技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

バイオ医薬のタンパク質凝集制御と不溶性異物の管理

バイオ医薬のタンパク質凝集制御と不溶性異物の管理

~多品種製造で求められる、リスクに基づいた科学的かつ効率的な実施法~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、凝集を引き起こすメカニズムや、それを防ぐ処方、添加剤使用のポイント、凝集体や不溶性異物に対するGMP上の管理の要求事項について解説いたします。

開催日

  • 2019年9月11日(水) 10時00分 17時30分

プログラム

第1部. タンパク質凝集のメカニズムと高分子電解質による凝集制御

(2019年9月11日 10:00〜11:45)

 タンパク質は溶液中で不安定であり、熱やpHなどのストレスによって不可逆な凝集体を形成する。不可逆な凝集体はバイオ医薬品において異物であり、医療応用を妨げる重大な課題である。一方で、タンパク質の凝集は無数のタンパク質分子が集まった、いわば“高濃度”な状態である。高濃度タンパク質溶液のニーズは高まっており、一部の抗体医薬品では皮下投与に数百mg/mL以上の濃度を必要とする。しかし、高濃度タンパク質溶液の調製は困難であり、単に凍結乾燥製剤を少量の溶媒で溶かす方法では時間がかかり、剪断ストレス等による不可逆な凝集体形成が懸念される。
 我々は、高分子電解質を混ぜるというシンプルな方法で、 (i) タンパク質の凝集を抑制する、あるいは、 (ii) 意図的に凝集させて高濃度タンパク質溶液を調製する技術を開発してきた。本セミナーでは、高分子電解質によるタンパク質の凝集制御の事例を紹介したい。

  1. タンパク質凝集
    • タンパク質の凝集とは
    • バイオ医薬品におけるタンパク質凝集
    • 高分子電解質を用いたタンパク質の凝集制御
  2. 可溶性PPCによるタンパク質凝集抑制
    • PEG化高分子電解質による可溶性PPC形成
    • 非共有結合的PEG化によるタンパク質の安定化
  3. 不溶性PPCによるタンパク質ハンドリング
    • 沈殿 – 再溶解法による高濃度抗体溶液の調製
    • 不溶性PPC形成によるタンパク質安定化
    • 可逆的な不溶性PPCの合理的設計
    • 質疑応答

第2部. バイオ医薬品の凝集抑制のための処方探索

(2019年9月11日 12:30〜14:15)

 バイオ医薬品において、凝集体の発生の抑制が求められている。バイオ医薬品の効率的で合理的な処方開発は、高い安定性を有するバイオ医薬品の創出に大きく貢献すると考えられる。本講演では、添加剤の基礎的な役割や注意点の説明に加え、少量の医薬品を用いた網羅的な処方条件探索の新しい手法を紹介する。

  • バイオ医薬品の処方と添加剤の効果
  • コロイド安定性
  • 構造安定性
  • タンパク質の電気的性質、安定性とpH
  • pHとタンパク質の安定性
  • タンパク質の安定性と塩
  • タンパク質の安定性と糖類
  • 界面活性剤とタンパク質の相互作用
  • 界面活性剤を添加する場合の注意点
  • アミノ酸の効果
  • アルコールの効果
  • バイオ医薬品の保管容器
  • 少量のバイオ医薬品を用いた処方検討の具体例
  • 質疑応答

第3部. バイオ医薬の不溶性異物に関する微粒子試験、目視検査及びGMP対応

(2019年9月11日 14:30〜17:30)

 バイオ医薬品の凝集体は免疫原生の原因となる可能性が懸念されるため、目的物質由来不純物として取り扱われています。また、バイオ医薬は注射剤であるので目視検査で不溶性異物が検出された場合には回収の対象になります。本講座では、凝集体の目視検査法並びに微粒子測定法及びGMP対応について解説します。

  1. 不溶性異物へのGMP対応
  2. バイオ医薬品の品質管理:純度及び不純物試験
  3. 原薬製造工程の目的物質由来不純物及び製造工程由来不純物
  4. バイオ医薬品の特性解析技術と不溶性異物
  5. 凝集体とは何か
  6. 凝集体の粒子サイズ;SVP (sub-visible particles)
  7. 凝集体の測定法:サイズ排除クロマトグラフィーと不溶性微粒子試験
  8. 凝集体の発生防止対策
  9. バイオ医薬品微粒子試験
  10. 内容異物の外観検査
  11. 目視検査の基本
  12. 目視検査機の選定のポイント
  13. 不溶性異物検出時の原因調査の進め方について
  14. 不溶性異物防止対策
    • 質疑応答

講師

  • 栗之丸 隆章
    産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門
    研究員
  • 福原 彩乃
    株式会社 ユー・メディコ
    代表取締役
  • 人見 英明
    合同会社 ヒトミライフサイエンス研究所

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/6/20 ザ・治験薬のGMP2024 東京都 会場・オンライン
2024/6/20 QA部門のためのGMP文書・記録類の照査のポイント オンライン
2024/6/20 医薬品の知財制度と特許戦略 入門講座 オンライン
2024/6/20 経皮吸収製剤における評価と生物学的同等性試験のポイント オンライン
2024/6/20 事例を交えて学ぶ共同研究契約・共同出願契約等に関するポイントと実践的対処方法 オンライン
2024/6/21 試験検査室管理におけるGMP対応の重点チェックポイント オンライン
2024/6/21 医薬品製造における不純物管理と当局への対応の重要ポイント 東京都 会場・オンライン
2024/6/21 GMP/GQP-QAが行うべき逸脱管理とCAPAの適切性の評価とチェックリストの活用 オンライン
2024/6/21 粉体の取り扱いとトラブル対策 オンライン
2024/6/21 非臨床試験QC/QAの留意点とGLP品質マネジメントシステムから学ぶ非臨床試験の信頼性保証 オンライン
2024/6/21 実務経験をふまえた医薬品開発担当者のための人材育成プログラム (導入/継続教育) オンライン
2024/6/21 GMP省令改正における原材料供給者管理への対応と原薬・原料・資材各々の取決め事例 オンライン
2024/6/21 ICH Q3D/日局をふまえた元素不純物管理 (新薬・既存薬) のための分析・試験法設定のポイント オンライン
2024/6/21 免疫性血栓性血小板減少性紫斑病の歴史、病態、治療の新たな展開と残された課題 オンライン
2024/6/24 リスクマネジメント/ワーストケースアプローチに基づく洗浄バリデーション実施 (残留限度値・DHT/CHT設定など) と残留物の評価法 オンライン
2024/6/24 変更管理・逸脱管理コース (2日間) オンライン
2024/6/24 バイオ医薬品製造におけるGMP対応をふまえたプロセス開発からの設備設計・スケールアップ オンライン
2024/6/24 適正なCAPA実現につながる逸脱・OOS処理フロー及び原因・試験室調査の進め方と処置事例 オンライン
2024/6/24 日米欧の規制対応を可能とするためのグローバルPV体制構築とベンダーコントロール オンライン
2024/6/24 オンコロジー領域における医薬品売上予測手法とデータ収集及び注意点 オンライン