  • 4 おわりに
第2節 医療現場でのバイオフィルム発生事例と対策
第1項 内視鏡のバイオフィルム発生事例と対策
  • 1 背景
  • 2 内視鏡を介した汚染事項とその要因
  • 3 内視鏡洗浄消毒に関する国内外の情勢
  • 4 内視鏡清浄度調査
    • 4.1 サンプリング
    • 4.2 洗浄液の塗抹・培養検査
    • 4.3 調査の現状
  • 5 内視鏡洗浄消毒の課題 第2項 口腔内のバイオフィルム発生事例と対策
  • 1 口腔バイオフィルムの特殊性
    • 1.1 常在性口腔細菌
    • 1.2 唾液の役割
    • 1.3 食品の作用
    • 1.4 口腔清掃後の磨き残し
  • 2 口腔バイオフィルムの病原性
    • 2.1 う蝕
    • 2.2 歯周病
    • 2.3 舌上のバイオフィルム疾患
    • 2.4 誤嚥性肺炎
  • 3 口腔バイオフィルム関連疾患に対する対策
    • 3.1 バイオフィルムの物理的除去
    • 3.2 食生活改善によるバイオフィルム形成制御
    • 3.3 抗菌剤によるバイオフィルム形成制御
第3節 食品のバイオフィルム発生事例と対策
  • 1 食品中の微生物とバイオフィルム
    • 1.1 微生物が産生するバイオフィルム
    • 1.2 食品中でバイオフィルムを産生する微生物
    • 1.3 食品中での微生物共生によるバイオフィルム産生
  • 2 食品中のバイオフィルム
    • 2.1 洋菓子のバイオフィルム
      • 2.1.1 洋菓子のロープ生成変敗現象と変敗微生物
      • 2.1.2 洋菓子のバイオフィルム生成の制御
    • 2.2 水産加工食品のバイオフィルム
      • 2.2.1 イカ加工製品のバイオフィルム
      • 2.2.2 剣先するめのバイオフィルム
      • 2.2.3 かまぼこのバイオフィルム
      • 2.2.4 水産加工食品のバイオフィルム生成の制御
    • 2.3 農畜産加工食品のバイオフィルム
      • 2.3.1 めん類のバイオフィルム
      • 2.3.2 豆類加工品のバイオフィルム
      • 2.3.3 肉類のバイオフィルム
      • 2.3.4 農産物のバイオフィルム
      • 2.3.5 農産加工食品のバイオフィルム生成の制御
第4節 食品工場におけるバイオフィルム発生事例と対策
第1項 ゆば製造工場におけるバイオフィルム発生事例と対策
  • 1 はじめに
  • 2 大豆加工品 (ゆば) と微生物の挙動
  • 3 製造現場におけるモニタリング方法
  • 4 ゆば製造における微生物汚染とその対策
    • 4.1 バイオフィルム防止のため洗浄殺菌
    • 4.2 原料 (大豆) の除菌洗浄—酵素系洗浄剤の利用—
    • 4.3 製造装置および機械の洗浄殺菌
      • 4.3.1 豆乳配管の洗浄殺菌
      • 4.3.2 ゆば巻き取り自動装置
      • 4.3.3 加工ゆば充填機
  • 5 まとめ
第2項 食品製造設備・機器のバイオフィルム発生事例と対策
  • 1 はじめに
  • 2 食品製造施設のバイオフィルムに関与する微生物
    • 2.1 リステリア菌
    • 2.2 シュードモナス属
    • 2.3 バチルス属
  • 3 食品製造施設におけるバイオフィルムが形成されやすい箇所
    • 3.1 乳製品製造工場
    • 3.2 食肉加工工場
    • 3.3 その他
      • 3.3.1 搬送コンベアーのガイド
      • 3.3.2 テーブルの脚
      • 3.3.3 機器の入口と出口のフラップ
      • 3.3.4 不良な溶接
      • 3.3.5 バルブのゴム製ハンドルカバー
      • 3.3.6 ゴム製マット
  • 4 バイオフィルム対策-洗浄と殺菌
    • 4.1 洗浄
    • 4.2 殺菌
  • 5 おわりに
第5節 医薬品製造工場におけるバイオフィルム発生例と対策
  • 1 バイオフィルムとは何か?
  • 2 バイオフィルムができるステップ
  • 3 バイオフィルムの発生と発育
  • 4 欧州薬局方第9 版の内容
  • 5 精製水製造装置
  • 6 精製水製造時における微生物管理におけるWHO と日本薬局方と無菌操作法の比較
  • 7 製薬用水設備の配管勾配
  • 8 デッドレッグ (Dead Legs) およびデッドエンド (Dead End) の回避
    • 8.1 層流と乱流
    • 8.2 流速とステンレス管内壁へのバイオフィルムなどの付着
  • 9 微生物の増殖防止策
    • 9.1 微粒子の大きさ
    • 9.2 TOC (Total Organic Carbon) と細菌数の関係
第6節 化粧品製造工場における微生物汚染とバイオフィルム対策
  • 1 化粧品の微生物汚染
    • 1.1 一次汚染と二次汚染
    • 1.2 化粧品の微生物汚染例
    • 1.3 汚染の原因と対策の基本
  • 2 化粧品工場での汚染とバイオフィルム
    • 2.1 バイオフィルムの存在場所
    • 2.2 バイオフィルムの予防およびその除去
      • 2.2.1 排水設備などのバイオフィルムの予防・除去
      • 2.2.2 パイプラインのバイオフィルムの予防・除去
      • 2.2.3 純水設備のバイオフィルムの予防・除去

