2012年度介護報酬改定は介護保険制度施行から10年の大きな節目であり、医療との同時改定であるにも関わらず、小幅な改定内容に留まるような印象が多く持たれている。
　しかし、実際には今後の給付費抑制を主な目的とした制度改革に向けた、多くの布石が盛り込まれた厳しい内容となっている。このため、介護事業者は改定内容を正しく理解し、ここに隠された意図を読み解き、自社の戦略の中に織り込むことが、今後も事業者として生き残るための大きな鍵となる。
　今回は特に生き残り競争が加速している、「通所介護」「訪問介護」「居宅介護支援」 (サービス付き高齢者向け住宅併設含む) に関して、改定内容の分析、そして生き残りへ向けた、これからの介護事業戦略について解説したい。

1. 2012年度介護報酬改定概要
   1. 2012年介護保険法改正の内容
   2. 2012年度介護報酬改定の概要
2. 各サービスの改定内容分析
   ～詳細解説・収支シミュレーション～
   1. 通所介護 (介護予防通所介護・サ高住併設)
   2. 訪問介護 (介護予防訪問介護・サ高住併設)
   3. 居宅介護支援 (介護予防支援)
3. 新サービス解説
   ～定期巡回・随時対応型訪問介護看護～
   1. サービス内容・基準・報酬
   2. その可能性と既存サービスへの影響
4. これからの介護事業戦略
   ～加速する生き残り競争下で求められる介護事業戦略～
   1. 社会保障改革の方向性
   2. 介護保険施策の方向性
   3. 介護事業環境分析 (5フォースモデル)
   4. これからの介護事業戦略
5. 質疑応答・名刺交換