モデルベースト制御において,制御対象のモデルの良し悪しが制御性能を大きく作用する.計算機の性能向上に伴い,制御対象より大量に計測される実験データからその入出力関係を記述するモデルを求める方法であるシステム同定が近年脚光を浴びている.
　本セミナーでは,システム同定の導入からシステム同定の理論と方法の基礎を学ぶ.さらに,多入出力システムの同定の強力なツールとして注目されている部分空間同定法について紹介する.

1. 物理モデリングとシステム同定
   1. 制御とモデリング
   2. 第一原理モデリングとシステム同定
2. システム同定の一般的な手順
   1. 同定実験の設計と前処理
   2. 同定モデルの選定
3. システム同定法の分類
   1. 開ループ同定と閉ループ同定
   2. ノンパラメトリックモデルの同定
   3. パラメトリックモデルの同定
   4. 最小2乗法
4. 逐次同定法
   1. 逆行列補題
   2. Givens回転変換
5. 部分空間同定法
   1. 部分空間同定法の基礎
   2. 開ループ部分空間同定法
   3. 閉ループ部分空間同定法