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カーボンナノチューブの分散安定化技術とその評価方法

カーボンナノチューブの分散安定化技術とその評価方法

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、カーボンナノチューブについて取り上げ、不純物の影響を抑える方法、不純物の除去方法、分散状態の測定・評価、複数の測定結果から分散状態を評価するポイントを詳解いたします。

開催日

  • 2024年2月8日(木) 10時30分 16時15分

受講対象者

  • 混練過程における現象を論理的に理解したい方
  • 伸長流動を用いた分散技術を基本から学びたい方
  • アカデミックで実践されているナノ混練技術に関するシーズの情報収集をされたい方

修得知識

  • 溶融混練法における混練の理論
  • ナノコンポジットの分散における技術的課題や先端研究の状況
  • 伸長流動の概念

プログラム

第1部 高粘度液プレ分散によるCNT解繊効果とその応用

(2024年2月8日 10:30〜12:00)

 実用化が進むCNTの分散工程で高粘度液を用いた解繊をプレ分散として提案いたします。また、応用事例の紹介とともにCNT分散体のサイズ、形状、数の評価手法について解説します。

  1. 高粘度液によるCNT解繊効果
    1. CNT粉体の特徴
    2. 低CNT濃度
    3. 高CNT濃度
    4. 粘度の異なる種々の液体
    5. CNT品質
    6. 種々の市販CNT粉体の解繊
  2. CNT分散液の評価
    1. 分散体のサイズ、形状、数 (フロー画像解析)
    2. 分散状態の定量化
    3. 孤立分散と網目状分散
  3. 応用事例
    1. 導電性CNTゴム
    2. CNT膜
    • 質疑応答

第2部 伸長流動場を用いたカーボンナノチューブの混練・分散技術の開発

(2024年2月8日 13:00〜14:30)

 種々の特性を発揮させることを目的にナノコンポジットやポリマーアロイは常に注目を集めている。しかしながら、工業的プロセスとして生産コストを抑えるためには溶融混練法による連続混練技術が必用不可決であり、高度に均一分散させるプロセスが求められている。
 本セミナーでは、従来の混練技術のメカニズムから、分散とプロセスの関連性、伸長流動の基礎からその技術を用いた混練技術まで事例を踏まえながら紹介する。

  1. 溶融混練法におけるナノ粒子分散プロセス (既往の研究)
    1. ナノ粒子の分散メカニズム
    2. ポリマー中におけるナノ粒子の分散評価手法
    3. 混練機によるナノ粒子の分散とプロセスパラメーターの関係
    4. ナノ粒子分散のための二軸押出機を用いた特殊混練法の紹介
  2. 伸長変形・伸長レオロジーの基礎
    1. 粘弾性体の剪断変形・伸長変形
    2. 伸長変形の種類と伸長レオロジーの基礎
  3. 二軸押出機および射出成形機における伸長流動を用いた混練技術
    1. 混練プロセスにおける伸長流動の可能性
    2. 単純伸長流動場におけるナノ粒子の分散効果
    3. 伸長流動を取り入れた混練装置・混練プロセスの紹介
    • 質疑応答

第3部 カーボンナノチューブの分散状態の評価方法

(2024年2月8日 14:45〜16:15)

 液体中のカーボンナノチューブの分散状態を評価することは研究開発において極めて重要であるが、さまざまな直径や長さを持つナノチューブが混在した試料の状態を正確に評価できる手法は無い。そこで、できるだけ多くの測定を行い、全てのデータに矛盾のない分散モデルを考案することになる。
 ここでは、多くの企業で汎用的に用いられている手法をメインに説明する。特に注意すべき点は試料に含まれる不純物の影響であり、その除去法も述べる。最後に、最近、我々が開発したトワイライト蛍光顕微鏡を紹介する。

  1. 様々なカーボンナノチューブ
  2. 不純物
    1. 種類
    2. タールや灰成分の除去法 (洗浄)
    3. タールや灰成分の除去法 (燃焼)
  3. 実用的な分散評価法
    1. 顕微鏡
    2. パーコレーション閾値
    3. ラマン散乱
    4. レイリー散乱 v.s. ミー散乱
  4. トワイライト蛍光顕微鏡
    1. 観察原理
    2. 顕微鏡の構成
    3. 観察条件の最適化
    4. 観察例
    • 質疑応答

講師

  • 小橋 和文
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 ナノチューブ実用化研究センター CNT用途チーム
    主任研究員
  • 松本 紘宜
    福岡大学 工学部 機械工学科
    助教
  • 佐野 正人
    山形大学
    名誉教授

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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