量子ドットのカドミウムフリー化、均一積層技術と光デバイスへの応用
東京都 開催
会場 開催
開催日
-
2016年7月12日(火) 11時00分
~
16時30分
プログラム
第1部 カドミウムフリー量子ドット蛍光体の設計と発光効率向上技術
(2016年7月12日 11:00〜12:30)
コロイダル半導体量子ドットは、量子閉じ込め効果を起源とするバルク半導体にはないユニークな特性のため、各種の光および光電子デバイスへの応用が期待されている。サイズにより発光波長を任意に制御できるという性質を利用した波長変換材料 (蛍光体) は、液晶ディスプレーのバックライト用LED青色光の波長変換素子として、ごく最近上市されている。量子ドットへの電流注入による発光素子も近年ではその効率が向上し、OLEDと競争できるレベルに達している。
本講演では、量子ドットならではの応用技術、CdSeコロイダル量子ドットを例にその合成技術、カドミウムフリー量子ドット蛍光体の設計および合成、量子ドットを用いた各種発光素子技術について、講演者らの成果を中心に世界の最新動向をわかりやすく解説する。
コロイダル量子ドットの開発にこれから従事する方から、数年程度の経験のある方を対象として、コロイダル量子ドットの特性、合成法、応用展開に向けた材料設計指針などの習得を目指す。
- 可視光発光材料としてのコロイダル量子ドット
- CdSe量子ドット
- 合成法の特徴
- 自発光素子 (QLED) の現状
- 波長変換素子の現状
- 材料とそれに関わる規制 ーCdフリー材料の必要性ー
- 非カドミウム系材料;I-III-VI2およびIII-V化合物半導体
- III-V量子ドット蛍光体
- I-III-VI2化合物半導体量子ドットの合成法とその特性
- I-III-VI2化合物半導体のポテンシャル
- 量子閉じ込め効果のシミュレーション
- I-III-VI2化合物半導体量子ドットへの適用
- (I-III-VI2)-(II-VI) 混晶半導体量子ドット
- CuInSe2量子ドット
- CuInS2量子ドット
- 欠陥由来の発光中心
- 励起子再結合発光
- 酸化物系新材料
- おわりに
第2部 量子ドットの基板上への均一積層技術
(2016年7月12日 13:20〜14:50)
現在では溶液中での化学反応を利用する液相法により、サイズと表面構造が制御されたナノ粒子 (量子ドット) の作製が可能となっている。しかしながら、液相法で作製した量子ドットは溶液中に分散しているため、デバイス応用のためには、溶液から量子ドットを取り出し、基板上に均一に成膜する必要がある。一般的にドロップキャスト法やスピンコーティング法が用いられるが、これらの方法では、量子ドットの高密度化および規則配列化の制御は非常に困難である。
本講演では、溶液中に分散している量子ドットを基板上に一粒子層ごとに積層させる、さらには層間距離を1nm精度で制御する技術について紹介する。
- 半導体量子ドットの作製
- 量子ドットの特長 – なぜ量子ドットか? –
- 脂溶性量子ドットの作製方法
- 水溶性量子ドットの作製方法
- 量子ドットの均一分散技術
- 量子ドット分散フィルム試料の作製
- 量子ドット分散ガラス試料の作製
- 量子ドットの均一積層技術
- 量子ドット積層構造の作製と層間距離の制御
- 量子ドット積層構造の構造解析と光学特性評価
- まとめと今後の展開
- まとめ
- 今後の展開と可能性
第3部 量子ドットの表面修飾技術とバイオイメージングへの応用
(2016年7月12日 15:00〜16:30)
過去20年の間に高輝度発光の量子ドットの合成法はほぼ確立し、現在量子ドットは蛍光材料として様々な分野で応用、実用化されている。
本講演では、量子ドットでなければなし得ない高輝度発光の近赤外蛍光材料として、生体蛍光イメージング分野での応用について最近の研究動向を交えながら紹介します。
- はじめに
- 生体の非侵襲イメージング法
- 生体の光学特性
- 生体の近赤外蛍光イメージング
- 近赤外発光材料としての量子ドット
- 近赤外発光材料
- 高輝度発光近赤外量子ドット
- 近赤外量子ドットの合成、表面修飾法
- 細胞毒性
- 近赤外量子ドットによる生体蛍光イメージング
- リンパ節
- 脳血管
- 乳がん
- 免疫細胞
- 近赤外量子ドットのバイオメディカル分野での応用の可能性
- おわりに
講師
小俣 孝久 氏
東北大学
多元物質科学研究所
原子空間制御プロセス研究分野
教授
金 大貴 氏
大阪市立大学
大学院 工学研究科
教授
神 隆 氏
理化学研究所
生命システム研究センター
ナノバイオプローブ研究チーム
チームリーダー
主催
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