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量子コンピュータ入門

量子コンピュータ入門

~誤り耐性汎用量子コンピュータ時代の幕開け~
オンライン 開催

概要

本セミナーにおいては、量子コンピュータの基礎と最新研究開発動向について解説いたします。
また、商用化に向けた問題点や技術的課題、量子コンピュータビジネスの可能性について議論いたします。

開催日

  • 2024年5月23日(木) 10時00分 17時00分

受講対象者

  • 量子コンピュータの基礎について学びたい方
  • 量子コンピュータのビジネス活用を検討されている方
  • 量子コンピュータに関する情報収集・動向調査を行われている方
  • 量子コンピュータの産学官共同研究を検討されている企業の方

修得知識

  • 量子コンピュータの基礎知識
  • 量子コンピュータの最新研究開発動向
  • 量子コンピュータの適応可能なビジネス領域
  • 量子コンピュータ商用化のための技術課題

プログラム

 2023年に内閣府は新たな量子戦略「量子未来産業創出戦略」を策定し、量子コンピュータを主軸とする量子技術の産業化に向けた取り組みを強化する方針を示しました。また、アメリカ、ヨーロッパ、中国を含む世界各国が、量子コンピュータの研究開発と商用化を加速すべく、産学官を交えた取り組みを行っています。
 量子コンピュータとは、重ね合わせや量子もつれなどの量子力学原理を情報処理に利用したコンピュータです。量子コンピュータを用いると、因数分解、機械学習、量子化学計算、金融、線形連立方程式等のいくつかの数学的問題を古典コンピュータに比べて指数関数的に高速に解くことが可能となります。そのため、世界的大企業やスタートアップが量子コンピュータハードウェア・ソフトウェア開発やビジネス展開に向けた取り組みを行っています。
 これまで超伝導量子コンピュータが量子コンピュータ研究開発の主役でした。ところが、2023年12月にアメリカのスタートアップQuEraが48論理量子ビットを搭載した中性原子量子コンピュータを実現し、業界に大きな衝撃を与えました。そのため、2024年は誤り耐性汎用量子コンピュータFTQC (Fault Tolerant Quantum Computer) 1年となるであろうと期待されています。
 本セミナーにおいては、量子コンピュータの基礎から最新動向まで非専門家向けにわかりやすく解説を行います。また、ノイジーな中規模量子デバイス (NISQ) 、FTQC向け量子アルゴリズム、量子エラー訂正と表面符号・ボソニック符号などの最先端トピックスに加えて、FTQCの実用化に向けた膨大な技術課題、ビジネス展開の可能性についても紹介を行います。さらに、大型希釈冷凍器、クライオCMOS制御回路、超伝導制御回路、CMOSプロセスを用いた量子ビット製造技術、量子コンピュータ用極低温部素材技術 (同軸ケーブル、フラットケーブル、アンプ、コネクタ) などの今後注目すべき量子周辺・コンポーネント技術や量子サプライチェーン、量子ベンチマーキングについても解説を行います。

  1. 今何が起こっているのか?
    1. 超伝導量子コンピュータの進展
      • 量子版ムーアの法則
      • IBMのFTQCに向けた大きな方向転換
    2. FTQC時代の幕開け
      • QuEraの中性原子量子コンピュータ:48論理量子ビットの衝撃
      • 東大の光量子コンピュータ:GKP論理量子ビットの実現
  2. 量子コンピュータ入門:初級編
    1. 量子力学のための数学基礎 (ベクトルと行列)
    2. 量子力学の基礎
    3. 量子コンピュータの歴史
    4. 量子ビット
    5. 量子チューリング機械
    6. 量子論理回路
    7. 量子アルゴリズムと量子計算量理論
    8. 量子コンピュータハードウェア
  3. 量子コンピュータ入門:中級編
    1. 古典誤り訂正と量子誤り訂正
    2. トポロジカル表面符号とボソニック符号
    3. 量子エラー訂正と論理量子ビットの実験
    4. FTQC (誤り耐性汎用量子コンピュータ) とNISQ (エラー訂正機能を搭載していないノイジーな中規模量子デバイス)
    5. NISQ向け量子/古典ハイブリッドアルゴリズム
    6. FTQC向け量子アルゴリズム
      • 因数分解
      • 量子化学
      • 微分方程式系と計算工学
      • 金融など
  4. 最新研究開発動向と最先端トピックス
    1. 世界の量子戦略 (米National Quantum Initiative法など)
    2. 日本の量子戦略
      • 量子技術イノベーション戦略
      • 量子未来社会ビジョン
      • 量子産業創出戦略など
    3. 超伝導量子コンピュータ
    4. シリコン量子コンピュータ
    5. イオントラップ量子コンピュータ
    6. 中性原子量子コンピュータ
    7. 光量子コンピュータ
    8. 量子クラウドサービス
      • IBM Q
      • Alibaba Quantum Cloud
      • Amazon Braket
      • Microsoft Azure Quantumなど
    9. 量子コンピュータソフトウェア開発環境SDK・量子プログラム言語
    10. 企業による量子コンピュータ活用事例
      • 量子化学
      • 機械学習
      • 金融など
  5. 課題と展望
    1. FTQC実現のための技術課題
    2. 量子コンピュータ周辺技術
      • 大規模集積化プロセス
      • 3次元実装
      • 巨大希釈冷凍機
      • クライオCMOS制御回路
      • 超伝導制御回路など
    3. 量子部素材技術と量子サプライチェーン
      • 同軸ケーブル
      • フラットケーブル
      • アンプ
      • コネクタなど
    4. 量子コンピュータのベンチマーキング
      • 集積度
      • 忠実度
      • 量子体積
      • アルゴリズミック量子ビット
      • CLOPSなど

講師

  • 川畑 史郎
    産業技術総合研究所 量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター
    副センター長

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 49,000円 (税別) / 53,900円 (税込)
1口
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込) (3名まで受講可)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
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開始日時 会場 開催方法
2024/5/21 量子コンピュータ最前線 東京都 会場・オンライン