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セルロースナノファイバーの製造・複合化技術と応用展開

セルロースナノファイバーの製造・複合化技術と応用展開

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、セルロースナノファイバーについて、調製法・構造・分散性・強度・固有粘度等の基本特性から解説し、表面・配列・集積制御、他素材との複合化及び界面制御、現状の課題とその対策について、詳解いたします。

開催日

  • 2019年6月25日(火) 10時00分 17時10分

受講対象者

  • セルロースナノファイバーで課題を抱えている方
  • セルロースナノファイバーの応用分野の技術者、研究者、開発者、企画担当者
    • 高分子複合材料
    • 医療材料
    • 食品素材
    • 化粧品素材
    • エネルギー関連材料
  • セルロースナノファイバーの技術者、研究者、開発者、企画担当者
  • これからセルロースナノファイバーに携わる方
  • 塗料、コーティング、接着剤、プラスチック、成形加工メーカー等の研究開発・生産製造に携わる方
  • プラスチック製造業、成形加工業、部品ユーザーなど

修得知識

  • セルロースナノファイバーの調製法
  • セルロースナノファイバーの構造
  • セルロースナノファイバーの基本特性
  • セルロースナノファイバーの表面・配列・集積制御
  • セルロースナノファイバーの複合化
  • セルロースナノファイバーの応用事例
  • セルロースナノファイバーの課題と対策

プログラム

第1部「ナノセルロース構造の精密制御により実現する効率と付加価値」

(2019年6月25日 10:00〜11:10)

 セルロースナノファイバー (CNF) の量産体制も整い、水系の機能用途を中心に商品化にいたる事例も出てきた。しかし、CNFは現状高価であり、構造用途における実用化を志向する際は「安く簡単に作る」ことが通念的になっている。CNF特性の高度発現により実現する効率と付加価値が拓く新たなパラダイムについて考えてみたい。

  1. セルロースの固体構造
  2. CNF生産の原理
  3. 精密制御により実現する効率と付加価値
    1. フィルム
    2. 多孔質
    3. 複合体
  4. 展望
    • 質疑応答・名刺交換

第2部「セルロースの溶解技術および解繊・表面修飾の同時処理によるCNFの製造技術と応用展開」

(2019年6月25日 11:20〜12:30)

 セルロースの有効利用、高機能化利用を目的として、開発したセルロースの溶解技術、セルロースナノファイバーの製造と応用技術、木材又は木材成分の熱可塑化技術のご紹介。

  1. セルロースの溶解技術及びその応用
  2. 疎水化セルロースナノファイバーの製造技術
  3. 硫酸エステル化セルロースナノファイバーの製造技術
  4. 疎水化セルロースナノファイバーの特性と応用事例
  5. 硫酸エステル化セルロースナノファイバーの特性と応用事例
    • 質疑応答・名刺交換

第3部「セルロースナノファイバーを活用したオールセルロース材料の特性と応用展開および炭素繊維との複合化」

(2019年6月25日 13:20〜14:30)

 近年セルロースナノファイバー (CNF) と樹脂とを複合化させた材料開発が盛んであるが、CNFと樹脂間での接着性 (相性) が問題となることがある。この接着性という観点では、セルロースでセルロースを接着させたオールセルロースの材料が理想的であり、我々はそのような材料を以前から開発、製造してきた。最近の研究にて本材料は、CNFがマトリクス、残存したセルロース繊維が強化繊維の役割を担う、同一素材から成るユニークな複合材料であることが分かってきており、プラスチック代替材料として期待されている。本講演では、本材料の材料としての構造の特徴や、製造プロセス、製品の特長などについて紹介する。さらに、炭素繊維と本材料を複合化させることで、強度を維持したまま軽量化と周囲の環境変化による変形抑制を成し遂げた新規開発品も生まれており、その一部を紹介する。

  1. オールセルロース材料の概要
    • バルカナイズドファイバーとの関係
  2. オールセルロース材料の詳細
    1. 製法
    2. 表面形状
    3. 断面形状
    4. 表面積と平衡水分
    5. 結晶構造
    6. 材料の物理的特性
    7. 製造工程の特徴
    8. 応用例
  3. 炭素繊維との複合化
    • 質疑応答・名刺交換

第4部「セルロースナノファイバーと樹脂・ゴムの複合化および複合体の特性・応用展開」

(2019年6月25日 14:40〜15:50)

