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次世代自動車の最新動向とリチウムイオン電池の今後

EVをはじめとした

次世代自動車の最新動向とリチウムイオン電池の今後

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、全固体電池の開発、リチウム・コバルト・ニッケル資源の開発状況と価格を見通し、2030年に向けた次世代自動車の未来像を展望、日本企業にとっての事業機会について解説いたします。

開催日

  • 2023年6月22日(木) 10時30分 16時30分

修得知識

  • 次世代自動車の環境対応と技動動向
  • 電池資源の価格、開発動向

プログラム

 脱炭素の世界的な流れのなか、電気自動車 (EV) をはじめとした環境対応車が、多くのエネルギー専門家の予想を超えるスピードで販売を伸ばしている。2022年における電気自動車の世界販売台数は789万台と新車販売の10%を占めるまでに成長し、世界最大の電気自動車メーカー・テスラの新車販売台数は131万台と前年比40%増加している。2030年における電気自動車販売台数は3,600万台を超えるという意欲的な見通しもなされている。電気自動車の生産台数の増加とともに、リチウムイオン電池に必要不可欠なレアメタル、レアアースの価格が、資源エネルギー大国ロシアによるウクライナへの侵攻、インドネシア等の輸出規制により高騰している。2022年春には、リチウム価格は前年比6倍、ロシアが主生産国となっているニッケルは過去最高値、その他にも、ネオジム、ジスプロシウム等のレアアース価格も高騰した。レアメタルの価格高騰は、電気自動車のコストの3割を占めるリチウムイオン電池の価格上昇につながる。レアメタル価格の高騰とレアメタルに係わる地政学リスクへの対応から、三元系ではない、コバルト、ニッケルを使わないリン酸鉄リチウムイオン電池の技術革新が生まれ、テスラ等の電気自動車にも搭載されている。三菱マテリアルをはじめとした金属メーカーによるレアメタルのリサイクル研究も始まっている。
 2023年に入り、世界的な電気自動車の流れは強まっており、これまでは電気自動車に距離を置いていると思われてきた世界首位の自動車メーカーのトヨタが、2021年12月14日に2030年に電気自動車の世界販売台数を350万台と大幅に引き上げ、投資額も蓄電池を含めて4兆円と、電気自動車に注力することを表明した。さらに、2023年春には社長交代とともに、さらなる電気自動車強化への動きを表明している。2022年1月にはソニーも、電気自動車をエンタテインメントの一つとして、参入することを表明し、日本を代表するソニーとホンダが手を組み、自動車の中心がソフトウェアとなる大変革と、既存の大手自動車メーカー、IT企業、新興企業を巻き込んだ壮大な、「グレート・ゲーム」が始まった。COP26 (第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議) において、世界はカーボン・ニュートラル (温室効果ガス排出実質ゼロ) に向かうことで一致した。EV (電気自動車) 、FCV (燃料電池車) 等の開発・生産に、世界の大手自動車メーカーが研究開発競争を繰り広げ、新興企業が事業機会を狙っている。米国のテスラと、中国のBYD、米国のGM、フォード等との電気自動車販売競争が熾烈なものとなっている。その他の自動車メーカーのEV販売台数も、大きく増加している。日本を含めた世界において、脱ガソリン車への動きは加速している。英国は2030年、フランスは2040年、米国カリフォルニア州とニューヨーク州は2035年までに、ガソリン車、ディーゼル車の販売禁止を打ち出し、米国バイデン政権も2030年に新車販売の50%を電動化することを表明している。日本も2030年代半ばには、ガソリン車から、ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車等の電動化を目指すこととしており、2022年6月には軽自動車EVの販売も本格化している。自動車販売が好調な中国は、2035年には新車販売の50%について電気自動車をはじめとするNEV (新エネルギー車) として、残りの50%をハイブリッド車とする環境対応を打ち出し、テスラを追い抜くべく、トヨタ、フォルクス・ワーゲン、GM等の大手自動車メーカーが、電気自動車とリチウムイオン電池の開発競争を強化している。電気自動車は、トラック部門にも拡大し、ダイムラーは、航続距離800キロメートルの大型トラックを2024年に量産化する。
 リチウムイオン電池の技術革新と価格低下により、意欲的な見通しにおいては、2040年の世界の電気自動車市場は、新車販売の50%以上を占める。電気自動車は、スマート・フォンと比較して、1万倍近くのリチウムイオン電池の容量を必要とし、レアメタルであるリチウム資源、コバルト資源の偏在と、需要の増加に供給が追いつかないうえに、ロシアによるウクライナへの侵攻もあって、正極材に使うリチウム、コバルト、ニッケルというレアメタルの価格も高騰した。世界は、電気自動車の普及に向けて、レアメタル、レアアース争奪戦の様相を見せている。電気自動車の普及は、ガソリン車に依存した部品メーカーの淘汰を促し、既存の自動車企業、部品メーカーとIT企業の提携を通じて、日本の自動車メーカーの勢力図を変貌させる可能性が強い。米国をはじめとした世界各国が、地球環境に優しい次世代自動車育成の支援策を強化する動きを強めている。リチウムイオン電池については、正極材、負極材、電解液、セパレーター等の素材において、日本企業が世界最先端の強みを持っていたが、製品、部品そのものは中国企業、韓国企業に世界市場を席捲されている。予想よりも時間がかかっている全固体電池の開発、リチウム、コバルト、ニッケル資源の開発状況と価格を見通し、高価なレアメタルを使わない蓄電池の開発動向等、2030年に向けての次世代自動車の未来像を展望し、レアメタルを含めて、日本企業にとってのビジネス・チャンスについて次世代自動車の第一人者が分かりやすく解説する。

  1. 脱炭素の動きと電気自動車の販売の加速 – 小型EVトラック、大型トラック
  2. ロシアによるウクライナ侵攻とレアメタル、レアアース等の価格動向
  3. 次世代自動車の普及状況とガソリン車の競争力と生き残り戦略
  4. 欧米における次世代自動車への政策動向と強化支援策 – 脱ガソリン車
  5. 日本における次世代自動車への普及政策の今後 – 軽と商用車の電動化
  6. 燃料電池車のメリットとデメリット – 量産化への制約
  7. 電気自動車のメリットとデメリット – 自動運転、蓄電池の価格と性能
  8. 電気自動車の今後の普及予測 – 中国、米国、欧州諸国を取り巻く市場
  9. 天然ガス自動車のメリットとデメリット – 米国のシェール・ガス革命
  10. 燃料電池車の普及の可能性と市場規模 – 燃料電池トラック、バス
  11. 水素ステーションの普及の可能性と市場規模 – 水素社会の促進策
  12. 電気自動車と充電ステーションの普及の可能性と今後の市場規模
  13. リチウムイオン電池に係わる日本企業の強み – 中国、韓国との競争
  14. リチウム資源の現状と今後の価格動向 – リチウム資源の価格高騰
  15. コバルト、ニッケル資源の開発と今後の開発動向 – ウクライナへの侵攻
  16. レアメタル、レアアースの価格見通し – イーアクスルの供給
  17. 自動運転技術の革新動向とライド・シェアによる次世代自動車の動き
  18. コバルト、ニッケルを利用しない蓄電池の開発動向 – リン酸鉄リチウム電池
  19. 次世代自動車への日本企業のとるべき勝ち残り戦略 – 電動化と価値創造
    • 質疑応答

講師

主催

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受講料

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: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
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  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
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  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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