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TIM (サーマルインターフェイスマテリアル) の特性、開発動向と熱設計への適用技術

TIM (サーマルインターフェイスマテリアル) の特性、開発動向と熱設計への適用技術

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、TIM の基礎から解説し、最適なTIMを選定するために必要な基礎知識を習得していただきます。

開催日

  • 2024年4月11日(木) 10時00分 17時15分

修得知識

  • 現在市場にて入手可能な各種TIMの特徴
  • 現在の TIM のマーケットトレンド
  • 最適なTIMの選定
  • TIMを選定する際の基本となる特性
  • 価格や熱伝導率以外に考慮すべきパラメーター

プログラム

第1部 最新TIM技術の解説と熱設計への適用事例

(2024年4月11日 10:00〜12:00, 13:00〜14:00)

 かつての放熱設計は、取り込んだ外気への熱伝達および筐体への熱輻射を中心としていたが、製品内部での熱伝導を主体とした熱拡散による冷却方式にシフトしつつある。そのような状況下で、界面における熱移動のための放熱デバイスが広く注目を集めており、TIM (Thermal Interface Material) はその中心となる重要な放熱素材である。
 TIMの中でも最も広く使われているのが熱伝導シートであり、バインダー樹脂にフィラーと呼ばれる熱伝導性粒子を混ぜた比較的単純な構成であるためか、価格と熱伝導率から簡単に選定してしまうケースがしばしば見受けられる。しかし担当する製品の最適なTIMを選定するためには、その他の特性も考慮して総合的に判断する必要がある。
 今回の講座では、最適なTIMを選定するために必要な基礎知識を広く学んでもらうことを目的とする。 一方で、最近盛んに使われるようになってきた熱伝導性パテ (ギャップフィラー) や放熱グリスについても、実際の使用例を交えて使い方をご紹介する。 一方で、現在入手可能なTIMの市場動向を詳細に分析することにより、TIMユーザーだけでなくTIMを開発する材料メーカーの技術者向けにも有益な情報を提供することも目的としている。

  1. 最近の放熱設計の現状と直面する課題
    1. 筐体内の対流冷却から熱伝導主体の放熱へ
    2. 急速な電力密度の上昇
    3. 表面実装部品の普及により大気放熱から基板放熱へ
    4. 薄型化高性能化が求められる放熱デバイス
  2. TIMの特性を理解するための熱設計の基本
    1. 熱移動の3要素
    2. 熱抵抗の定義と実用上の注意点
  3. TIMの役割と種類
    1. 界面熱抵抗の最小化
    2. フィラーの役割
    3. フィラーに適した材料とは
    4. 現在入手可能なTIMとその特徴
    5. 熱伝導シートの商品トレンド
  4. 最適なTIMを選定するための諸特性
    1. ビオ数とは何か
    2. TIMとビオ数
    3. 広がり熱抵抗
    4. 全体の熱抵抗に着目
    5. 熱変形に対応した表面タック性
  5. TIMの高性能化
    1. 炭素繊維鉛直配向熱伝導シート
    2. 積層グラファイトシート
    3. ソルダーTIM
    4. 液体金属
  6. TIMの実際の使用例
    1. スマートフォン
    2. ノートPC
    3. グラフィックボード
    4. 車載機器
    • 質疑応答

第2部 高熱伝導放熱シート (TMシート) の開発動向と課題

(2024年4月11日 14:15〜14:45)

 一見平滑に見えるICチップなどの発熱体や、ヒートシンクなどの放熱部材もミクロにみると微小な凹凸が存在する。この微小な凹凸部に入り込む空気は断熱性が高いため、発熱体から放熱部材へのスムーズな熱の移動を阻害する要因となる。この微小な凹凸を、空気よりも熱伝導性の高い素材で埋めるためにTIM (Thermal Interface Material) が存在する。
 本セミナーではユーザーから実際に集めた要望事項からTIMの開発動向を示す。また、基本的なTIMの設計思想を解説しながら、ユーザーの要望を満たすための技術的な課題を示し、TIMに用いられる材料に対する要望事項を解説する。

  1. 導入
    1. 古河電工パワーシステムズ 会社概要
    2. 電線接続部材メーカーが放熱シートを開発した背景
  2. TIM (Thermal Interface Material) とは
    1. TIMの役割
    2. TIMの種類
  3. 古河電工パワーシステムズ製TIM TMシート(R)
    1. TMシート(R)の特徴
    2. TMシートが活躍する業界
  4. TMシートの開発動向と課題
    1. 顧客の要望と変化
    2. 基本的な熱伝導の概念
    3. 基礎特性の向上に関する課題
    4. 暗黙要求事項とのトレードオフに関する課題
  5. まとめ
    • 質疑応答

第3部 超柔軟熱伝導シート

〜特性と適用事例の紹介〜

(2024年4月11日 15:00〜16:00)

 熱伝導シートは、硬度が低硬度であるほどメリットが増えますが、低硬度ゆえに気を付けていただきたいご設計上のポイントがあります。
 本講演では、超低硬度熱伝導樹脂の材料構成にも触れながら、超低硬度樹脂の上手な活用方法と注意点について、実践的に説明をさせていただきます。

  1. 簡単な会社紹介と事項紹介
  2. 弊社の超低硬度熱伝導樹脂「熱ゴム(R)」の簡単な紹介
  3. 熱伝導樹脂の低硬度化、柔軟性がもたらす優位性
  4. 超低硬度樹脂のデメリット・トレードオフ (材料構成に掛かる特性の簡単な説明)
  5. 実際の採用事例
  6. 超低硬度熱伝導樹脂の活用アプリケーション
    • 印刷
    • 転写
    • 3D成形等
    • 質疑応答

第4部 シリコーン放熱材料の技術開発動向

(2024年4月11日 16:15〜17:15)

 本講演では、放熱用グリースの特徴、放熱材料の高性能化アプローチ、技術・開発動向について、発表させていただきます。

  1. シリコーン放熱材料の概要
    1. 放熱材料の役割
      • 電子機器の効率的な冷却
    2. 放熱特性の指標
      • 熱伝導率と熱抵抗
    3. シリコーンの特性
      • 過酷な環境にも対応できる良好な信頼性
  2. シリコーン放熱材料の高性能化アプローチ
    1. 高熱伝導率化
      • 熱伝導性フィラーの最適化
    2. 接触熱抵抗の低減
      • 基板界面との追従性向上
  3. シリコーン放熱材料の技術・開発動向
    1. 当社放熱材料の紹介
    2. 液状放熱材料
    3. 加工品
    • 質疑応答

講師

  • 柴田 博一
    株式会社ザズーデザイン
    代表取締役
  • 野村 伸吾
    古河電工パワーシステムズ株式会社 第二事業部 エフコ製造部 開発課
    課長
  • 古川 正和
    薩摩総研 株式会社
    取締役 営業部長
  • 山口 貴大
    信越化学工業 株式会社 シリコーン電子材料技術研究所 第二部

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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