 セルロースナノファイバー (CNF) は、直径約3nmの超極細繊維状の物質であり、木材などの陸上植のおよそ50%を占めているセルロースから得ることができる。非常に強くしなやかなCNFはゴムや樹脂などのフィラー、つまり強化材、機能付与剤として期待されている。ゴムや樹脂などの高分子材料は、フィラーによる高性能化によって用いられることが多いためである。しかし、CNFの表面は水酸基やカルボキシ基で覆われた強い親水性であり、多量の水で懸濁されて安定化し、水の減少によって、直ちに凝集する。
 一方、ほとんどの高分子は親油性であるため、CNFと相溶しない。このため、CNFと高分子材料の複合化は至難の業である。CNFと高分子のナノ複合材料を作製するためには、CNF原料である多量の水と高分子を置換する必要があり、つまり、乾燥工程が不可欠であり、この際にCNFは強い水素結合で凝集する。凝集したCNFは、もはや、ナノファイバーとは言えず、ナノフィラーの独特の性能付加、すなわち、ナノサイズ効果は得られない。
 そこで、我々、信州大学グループは、この課題を解決するために、二段階弾性混練法、およびCWSolid法を見出し、CNF高分子ナノ複合材料の製造に成功した。ほぼ同様の直径を有するカーボンナノチューブと比較しながら、複合体の特性と、それを応用した実用化について概説する。

  1. ナノ繊維コンポジットの現状
    1. カーボンナノチューブ (CNT) 系ナノコンポジット
    2. セルロースナノファイバー (CNF) 系ナノコンポジット
  2. ナノコンポジット調整法とセルレーション技術
    1. 弾性混練法と擬弾性混練法
    2. セルレーションと基本特性
  3. ナノ繊維とマトリックスの界面
    1. 界面の可視化
    2. 界面相の分子運動性と評価法
  4. CNTゴム複合体への応用
    1. 油田・ガス田への極限材料の応用
    2. その他の分野への応用
  5. CNT樹脂複合体への応用
    1. ポリオレフィンマトリックスのナノコンポジットの調整
    2. セルレーションと特性
    3. 樹脂ナノコンポジットの応用
  6. CNF系ナノコンポジット
    1. 用いられるCNFの種類
    2. 二段階弾性混練法によるCNFナノコンポジットの調整と特性
    3. CWSolid法によるCNFナノコンポジットの調整と特性
    • 質疑応答・名刺交換

第5部「セルロースナノファイバーの自動車分野への展開の狙いと現状開発動向、課題」

(2019年6月25日 16:00〜17:10)

 将来の自動車用材料には、軽量材料化による走行時のCO2の大幅削減が求められる。そのため、軽量の樹脂材料には大きな追い風になっており、CFRPなどの樹脂系高強度複合材料などの量産化も進みつつある。ただ、その後の環境課題は、素材製造時のCO2削減へとつながる。カーボンニュートラルのバイオプラスチックの採用も進められているが、強度などの面から量産になかなか結び付いていない。そうした中、今、高強度バイオプラスチックとしてセルロースナノファイバーが注目されている。ここでは、その狙いと動向、技術課題について紹介し、更には、今後、自動車構成材料として定着するための方向について議論してみたい。

  1. 自動車を取り巻く環境の変化
    1. CO2問題
    2. CO2規制
  2. 樹脂化の利点と課題
    1. 軽量化の必要性と樹脂化の促進 (内装材~CFRP)
    2. 樹脂自身のLCA改良の必要性
  3. バイオプラスチック利用動向 (トヨタ自動車の例)
    1. バイオプラスチックと自動車
    2. バイオプラスチックの課題と対策例
    3. 高強度バイオプラスチックの出現
  4. セルロースナノファイバーの可能性
    1. セルロースナノファイバーの意味 (資源、材料、設計、リサイクルの観点から)
    2. セルロースナノファイバーの自動車展開例
    3. セルロースナノファイバーの技術課題と対策
  5. セルロースナノファイバーの今後
    1. サプライチェーンの構築
    2. ビジネスモデルへの挑戦
    3. 他産業との融合
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 齋藤 継之
    東京大学 大学院 農学生命科学研究科
    教授
  • 堀 正典
    株式会社KRI
    常務執行役員 材料分野統括
  • 林 蓮貞
    株式会社KRI ナノ構造制御研究部
    主任研究員
  • 根本 純司
    北越コーポレーション株式会社 新機能材料開発室 研究ユニット
    ユニットリーダー
  • 野口 徹
    信州大学 先鋭領域融合研究群 カーボン科学研究所 応用材料工学研究部門
    特任教授
  • 影山 裕史
    金沢工業大学 大学院 工学研究科 高信頼ものづくり専攻
    教授

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

第4講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 47,500円 (税別) / 51,300円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,000円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 25,000円(税別) / 27,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 47,500円(税別) / 51,300円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 54,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 81,000円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
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