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自動車騒音低減のための吸音・遮音材の要求特性と開発

自動車騒音低減のための吸音・遮音材の要求特性と開発

~材料からみる静粛性向上技術~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、ハイブリッド車や電気自動車の普及により、近年要求が高まっている軽量化も合わせて、材料からみる遮音・吸音技術について解説いたします。

開催日

  • 2013年9月17日(火) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 車両の振動に関連する製品の技術者、研究者、開発者、品質・信頼性保証担当者
    • 自動車
    • 二輪車
    • 産業車両 など

修得知識

  • 遮音・吸音の基礎知識
  • 遮音・吸音の研究現状
  • 遮音・吸音の応用展望
  • 車室内騒音に対する制振材・吸音材・遮音材のはたらきとその効果
  • 制振材の貼り付け位置や吸遮音材の積層構造を適正化する手法について
  • 軟質の多孔質材料が持つ吸音・遮音特性発現のメカニズム

プログラム

第1部 自動車から発生する騒音の特性および制振材・吸遮音材の最適設計法

(2013年9月17日 10:30〜12:10)

 近年、環境へ及ぼす影響を軽減できる電気自動車やハイブリッド車の普及がすすんでいる。これらの車両ではエンジン騒音は小さくなったが、ロードノイズなど他の騒音の寄与が相対的に大きくなってきている。その一方、環境性能の観点から燃費向上のため車両の軽量化は必須の検討項目となっている。本講演ではロードノイズに対して効果の大きいフロントフロアの制振材・吸音材・遮音材について、質量に対する騒音抑制の効果すなわち質量効率を向上させることを目的に、仕様の適正化を検討した事例を紹介する。

  1. 自動車室内の騒音
    1. 固体伝播音と空気伝播音
    2. 起振源・音源の種類
    3. 騒音低減の考え方と主な手法
  2. 防音材 (吸音材・遮音材・制振材) の基礎
    1. 防音材の基本構造
    2. 制振材の役割
    3. 吸音タイプと遮音タイプ
    4. Biot-Allard の吸音材モデル
  3. 制振材貼付け位置の最適設計
    1. 構造最適化の基礎
    2. 制振材厚さの最適化
    3. 制振材貼付位置の最適化
  4. 積層型防音材のモデル化
    1. 伝達マトリックスを用いたモデル化
    2. モデル化の検証
  5. 防音材の適正化検討
    1. 2層構造および4層構造
    2. パレート図による分析
    • 質疑応答

第2部 多孔質材料を中心とした吸音・遮音材料に求められる特性

(2013年9月17日 13:00〜14:40)

 防音という言葉がよく使われるが、その範疇で機能する材料が吸音・遮音材料である。どんな材料でも剛体でない限り、音波の入射に対して吸音性および遮音性を持つもので、各種の材料を吸音材料、遮音材料として有効に機能させるためにはそれらのメカニズムを理解することが重要である。特に最近の環境問題との関わりから両者の機能を兼ね備えた軽い材料が多く使われるようになってきており、自動車用の内装材ではその傾向が顕著である。
 そこで本講習会では吸音・遮音の発現メカニズムをしっかり把握し、材料を的確に用いるための勘どころについて講義を行う。また各種の多孔質材料に着目し、その吸音・遮音性の発現メカニズムを捉え、性能の高い吸音・遮音材料の設計・開発指針を与える。材料の使い方・選定法、材料設計のポイントなどについて、物理的イメージを大切にし、講義を行うものである。

  1. 音・振動の基礎
    1. 音源
    2. 媒質の働き
      1. 音の波動
      2. 固体中の波動
    3. 有限空間における音波
      1. 1次元空間
      2. 3次元空間
    4. 有限固体中における弾性波
      1. 棒の縦振動
      2. 棒の曲げ振動
      3. 板の曲げ振動
    5. 音・振動の物理的表現
  2. 音・振動の防止対策の基礎
    1. 防止法の形態
    2. 音の反射・吸収・透過
    3. 音の遮断
      1. 無限平板による遮音
      2. コインシデンス現象
      3. 垂直入射・統計入射透過損失
      4. 無限平板の質量則
      5. 有限平板による遮音特性
      6. コインシデンスの制御
      7. 積層構造体による遮音
      8. 遮音上の欠損
      9. 自動車用内装材 etc.
    4. 音の吸収
      1. 吸音率
      2. 吸音構造の種類と特性
      3. 音の反射・吸収・透過の波動的取り扱い
      4. 有限厚さの材料に関わる反射及び減衰
      5. 吸音率の測定
      6. 垂直入射・統計入射吸音率
      7. 音響試験
      8. 吸音理論 etc.
    • 質疑応答

第3部 繊維材料を用いた遮音・吸音材料の開発とその評価・応用   (2013年9月17日 14:50〜16:30)

 本講演ではGFにシリカ含有量の異なるPU樹脂を含浸及び塗布することにより、軽くて強いというGFRPの特性に加え、柔軟性と遮音特性をも兼ね備えた5種類の材料を考案し、作製した供試材に対して、曲げ反発性および遮音性実験を行い、その中から柔軟性、遮音特性に優れた積層構造およびシリカ含有量を検討した。また,その他の遮音・吸音材料の試作と評価の結果についても合わせてご紹介します。

  1. 騒音振動と防止対策について
  2. 防音材料の分類と評価について
  3. 軽くて柔軟性がある防音材は?
  4. 軟質シートの作製
  5. 軟質シートの力学的特性
  6. 軟質シートの遮音特性
  7. 軟質シート遮音特性への基布の影響
  8. 軟質シート遮音特性へのシリカ含有量の影響
  9. 軟質シート遮音特性への面密度の影響
  10. 軟質シート遮音特性の解析
  11. 質量則
  12. 軟質シートを吸音材としての応用
  13. 軟質シートを芯材としての応用
  14. その他の遮音・吸音材
  15. まとめ
    • 質疑応答

講師

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

4F 第1特別講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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主催

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お問い合わせ

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受講料

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: 47,429円 (税別) / 49,800円 (税込)
複数名
: 40,429円 (税別) / 42,450円 (税込)

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