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全固体電池の反応、劣化解析とそのメカニズム

全固体電池の反応、劣化解析とそのメカニズム

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、全固体電池応用に向けた界面設計と低抵抗な界面条件について解説いたします。

開催日

  • 2024年1月25日(木) 10時30分 16時15分

受講対象者

  • 電気化学デバイスの研究開発に携わる方
    • 全固体電池
    • 燃料電池 等
  • 二次電池への新規参入を検討されている企画部門の方
  • 二次電池や全固体電池について情報を集めたい方

修得知識

  • 複素インピーダンスの考え方
  • 全固体電池に含まれる分極要因とその解析方法
  • 放射光施設を用いたX線顕微分光技術の仕組み・実験・解析方法 (TXM-XAFS法を中心に)
  • 薄膜型全固体電池を対象とした研究実施例
  • 電解質の安定性解析
  • 複合体内の輸送解析
  • 硫黄電池向上手法の検討

プログラム

第1部 全固体電池の分極要因と電気化学インピーダンス解析

(2024年1月25日 10:30〜12:00)

 次世代蓄電池の一つとして、全固体電池が注目されています。他の電気化学デバイスと同様に、電気化学インピーダンスによる解析は、電池の分極要因や劣化要因の解明に有効ですが、全固体電池では従来のリチウムイオン電池と比べ、分極要因が多岐にわたり、複数の分極要因がきれいに分離できないこともあります。分極要因を正しく帰属しないと、正しい解析はできず、開発方針を誤ってしまうことになりかねません。
 本セミナーでは、実測例やシミュレーションの結果を用いながら、全固体電池固有の分極要因を基礎から説明し、それらの分離法などを説明します。

  1. 全固体電池
    1. 次世代蓄電池と全固体電池
  2. 電気化学デバイスの複素インピーダンス
    1. 複素インピーダンス
    2. 電気素子の複素インピーダンス
    3. 電気化学インピーダンス
  3. 全固体電池に固有の分極要因と電気化学インピーダンス
    1. 固体電解質の分極要因
      1. バルク抵抗
      2. 粒界抵抗
    2. 合剤電極層の分極要因
      1. 電荷移動抵抗
      2. 拡散分極
      3. 固体電解質の抵抗
      4. 電子伝導の抵抗
    3. 全固体電池の分極要因と電気化学インピーダンスによる分離
  4. 電気化学インピーダンスの測定上の注意
    1. 固体電解質のインピーダンス測定上の注意
    2. 全固体電池のインピーダンス測定上の注意
  5. まとめ
    • 質疑応答

第2部 全視野透過X線顕微鏡による薄膜全固体電池の電池反応、劣化挙動の可視化

(2024年1月25日 13:00〜14:30)

 全固体電池は、次世代の二次電池として注目されていますが、実用化に向けた課題が残っています。これらの課題解決に向けて、まずは、計測手法により反応・劣化挙動を観察することが必須であり、顕微分光計測の重要性は増しております。
 本講演では、放射光X線を用いた最新の顕微分光技術の一例として、全視野型結像透過X線顕微鏡-X線吸収微細構造 (TXM-XAFS) 法の仕組み・実験・解析方法について、実際に行った薄膜型全固体電池を対象としたオペランド計測研究を交えながら解説していきたいと思っております。

  1. 顕微分光計測とは
    1. 顕微鏡技術・光源の種類
    2. X線吸収微細構造 (XAFS) 法
    3. 各種顕微分光計測の空間スケールと電池材料系で対象になる領域
  2. 全視野透過X線顕微鏡-X線吸収微細構造 (TXM-XAFS) 法の仕組み
    1. 実験光学系・原理
    2. 計測データの取り扱い・解析方法
  3. 実際の研究での利用例: オペランド全視野TXM-XAFS計測による薄膜型全固体電池の電池反応、劣化挙動の可視化
    1. 全固体電池の種類・課題
    2. オペランド測定に向けた試料調整
    3. 測定実験
    4. 空間分解XAFSスペクトル解析
    5. 充放電過程における正極/負極層の化学状態分布
  4. まとめ・今後の展開
    • 質疑応答

第3部 高濃度固体界面含有複合体正極の全固体電池応用とその解析

(2024年1月25日 14:45〜16:15)

 本講座では、硫黄をはじめとした絶縁性活物質の全固体電池利用に向けた検討をお話しします。絶縁生活物質の利用にはイオンと電子の供給を担う固体電解質と電子伝導助剤を、活物質と微細かつ緻密に混合する必要があります。この過程で従来の全固体電池正極に存在する単位体積あたりの界面面積、つまり界面濃度が著しく上昇します。これにより、複合体中では化学的、電気化学的な反応や輸送経路の屈曲が顕在化します。
 本セミナーでは、これらの問題点を一つずつ具体例を持って洗い出し、その改善への道筋を議論することを目標とします。

  1. 全固体リチウム硫黄電池
  2. 硫黄正極の利点
  3. 固体電解質のイオン輸送
  4. 固体電解質の安定性
  5. 正極複合体の構造
  6. 複合体内の輸送
  7. 複合体内の輸送解析の必要性
  8. 電圧印加による変化
  9. 硫黄レドックスの利用
  10. 新規電解質との親和性
    • 質疑応答

講師

  • 山田 博俊
    長崎大学 大学院 工学研究科
    准教授
  • 河底 秀幸
    東北大学 大学院 理学研究科 化学専攻
    助教
  • 猪石 篤
    九州大学 先導物質化学研究所 先端素子材料部門
    助教

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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