第5章 バイオフィルム対策技術のポイント

  • 1 バイオフィルムを退治する
  • 2 バイオフィルムの発生防止ポイント
  • 3 バイオフィルム形成防止技術
    • 3.1 微生物付着
    • 3.2 付着・増殖の阻止
      • 3.2.1 表面改質
      • 3.2.2 薬剤
      • 3.2.3 細菌の情報伝達機構 (クオラムセンシング)
      • 3.2.4 超音波
  • 4 バイオフィルムの除去技術
    • 4.1 洗浄・殺菌
      • 4.1.1 湿式洗浄
      • 4.1.2 アルカリ剤の洗浄効果
      • 4.1.3 次亜塩素酸の洗浄効果
      • 4.1.4 界面活性剤の併用効果
      • 4.1.5 塩素系アルカリフォームの洗浄効果
    • 4.2 プラズマ
    • 4.3 パルスレーザ照射
    • 4.4 分解酵素
      • 4.4.1 アルギン酸リアーゼ
      • 4.4.2 バリダーゼ (ストレプトキナーゼ)
      • 4.4.3 プロテアーゼ/ セルラーゼ
    • 4.5 バクテリオファージ
  • 5 バイオフィルム対策の実際
    • 5.1 各種水系におけるバイオフィルム制御
      • 5.1.1 冷却水系 (スクラバー)
      • 5.1.2 浴槽水系
      • 5.1.3 給湯水系
    • 5.2 食品工場でのバイオフィルム発生を抑制する洗浄殺菌技術
      • 5.2.1 バイオフィルム形成を防止する設備要件
      • 5.2.2 バイオフィルム形成防止策としての洗浄要件
      • 5.2.3 殺菌を兼ねた洗浄方法
    • 5.3 口腔バイオフィルム形成の制御方法
      • 5.3.1 物理的な口腔清掃方法
      • 5.3.2 代用甘味料を用いたバイオフィルム形成抑制
      • 5.3.3 洗口剤によるバイオフィルム形成抑制
      • 5.3.4 歯磨きペーストによるバイオフィルム形成抑制
      • 5.3.5 クオラムセンシング阻害によるバイオフィルム形成抑制
    • 5.4 医学分野におけるバイオフィルム
      • 5.4.1 医療器具のバイオフィルム汚染
      • 5.4.2 異物感染
      • 5.4.3 ラクトフェリンとバイオフィルム感染症
      • 5.4.4 バイオフィルム感染症と抗菌薬
  • 終わりに

第6章 バイオフィルムとの共存・産業利用

  • 1 はじめに
  • 2 水処理分野におけるバイオフィルムの利用
  • 3 発酵・酵素生産分野におけるバイオフィルムの利用
    • 3.1 固体培養法
    • 3.2 液面 (表面) 培養法
    • 3.3 膜面液体培養法
  • 4 固/液界面バイオフィルムの利用
    • 4.1 固/液界面における毒性緩和現象
    • 4.2 加水分解・エステル化反応への利用
    • 4.3 酸化反応への利用
    • 4.4 還元反応への利用
    • 4.5 生分解への利用
  • 5 気/液界面バイオフィルムの利用
  • 6 液/液界面バイオフィルムの利用
    • 6.1 液/液界面バイオフィルムの微生物変換への利用
      • 6.1.1 加水分解反応への利用
      • 6.1.2 還元反応への利用
      • 6.1.3 水酸化反応への利用
      • 6.1.4 エポキシ化反応への利用
    • 6.2 液/液界面バイオフィルムの発酵への利用
    • 6.3 界面バイオフィルムの天然物創薬への利用
  • 7 おわりに

執筆者

  • 自治医科大学 滝 龍雄
  • 関西大学 松村 吉信
  • 鈴鹿工業高等専門学校 兼松 秀行
  • ライオン 株式会社 山岸 弘
  • 小林製薬 株式会社 五味 満裕
  • 大阪大学医学部附属病院 西 功
  • 国立感染症研究所 泉福 英信
  • 食品・微生物研究所 内藤 茂三
  • 株式会社ミツトヨ 国正 重乃
  • エコラボ合同会社 茂呂 昇
  • 平原エンジニアリングサービス 株式会社 村上 大吉郎
  • 化粧品微生物コンサルタント 松田 潤
  • 麻布大学 古畑 勝則
  • 金沢工業大学 小田 忍

出版社

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体裁・ページ数

B5判 並製本 247ページ

ISBNコード

978-4-905507-38-3

発行年月

2020年1月

販売元

tech-seminar.jp

価格

60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)

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